BOUZOUKI by ITO-SAN

「ブズーキを取って弦を張れ?」
はじめに
 以前に「紙・オッター」に載せたものを「デジタル・オッター」に使い回そうということなのですが、実はずっとブズーキにさわっていないのです。ブズーキについて語る資格などなく、お恥ずかしい限りであります。知る限りではBirdの長谷川さんやSi-Folkの赤澤さんなどは本格的なプレーヤーと申せましょう。本当はそういう方に語っていただきたいのですが、いずれの機会もあることでしょうから、まずは駄文にてお許し下さい。

 ブズーキ【bouzouki】、実際の発音は「バズーキ」に近いようですが、まあもともと英語ではないですし、いかにもゲール語らしい響きなんぞと思うとさにあらず、もともとギリシャ語です。BOUZOUKI
 「βασοοκζ」と綴るのが正しい、というのは大ウソでよく知りません。ギリシャのブズーキ(Greek bouzouki)は背中の丸いクラシックのマンドリンのボディを少し大きくしてネックを倍くらい長くしたものを想像してもらえばよろしいです。(ハイ、画像出ましたね。出ないか?)
 ただし弦は複弦3コース、つまり2本ひと組弦が3組で、マンドリン族より1組少ないのが標準でした。De DannanのAlec Finnはずっとこっち使ってますね。
 ギリシャのブズーキをアイリッシュに持ち込んだのは1965年”Sweeney's Men”というグループ(アイリッシュミュージック史をひもとくと出てきます)のJohnny Moynihanという人だそうで、このグループにいたAndy Irvin(こっちは有名)とふたりで使ったそうです。
 アイリッシュで使うブズーキ(Irish bouzouki)はギリシャブズーキをフラットボディ、つまりフラットマンドリンのように背中を平らにして、弦もマンドリン族のように4コースにしたものです。(今度は画像出ましたね。..やっぱり出ない?)
 アイリッシュに使われる楽器の中ではひょっとするとディジリドゥーの次ぐらいに新参者だと思うのですが、今では多人数のバンドの形で演奏する場合、ブズーキが入ってない方が少ないくらい盛んに使われています。ブズーキ流行の立て役者はPlanxtyなのだそうですが、ということは、あそこのブズーキは…そう、Donal Lannyですねえ。こんなとこにもDonalの影響が。恐るべしDonal!
octave mandolin よくブズーキと混同されるのがオクターブマンドリン(マンドセロ)ですが、こちらは由緒正しいマンドリン族。ボディは大きめ、ネックは短め、弦太め、といった特徴があります。アイリッシュではあまり見かけない楽器ですので、ご購入の際は注意を。
 さて、何かの弾みでブズーキを買ったあなたは弦とチューニングという問題にぶつかります。弦はグレン・ミュージックで手にはいるようですが、ライトゲージのアコギ弦を流用する手もあります。その際のゲージは、012-016-032-042 あたりでしょう。理想的には012-018-030-040 ぐらいです。低音部2コースがオクターブになっている(12弦ギターのような、つまり太い弦と細い弦が並んで張ってある)弦もあります。
 チューニングですが、太い方からG−D−A−Dがもっとも一般的でしょう。フィドル・マンドリンのG−D−A−Eと一カ所だけ違うこのチューニングはメロディー弾きには不向きで、伴奏向きのチューニングです。開放弦の鳴りを生かしながら、表情豊かな伴奏が可能です。
 さて奏法は…これがわかれば苦労はしないのです。僕にはよーわかりません。CDを聞いたり、うまい人の演奏を見るしかない。The Irish Bouzouki という教則本らしき本がありますが、演奏のテープはあっても、奏法の解説はついてないので注意。歴史が浅いだけあって一人一流って感じですから、かっこいいと思う演奏を盗みましょう。CDからコピーするなら、大勢のバンドの演奏より、ソロ楽器+ブズーキの演奏からコピーする方が楽でしょう。Si-FolkとBirdの追っかけするのも手かも。

 さあ、ブズーキを取って弦を…張ります?

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