玉振発電1 玉振発電2 クリップつき
玉振発電3 U型 玉振発電4 電気振子
玉振発電5 キャリア
理科実験を楽しむ会
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち 
高(電)圧をつくる その2    E-92  No167       09年9月10日(木)
 
0  玉振発電機
1  次の材料を用意します(D2,ダイソー,ジョイフル本田)。
 アクリルの透明なパイプ、外径10mm、内径7mm、長さ1m。
 アルミ棒、太さ6mm、長さ1m。 
 鉄球直径6cmのもの4個。
 接着剤つきの銅箔。
2 アクリルパイプを8cmに2本切りとります。
 アルミ棒から、長さ2cmのもの2本、4cmのもの1本を切りとります
 4cmのアルミ棒で、切ったアクリルパイプをつなぎます。
 アクリルパイプに送電子(carrier 以後キャリアと呼ぶ) として鉄球を1個ずつ入れた状態で、その両側に、2cmのアルミ棒を差し込んで固定して集電子(collector)にします。
 4cmのアルミ棒の両側近くで、アクリルパイプの外から銅箔を巻いて、誘導子(inductor)とします。
 左側の誘導子と右端の集電子を、右側の誘電子と左端の集電子を、それぞれ導線でつなぎます。
 誘導子に電気振子用の放電電極を立てます。
3  装置を左右に振ると、放電電極が充電されて、この間で電気振子が振れます。(写真には余計なものが写っていますが)
4   以下、いろいろと工夫してみました。
 誘電子と集電子を、それぞれ導線で結んだクリップでつないでみました。内側のクリップは誘電子の役割も持ちます。外側のクリップを外して誘電子を外せば、キャリアの交換ができます。このようにして、キャリアを交換してみました。アラザン、仁丹、ボールベアリングの鉄球、炭素棒、ニューム管、ゼムクリップ、オーム抵抗、大豆、ネオジム磁石、…。
5 透明なプラストローで作り、誘電子と集電子にネオジム磁石を使ってみました。キャリアとして太さ3mmのアルミ棒を使いました。ネオジム磁石を使っているので、他の材料として、鉄のものは使えません。 (ネオジム磁石は脱磁してもよいのですが…)
6  U型ボルトを使ってダブルにしてみました。68pF(ピコファラド) のキャパシタをつけてあります。
 ネオン球が点灯します。(15kVまで出るようです)
 振子が数分間振れます。
 
蛇足
1 ケーキを飾るアラザンは、仁丹と同じく表面が銀なので、キャリアとして使えます。
 仁丹の会社に問い合わせると、表面は本物の銀で、商品価値を高めるために使用していて、薄く塗布してあるので、価格の点では問題ないとのことでした。
 ちなみに、argent は仏語では銀、英語では、同じスペルで [古・詩]銀、Ag[化]Argentum(L.=Silver)  となっています。化学記号のAgです。
2  この装置は物理的にも優れていて、静電誘導の教材としても有効です。
 電気エネルギーが溜まる理由は以下の通りです。
 この装置を水平に見て、右の集電子が軽くプラスに帯電したとします。左の誘電子もプラスに帯電するので、パイプ中の金属棒の左端にはマイナスの電荷が、右端にはプラスの電荷が、静電誘導されます。この右側のプラス電荷を、右のキャリアで右の集電子に運ぶのです。プラスの電荷をプラスの電極に、運ぶのには仕事が要ります。この仕事が電気エネルギーとして、電圧を高めるのです。
 装置の左半分では、マイナスの電荷で、同様の現象が起きています。勿論、両者は一緒に、交互に。
 最初の電荷は、摩擦か何かで、自然に起きるのです。
3  この装置は、A・D・ムーア のアイデアによります。

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石井信也