理科実験を楽しむ会
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち 
左ニクロム線 右銅線 左電池の上に磁針 回転の向き逆
  回路(その1)  E-25   No48        2007年5月31日(木)
 
(1)電流の回路はひとつながりになっていて、どこにも、同じ大きさの電流が流れています。
     回路の任意の点に電流計をつないで、このことを確認しましょう。
(2)ところが、電流計が使えない(入れられない)場所があるのです。それは抵抗(負荷)の中です。
    回路の中のニクロム線が赤くなっているところでは、電流が弱くなっていると思っている
     子どもがいます。抵抗の前後で電流が同じだからといって、その間でも同じであるというわけに
     はいかないのです。
(3)厳密を要しない時には、電流の磁気作用を利用して、次のようにして電流を測ります。
   周囲に、磁石や鉄のない場所に磁針を置いて、磁針に重なるように、回路の導線を、
     その上に「かぶせ」てから、回路を閉じる(スイッチを入れる)と、磁針の方向が変わります。
     その回転角の大きさで、電流の大きさがわかるというものです。
    同じ回路では、導線と赤熱しているニクロム線の両方で、磁針の振れが同じなので、
     電流の大きさも同じだとわかります。
(4)しかし、回路には、導線と負荷の他に電源(乾電池)があります。そこで、電池の中でも、
     同じ大きさの電流が流れていることを確かめておきたいものです。
    乾電池の周囲は、スチールでカバーされているので、鉄の影響を除くために、
     この部分をはがしておきました。
     このようにして実験すると、ここでも同じ電流が流れているのがわかります。
     電池の下では磁針が見えないので、上に置きました。そのために、磁針の振れが逆になっています。
 
[蛇足]
 [1]  電流は電圧に比してイメージし易いようです。電池のプラス極から、電気という何かが出てきて、
       ニクロム線で使われることで減っていき、マイナス極ではなくなってしまった、或いは、
       少なくなっている、というイメージです。
 [2]  電流測定に磁針を使うことは、千葉の大村吉郎さんから学びました。
 [3]  分岐する回路では、それぞれの導線を流れる電流を、電流計で測定すれば、
       代数和が0になることが確認できます。キルヒホッフの第一法則です。
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shinya@aqua.dti2.ne.jp. 石井信也