静電気(その4) E-15   No28   2007年1月11日(木)
 
(0) 静電誘導による発電機ー玉振り発電機
(1) 太さ18mm、長さ200mmの塩ビパイプを2つに切って、これを長さ50mmの金属棒(アルミ)で繋いで、
    外から幅の狭いセロテープでとめておきます。
(2) セロテープのところを避けて(高圧なので伝導することがある)、接着剤つきの銅箔をパイプの上から貼ります。
        その位置は金属棒の端のあたりです。これが誘導子(インダクター)になります。
(3) パイプの両側から、短い金属の棒を差し込んで、抜けないように銅箔で貼りつけます。
         これが集電子(コレクター)になります。
(4) ただし、その前に、パイプの左右の「部屋」に、大豆をアルミホイルで包んだ「金属球」を4個づつ入れました。
(5) 右の集電子と左の誘導子を、左の集電子と右の誘導子を導線でつなぎます。導線は空間に浮かせて、
        互いに触れないようにします。
(6) 誘導子に長さ数センチの針金を、幅1cmで平行にセロテープで貼って、電気振子用の電極とします。
        装置を水平にして、金属球を往復運動させると、この電極の間で電気振子が振れます。
 
蛇足
[1] 発電の原理は次の通りです。
     例えば、右の集電子が+に帯電したとすると、同時に、左の誘導子も+に帯電します(つながっているのですから)。
      これにより、パイプ内部の金属棒の左側には、静電誘導で−の電荷が誘導されるので、
       これを左部屋の金属球で左側の集電子に運びます。この時、右側の誘導子も−になるので、
       この電荷が金属棒の右側に+の電荷を静電誘導し、これを右部屋の金属球が右側の集電子に運びます。
       これが連続的に起きて、徐々に電荷が分離されて電圧が上がっていきます。
[2] 電気エネルギーの増加は、同種の電荷を、その反発力に打ち勝って集電子に運ぶ仕事によるものです。
[3] はじめの小さな電荷は、いずれからともなく(?)拾うようです。ですから、初回の発電には、少々時間がかかります。
[4] この装置は A・D・ムーア著<静電気の話>(河出書房新社、1975年再版)にあります。この本には、
       発電機の電圧は15kV程度になるとあります。
[5]   写真の説明。
      この発電機はプラスチックのストローで小型に作ることができます。電荷を運ぶ金属として仁丹(金属は銀)、
        ニューム管(1cmに切る)、ボールベアリング(自転車屋でもらって油を洗い流す)などが使えます。
        Uボルトでダブルにしたものには取っ手をつけてあります。
      大型のものにはパチンコ玉が使ってあって"発電している"という実感が伝わってきます。 
[6] 発電機を振らせるときには、片方の電極に指が触れても、そちら側がアースになるだけで、差し障りはありません。
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