石井型 2 のらねこ型 1
のらねこ型 2 リーごま配線図 1
リーごま配線図 2

リーごまPart3 その10     E-109  No184      201017()

 

1  1228日〜29日に館山で持たれた安房塾で, 山形中央高の鹿野秀司さんが,のらねこ型(1)と山中高型(2, 石井型と同形)のリーごまの相違について,意見を述べてくれました.

2  そこで, 年が明けてから, 両者の相違についての確認をしました. 両者の配線図とその写真を載せておきます.  

3  1型ではLEDをリードスイッチと並列に配線します.

  この長所は, 電源の乾電池の電圧が, コイルの自己誘導起電力に加算される点です. LEDの明るさも大きいようです(蛇足3).

  欠点のひとつは, LEDを通して, 常に回路が閉じていることです. 実験をしていないときでも, LEDは薄く点灯しています(写真のらねこ型1 最近のLEDは高性能なので, 乾電池1本でも灯きます). 従って, 電池ボックスはスイッチつきのものを使用することになります.     

4  2型の特徴は, コイルの逆起電力が, LEDの向きではっきりわかることです.

 実際, この装置では, コイルが電源になるので, 乾電池1本でもLEDが明るくつくということ, 及び,このときLEDを電池とは逆向きにつなぐということを教えること, が重要だと考えています.

5  電圧, 電流を測定してみました.

  LEDを流れる電流を(テスターの2mAレンジで)測ってみると, 1型では0.40.9A, 2型では0.30.6A程度でした.

6  LEDの両端の電圧を(テスターの2Vレンジで)測ってみると, こまを使用しないときでも1型では1.536V(乾電池によるもの)あるのに対して, 2型では0です. 回路が開いているので当然です.

  LEDをつないでこまを回すと, 1型では0.81.2V, 2型では0.20.3V, LEDをつながないでこまを回すと, 1型も2型もほぼ同じで1.5V前後でした. 

 

蛇足

1 こまを回したときの測定値は不安定です. かなりの幅があるので,およその値と考えてください.

2 この回路では, ネオン球も点灯させられるので, 電圧は100V近く出る筈です. LEDなしで, テスターのレンジを200Vにして, 電圧を測定すると, 前者では100V以上の数値が出ました. 後者でもかなり大きい値が得られます.

3  配線図を見ると, 1型の誘導起電力は, コイルの左手がプラスになるので, 電源の乾電池と直列になっていることがわかります.

  それに対して, 2型の場合には, LEDは誘導起電力だけで点灯することになります.

1型LEDが,2型のそれより明るく点灯することは,5の電流値からもわかります。
 
 

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