「夏宵韻」

夜の凪 いずこの祭囃子
闇に呑まれ 闇から誘う

手を取り 委ねて この身の全て
忘れようか何もかも

カラリ コロリ 響く
誰の足音

月を映す 湖に
したたる花は独りきり
ゆめゆめ うつつ 連なれば
いずれ私も 花ならん


秋の道 置き去りの蛍 舞う
孤独とけた光は青く

手を取り 導く あの夏の空
帰れぬまま 何処へいく

記憶の中 響く
誰の歌声

想い霞む 星の雨
寄り添いしずむ灯火は
ゆらゆら ほろり 天の川
とけて消えゆく 故郷(ふるさと)へ