理科実験を楽しむ会

電子メロデー(その3)   E-75  No148     09430()

 

1  1曲のメロディー全体を再生できる容量の大きさのキャパシターが欲しい…, そこで…

2  両端を削った鉛筆の芯を炭素電極とすることにして, これを2本用意しました.

  フィルムケースの真ん中に厚紙の隔壁を設けて(電極が触れ合わないようにするためのもの), その両側にこの電極を立て, 食塩水を半分ほど入れました. これを磁石-ブンブンごまで充電します. ブンブンごまは200回も回せばよいようです.

  これでメロデーを鳴らすと何度(10曲以上)でも演奏させることができます. ただし, 1回毎にICに「帽子を被せ」て, LDR(Light Dependent Resister, 光依存性抵抗)をはたらかせます.

3 この電池では電極の反応を下のように推定してみましたが, 如何でしょうか.

  陽極  2Cl-2(+)      Cl2

  陰極  2Na+2()2Na  2Na2H2O2NaOHH2 

 

蛇足

1 食塩水の充電電圧は次のようでした.

    初め    100回の充電で   200回の充電で   5分放置すると  メロディー5回で   更に5回で    更に5回で

   1.17[V]     2.25[V]       2.28[V]         1.45[V]        1.10[V]           0.99[V]      0.89[V]  

             

ただし, 音はだんだん弱くなります.

  最後の段階で, 電極をショートさせると 0.54[V] に下がり, 更に, これを長時間放置したところ, 0.80[V] に復活しました.

  このことから, これは, キャパシターというよりも電池であったと思われます.

2 炭素電極に鉛筆を使ったり, 電解液に食塩水を使ったり, 容器にフィルムケースを使ったりしたのは, どこででも手軽に入手できるからです.  実際に, 自宅で実験するとなると, 硫酸も炭素棒もビーカーも入手困難なのです. 

3 このことには, メリットもありました. 陽極では塩素の匂いがして, 起きている反応がわかるからです. 陰極付近の溶液を指につけると, 幾分ぬるぬるして, 美肌温泉を彷彿させるのでした.

4 写真のフィルムケースの、中のものは電極としてファックス原紙の裏紙を、上のものは単3乾電池の炭素棒を(短いので導線を繋いで)使っています。 


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石井信也
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