蛍光灯安定器 ネオン管をつける

リニア・ローター(その6)  O-8   No88  0836()

 

(0) ネオン球を光らせる。

(1) (その5)でも触れたように、 回路の一部にネオン球を入れて光らせることができます。

(2) コイルで磁場を作る場合には、 電源が乾電池でもスライダックでも、 コイルに並列につないだネオン球は、 ローターの回転に伴って光ります。  

(3) 磁石の磁場を使うときには、 ローターのコイルでネオン球を光らせようと思い、 0.6mmφを50回巻いてみましたが, この程度のインダクタンス(5μH)ではネオン球はつきませんでした。

(4) そこで、 電源トランスの低圧側をレールの回路に直列に入れ、 その高圧側にネオン球をつなぎ、 相互誘導を利用してみました。 ネオン球はよく光りました。  

 昔、 自動車で使われていたイグニション・コイルでも同様でした。

  インスタント・カメラのトランスも使ってみました。 このトランスは低圧の2端子側が0.2Ω(50μH)、高圧の3端子側の2本(中央とどちらかの端)が300Ω(3H)で、ネオン球を具合よく光らせることができました。   

  トランス類は、 低圧側はオーム抵抗が小さいので、 ローターへの電流の供給を妨げることがなくて好都合でした。

(5) 次いで、 トランスのコイルを自己誘導で使ってみました。 このように使うときには、 インダクタンスは大きく、 しかし、 オーム抵抗は回路の電流を妨げない程度に小さい必要があります。 蛇足の[4]を参照のこと。

 

蛇足

[1] トランスを使うときには、 ローターは単に電流を断続させるようにはたらくだけなので、 ローターの巻き数は多い必要はありません。 却って、数回巻いたものの方が回転が速く、 高電圧が出て(V  di/dt の dt が小さくなる)、 ネオン球を明るく光らせます。   

[2] 上の(5)のことについては、 種々のコイルで調べて、 次のような結果を得ました。 インダクタンスが数十ミリヘンリー以上、 同時に、 オーム抵抗が数十オーム以下のものだとネオン球がよく光るようです。  

[3] スピーカーをコイルとして使ってみました。 ネオン球は点灯しませんが、 スピーカーが鳴りました。 ちなみに、 インダクタンスは100μH級でした。 

[4] いくつかのデータを挙げておきます。

 ( )内の数字の前がインダクタンス[mH]、 後が抵抗[Ω]、ネオン球がよく光ったものは◎。

  大型トランス 高圧側(850,64)/◎低圧側(25,16),

  中型トランス 高圧側(4800,3800)/◎低圧側(100,44), 

  小型トランス ◎高圧側(220,50),

  蛍光灯安全器(300,500).

[5] ネオン管をつける の写真の左下には小形トランスがあります。

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