New Oboe買いました♪ 


これまで長い間なかよくしてくれていたMarigauxちゃんから
RigoutatのOboeに乗り換えました。
とっても大きなお買いものなので、わくわく、どきどき…。

もくじ
☆ 前編:買い換えを思い立つ
☆ 後編:Rigoutatってイイかも…
☆ 後日談


☆ 前編:買い換えを思い立つ

ぺんがこれまで吹いていたMarigauxちゃんは、私のOboe人生のほとんどをいっしょに過ごした楽器でした。学校楽器のあまりの古さ(^-^;)に「もしこの楽器で一生懸命練習しても限界があるだろう」ということでMy楽器を買うことにしたわけですが、当時レッスンをしていただいていた先生がMarigauxを使っておられたこともあり、ごく自然にMarigauxを選択することになりました。ほかのメーカーの楽器は全然吹いたことはなかったけれど、Marigaux独特の分厚い響き、ちょっと抵抗感のある吹き心地、音色(がちゃんと出せていたかどうかはわかりませんが(^o^;)…)など、とっても気に入っていました。中学生の手荒い扱いにも耐え、大きな故障もなく、管体の割れもなく、持ち主の実力以上にがんばってくれた質実剛健なパートナーだったのです。


そんなMarigauxちゃんにちょっとだけ「ん?」と思い始めたのは吹き始めて10数年以上経った頃のことです。たまたまオーバーホールに出している間にどうしても人前で楽器を吹きたい機会があって、知り合いの方に楽器を貸していただくというできごとがありました。お借りしたのはおなじMarigauxの14シリーズ、セミオート。基本的には自分のMarigauxちゃんにとっても似ていたけれど、何かが違う…自分の楽器より吹きやすいのです。体力的に、特に息の入れ方がラクな感じがしたのです。
これはちょっとショックでした。いちばん吹き慣れている、いちばん吹きやすいはずの自分のOboeよりも吹きやすい楽器があるということが…。でもいくら自分の楽器に馴染んでいると言ったって,、いま吹いている楽器が本当に自分にとってBESTかどうかなんて絶対分からないことだし、Oboeを始めたばかりのときとはいろいろ事情も違う(自分の好みもなんとなく育ってきつつあったりして…)し、もしもいまの楽器よりも吹きやすいかも!と思える楽器に出会えたら、そのときは意地を張らずに新しい出会いを受け入れようと思うようになりました。



☆ 後編:Rigoutatってイイかも…

そんなわけで、オーバーホールから戻ってきたMarigauxちゃんを吹き慣らしつつ、いろいろなメーカーの情報集めを開始しました。パワー全開のGermanスタイルで続けていくのは自分には厳しいかも…でも突然繊細な音色を狙う路線も難しいかも…などと考えていくうち、いろいろな方の意見を聞いて浮かび上がってきたのがRigoutatのOboe。

さっそくRigoutatの公式HPを覗きに行ってみると、英仏2カ国語で書かれて、デザインもとってもオシャレな感じ。プロフェッショナルモデル、スチューデントモデルやアングレなど、ひとつひとつ別のページが作ってあります。でも…セミオートかフルオートか、という違いだけじゃなくて、どうしてプロフェッショナルモデルのなかにさらににいろんな名前のモデルがあるんだろ? それって一体何が違うの?
当時、モデルごとの特徴はHPには書かれていませんでした(※その後HPは更新されて、ひとことずつコメントがつきました!)。日本の大きなDoubleReed専門店のHPにも、モデルの詳細については書かれていなくて…。「わからんことは作ったひとに聞くのがイチバン♪」ってことで、怖いモノ知らずの私はHPのメール送信フォームを利用して、社長さんに直接メールしてみることにしました。
「日本のアマチュアオケでHautbois吹いてます。あなたの会社のHautboisに興味があるけれど、symphonieとかexpressionとかtraditionとかいろいろあって違いがわかりません。もしカタログとかあったら、この住所に送ってくれませんか?」とあやしげなフランス語を並べて直訴…すると翌日、「カタログ送ります。ちょっと待っててね」と社長さんからお返事が! もう、なんていいひとなんでしょう! 感激♪

そしておそよ1ヵ月後、本当にカタログが送られてきました。アングレやダモーレ、バリトンオーボエのカタログまでいっしょに(^o^;)…。各モデルについてのコメントもしっかり添えられていました!

送られてきたカタログ。左の1枚に
各モデルの解説が書いてあります。

社長さんの説明によると、

EXPRESSION 当社のニューモデル。演奏しやすい楽器で、力強くて、
暗めの音色でよく調和する。演奏するにも最も疲れにくく、
とりわけオーケストラ向きの楽器。
SYMPHONIE 低音とオクターブ移動がより易しい楽器。
音色はほかの楽器によく溶け込む。
CLASSIQUE 世界中に知られるモデル。
音色は色彩豊かで、個性が強く、ソリスト向き。

でも、…HPに出ているコメント(ex. SYMPHONIEはオーケストラ向き、etc.)と微妙に食い違う部分もありますね(^o^;) いずれにしても、自分にいちばん合いそうなのはEXPRESSIONかなぁ、ということがわかった段階で、東京のDoubleReed専門店に試奏に出掛け、SYMPHONIEとEXPRESSIONを試させていただきました。

グラナディラ&VioletWoodのSYMPHONIEとグラナディラのEXPRESSIONの3本を試奏した結果、やっぱり好みに合うなぁと思ったのはEXPRESSIONでした。「少しMarigauxを意識したらしい」といわれるくらいのわりと太めな音色、高音域の鳴らしやすさ…etc.。息の入りやすさやなめらかな吹き心地に正直言ってかなりクラクラッときてしまいました。そして、生まれて初めて吹いたVioletWoodのOboe…同じSYMPHONIEモデルでグラナディラとVioletWoodのものを比べてみると、その重さの違いは明らか。もちろんグラナディラのほうがカツーンと響く感じは得られるのですが、VioletWoodの甘くてまるい感じの響きもとってもイイのです。
もともと、汗かきなので銀メッキだと楽器がとってもかわいそうだということ、生まれつき体力不足な私には少しでも軽い楽器がよいことなども考慮するとグラナディラよりもVioletWoodのほうが向いているかも…とVioletWoodのモデルも候補には入れていたので、EXPRESSIONのVioletWoodモデルをぜひ試してみたいと思ったのですが…なんとEXPRESSIONのVioletWoodモデルは普通には製造されていなくて、特注でなら作ってもらえるけれど、注文しない限り絶対に国内に入荷してこないとのこと。その場で注文したかったけれど、特注で注文したものは万一気に入らなかったとしても返品できない、などのプレッシャーもあって、一旦あたまを冷やすことに…。
最終的には信頼できる方に間に入っていただけることになって、思い切ってEXPESSIONのVioletWoodモデルを発注するに至った3ヵ月後、ついに私の手元に新しいパートナーがやってきました!

本音は期待いっぱい、不安もちょっぴりという感じだったのですが、初めて音を出してみると、よく通るハリのある音色に大満足♪ VioletWoodだからといってパワー不足という感じはまったくなくて、軽めの息で自然に響かせることができるというのが第一印象です。まだまだ慣れない部分は多いけれど、少しずつなかよくなっていけたらなぁと思っています。直接、あるいはWEB上で相談にのっていただいたみなさん、本当にありがとうございました!


これがRigoutatのExpression、VWモデル。
通称ピエルロくんと命名(^-^;)




☆後日談

◎ボアオイル、どうする?◎


さて、楽器を注文してから手元に届く前に、とにかくVioletWoodのOboeについて手に入れられる限りの情報を入手しておこうと、ネットで検索したりしていました。

あるとき、Rigoutatの社長さんが自らVioletWoodモデルについて語っておられる記事を発見(こちら:英語です)。曰く、「VioletWoodのOboeには少なくとも2日に1回、スィートアーモンドオイルをつけた羽根で管内に油分を補ってやること」と…。
Marigauxちゃんのときはまったくオイルのことなんて考えていなかった私は、かなり動揺…しかも自分でオイルを塗るなんて!!

それであわてて機会あるごとにプロのOboe奏者やリペアの方のご意見を伺ってみたところ、オイルは塗ったほうがいいだろうという返事をみなさんからいただきました。でも、その処理方法はまちまち。
  1. 楽器を使い始める前に、非加熱リンシードオイル(亜麻仁油)をハケで薄く丁寧に塗ってやる。完全に乾ききるまで(1〜2ヵ月)楽器を吹いてはダメ。タンポなどにオイルがベタベタつくと大変なことになるので、プロのリペアマンにお願いすること。
  2. 楽器の製造過程で、キーが取りつけられる前の管体をオイルを入れたバケツにまるごと浸けるという処理もあるが、自分ではやらないほうがいい(そ、それはそうですよね…)。
  3. ナッツ系のオイルを塗るための羽根を水滴を取るための羽根とは別に用意して、これにオイルを2,3滴つけて管内でグルグル回して全体に馴染ませる。湿気の多い梅雨と乾燥の激しい冬にはとくにこまめに塗るようにする。
…そんなわけで、Rigoutatの社長さんの意見に近いということと、非加熱リンシードオイルにはじつは毒性があるらしい(「肌につけてはいけない」と書いてあったりしますが、かぶれたりするのでしょうか?)ということから、3.の方法を採用することにしました。オイルはせっかくだから社長さんのおっしゃるとおりスィートアーモンドオイルにしよう!とアロマセラピーのお店で購入してきて、どきどきしながら使い始めました。上管は細いのでオイルがドバッとつきすぎるかも…と心配なので、羽根にオイルをつけたらまず下管に塗って羽根のオイルを軽く落としてから上管を塗るようにしています。ベルは広がりが大きいのでムラなく塗るのはちょっと難しい(^o^;)…。

個人的には、オイルを塗っているほうが楽器の調子はよいように思います。ほかにもオススメの方法などありましたら、ぜひ教えてくださいませ。



◎金メッキって…錆びるの???◎

金メッキOboeなら、どんなにキーに汗が触れてもメッキはびくともしないだろう、と思っていたら…錆びるんですよね、これが(^o^;) ちょっと驚きました。Rigoutatの金メッキはちょっとピンクがかった色でとってもキレイなのですが、きっと金と何かの金属を混ぜたものなのでしょう…まぁこれだけの面積を被ってるわけだし、まさか24Kってことはありえませんよね。
だから、「錆びるのがイヤだから金メッキにするぅ!」と思ってらっしゃる方、金メッキも錆びる可能性があるということは覚悟しておかれたほうがいいと思います。ただ、銀メッキのときと比べたら錆びるスピードははるかに遅いし、金属磨き用のペーストをごくごく少量使って軽ーくこするだけで簡単にピカピカに戻ってくれるので、やっぱり多少のメリットはあるのかも…でも。ペーストの使いすぎにはくれぐれもご注意を。