電流電源(その2)  E-44  No90  08320()

 

(1) 家庭電気の配線用や器具用の被覆導線は往復線で、 これに交流を流して、その電流値をクランプンメーターで測ると0[A]でした。 2本の導線の電流の位相が逆なので0になるのです。

  配線用ソケットで導線の長いもの買って、 導線を二つに裂いて離し、 それぞれを直径10cm程度に丸めてコイルにしました。 この二つを順向きに重ねると交流磁場ができ(前号の(6))、 逆向きに重ねると磁場が0になります。

  コイルの巻き数が少ない(20T程度)場合には、 使用する負荷のワット数を大きなものを使用するようにします。例えばポットとか、 アイロンとか。   

(2) ワット数の小さい負荷を使うときには、 細いエナメル線で巻き数の多いコイルを使います。 その場合のおよその電流容量は下の表から読み取ってください。

   直径[mm]   オーム抵抗[Ω/km]     安全電流[A]     使用器具[W]*

   0.1           2240                  0.02

   0.2            560                  0.08

   0.4            138                  0.32

   0.5             88                  0.50              40

   0.6             61                  0.72

   0.8             34                  1.28

   1.0             22                  2.00             200

   2.0              5.5                8.00             600

   2.9              2.6               16.82            1500

  秋葉原のオヤイデ(小柳出)電気(http://oyaide.com)の<エナメル銅線諸数値表>から引用しました。 ただし、*印の部分は石井によります。

(3) 太さ0.4mmのエナメル線を80回巻いたコイルを、 40Wの電灯で使用した場合、 クランプンメーターで測定した電流値は27.6[A]でした。 コードの一部を9回巻いた「コイル」の電流は3.5[A]でした。  前者は0.4×8032  後者は0.4×93.6で、 およその計算は合っています。

 

蛇足

[1] 導線の抵抗率は  アルミ線2.66×10-6[Ωcm]

                    銅線    1.67×10-6[Ωcm]

なので、 上の表はアルミ線の資料としても参考になります。

[2] ひとつらなりの回路の中では、 電流の強さはどこでも同じであることを、 回路(その1 07.5.31)で述べました。 導線の部分はもちろんのこと、 ニクロム線のような負荷の中でも、電流の強さは同じでした。 それだけでなく、 電源の乾電池の中でも同じことが、 今回、 クランプンメーターで測って確認しました。

電流その1 電流その2
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