「雨乞ノ行」

淡きかぎろひ 触れるに足りず
縁(えにし) 結ぶは 指先ばかり
戦禍(わざわ)ふ世に在りて
人の夢とは かくも儚きモノなれど
咎打ちたりて雨乞すべし
咎打ちたりて雨乞すべし
宿世(すくせ)断ち切り
黒く染め上げた 天に葬る…

久遠待ち人 たゆたふ中で
絆 結び目 緩まるばかり
零れ零れてひとしずく
流れ流れて 御魂逝き着く其の果てで
咎打ちたりて雨乞すべし
咎打ちたりて雨乞すべし
夜に攫われ
紅く染め抜ひた 小袖隠さん…