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掲示板 石井信也

YPC(その18) E-97     No172         20091015()

 

 

YPC(18)6月例会  電気通信大学  09621()  千葉 石井信也

 

   リーごま再

 

0 この装置は, リードスイッチを使ったタイミングモーターの変形で,YPCの例会アルバム(07318)に記録があるリードスイッチごまのその後の発展である.

1 先月,上野の科学博物館で, こどもたちに見せた原理説明の実験と,みんなに作らせた装置を紹介する.

2 これまでの実験で使ってきた電磁石は釘にエナメル線(0.4mmφ)120回程巻いたものであったが, 必ずしも鉄芯を必要としないことに  気がついたので, 空芯のコイルで実験してみた.

3 以下, T:巻数, d:コイルの直径, L:導線の長さ, φ:導線の太さ.

    :回る, ×:回らない, ?:不安定.

(1) 100円ショップで入手できる1mmφのアルミ線,18.8mL52T を使用.

    この導線で巻き数を減らしていくと,

    52T, 26T, 14T, 10T?, 5T×,

(2) この導線の長さを一定(5T)にして巻き数を多くしていくと,

    5T×, 6T×, 7T×, 8T×, 9T?, 10T, 11T, 12T,

(3) 0.6mmφの導線で15mmdのコイルを巻くと,

    10T, 7T, 6T?, 5T×                      

4 長さLの導線に流れる電流でできる磁場の強さは 2πr に比例し, これが円内に作る磁場の強さ(面積密度) 2πr/πr22/r となって円の半径に反比例する. 1次元2次元則>,<3次元2次元則>.

5 応用

(1) 小型の磁石を回す.

(2) ト音記号型.       

(3) NN磁石を回す. N0磁石(単極磁石)はどうか?

6 その他.

 リーごまと呼ぼう. ネーミングもデザインの一部である.  

質問などは 

          e-mail  shinya@aqua.dti2.ne.jp

          URL     http://sound.jp/oze-isihi

理科実験を楽しむ会

リードスイッチごま(再) 石井さんの発表
 石井さんのリードスイッチを使ったタイミングモーター(石井さんは「リーごま」という呼び名を提唱している)は07年3月例会でも紹介されているが、今回はその発展型だ。まずは原理の説明から。左の写真で石井さんが磁石を近づけている部分がリードスイッチという素子。磁界によりスイッチが閉じる。回路の途中に120回巻きの電磁石を置き、リードスイッチをそのそばに配置する。LEDと並列にスピーカーを入れると回路の動作を音で実感することができる(写真右)。
 

 左は上野の科学博物館で子供達に作らせたキット。これでも十分シンプルだが、石井さんは鉄心はいらないと判断。100円ショップで入手できる直径1mmのアルミ線を束のまま使ってコイルにした。これでもちゃんとコマは回る。巻き数を減らしていくと14ターンまでは回ることを確認。

 円形コイルが作る磁場の磁束密度は半径に反比例する。コイルを小さく巻くと巻き数を減らすことができる。左の写真はト音記号型のコイル。右の写真は「N・N磁石」(S極どうしを無理矢理接着して作った両極ともN極の棒磁石)を回しているところ。

もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち