音楽な旅 〜Austria編〜


先日、シロとぺんはお休みをとってAustriaへおでかけしてきました。
訪れた都市は、音楽好きなら絶対はずせない(^o^;)SalzburgとVienna。
言わずと知れた首都ViennaとAustriaで4番目に大きな街Salzburgは
おなじ国でもずいぶん雰囲気が違ったけれど、どちらもすごくステキでした。
もちろん私たちは、音楽三昧♪…ということで、
音楽の旅 Salzburg & Vienna編をお楽しみください。


もくじ
★Salzburg編
 ☆“サウンド・オブ・ミュージック”ツアー
 ☆モーツァルトの生家
 ☆マリオネット劇場
 ☆ホーエンザルツブルグ城塞コンサート
 ☆カラヤンの生家
★Vienna編
 ☆ウィーンフィルを聴く
 ☆ベルリンフィルも聴く


★Salzburg編

Salzburgに着いて最初に思ったのは「初めて来たトコロなのに懐かしい感じがするなぁ」ということ。とにかく町並みは古くて、でもおんぼろな印象は全然しないし、街まるごとが数100年間も大事に残されているような雰囲気。高層ビルなんてもちろんひとつも見当たらない。山と川に囲まれてやわらかい色の建物が建ち並び、車に混じって馬車がかぽかぽ走る様子は、もうホントに絵本そのまま! 大してロマンチストでもない(^0^;)私たちもただただぽけー…っと絵本の世界にひたっちゃう感じでした。
人口14万人そこそこ、だけど年間900万人の観光客が訪れるSalzburgは、訪問者にとても優しい街でもありました。もちろん公用語はドイツ語だけど、私たちのたどたどしい英語も一生懸命聞いてくれるし、道を渡ろうとすれば必ず車が待ってくれるし。それなのに観光名所にありがちなケバケバしさや押しつけがましい空気は全然感じられなくて、とてもおだやかな落ち着いた街なのです。
さて、それではそろそろ『音楽の旅』本題に…。


“サウンド・オブ・ミュージック”ツアー

最初に出掛けたのは、“サウンド・オブ・ミュージック”ツアー。Salzburgはかの有名な映画“サウンド・オブ・ミュージック”の舞台となった街。シロもぺんも大好きなこの映画のシーンに使われている場所を観光バスで次々回ってくれるというツアーに参加してみました。ちょっと郊外の湖畔とか、観光客が自力で気軽に行くにはちょっと遠いところにも連れて行ってくれるので、とってもありがたかったです。ちなみにこのバスで回った場所は、

ミラベル宮殿 マリアと子供たちが歌う『ドレミの歌』のフィナーレの舞台
ノンベルク尼僧院 マリアがいた修道院
フローンブルグ宮殿 トラップ大佐の家(子供たちがボートでおぼれる)
ヘルブルン宮殿 ロルフとリーズルが『もうすぐ17歳』を歌って踊る
ザンクト・ギルケン ここの湖とプファール教会のカット使われている
ザンクト・ウォルフガング 教会のカットと登山列車のシーンを撮影
モントゼー 大佐とマリアが結婚式を挙げる教会がある

といった感じ。映画撮影にはセットもたくさん使われているので本当に全部が全部その土地で撮影されたかどうかはあやしいけれど、それでも「あ、この景色は映画で観たかも♪」というトコロへたくさん連れて行ってもらえました。

ドレミの歌で最後にマリアがHigh Cを
高らかに歌う階段からの景色。
実際のマリアもいたノンベルク尼僧院。
赤い屋根が特徴的。
湖畔にある大佐の家。
いまは学生寮らしいです。
踊ってるのはシロとぺん。
(あぁ、もうすっかりその気(^-^;)…)
郊外の湖畔はもうとにかくキレイ。
自然がいっぱいです。
映画でマリアと大佐が挙式したところ
(実話ではノンベルク尼僧院)。


“サウンド・オブ・ミュージック”は実話をもとに作られた映画。だけど、もちろん脚色が多いし(実際にトラップ一家が合唱団を結成したのはアメリカ亡命後だったりします)戦争とかの歴史的な事情が背景にあることもあって、Austria本国ではあまりこの映画は好まれていないようです。そんなわけでツアー参加者はほとんどアメリカ人(らしき方々。少なくとも英語圏のひとが大半を占めてました)で、おなじバスには日本人は私たちだけ、ほかは韓国人夫婦が一組…といった感じでした。観光向けの企画、という雰囲気も多分にあるにはあったけれど、親切なガイドさんの(比較的)わかりやすい英語解説もあるし、移動中のBGMに映画のサントラをかけてくれるし、実際目の前に広がる景色は本当にキレイだし、この映画が好きなひとは絶対楽しめます。もちろんシロもぺんも、出発前にこの映画をバッチリ観ておいたので、とっても楽しい4時間を過ごせました♪


☆モーツァルトの生家

Sazburgといえば、Mozartの生まれた街として有名。Mozartの生まれた1月末頃にはMozart音楽祭なんていうイベントもあるし、カフェとか電車とかいろいろなものの名前にMozartというコトバが使われていたり、Mozartの顔が包み紙に印刷されたチョコやお酒もあったり…偉大な作曲家は街おこしにも大貢献しているのです。
そんなMozartが生まれた家は、“Salzburgの銀座”(?!)といわれるゲトライトガッセという通りにちゃんと記念館として残されています。建ってから200年は軽く超えている建物なのですが、1階は飲食店として記念館とはほとんど関わりなく営業していたりして、建物を大事に扱いながらも日常使い続けているところがなんとも面白かったりします。観光名所をあらわす紅白の旗こそついているものの、よっぽど気をつけて捜しているひとじゃないと気づかないくらいこの通りにとけこんでいるのがまた素朴な感じです。
細い階段を上って建物の2階にあたる部分に生家への入り口があるのですが、直筆の楽譜とか、幼い頃に使っていたViolinだとか、お父さんに宛てた手紙だとかがそっと陳列してあります。解説はほとんどドイツ語+英語併記で、日本語の説明はまったくなし。でも「Mozartの好きなひと、わかるひとだけ来てくれればいい」というそっけない雰囲気がやっぱりSalzburgらしいと思うのは私だけでしょうか(^-^;)

画面右に垂れ下がってるのが
観光名所をあらわす旗。
左のアーチ型階段から入ります・


新市街には生家とは別にMozart記念館があるけれど、こちらはなんと1997年築。入り口からしてガラス張りだったりして、あんまり雰囲気が出ないので中には入らず帰ってきちゃいました。入っていたらいったいどんなものを見ることができたのでしょう…?


☆マリオネット劇場

マリオネット劇場とは、マリオネット(あやつり人形)でオペラを上演してしまう劇場です。人形の背丈は1mくらい。舞台の後側にあやつる人々がいて、オペラのCDを流しながら音楽や歌にあわせて人形が演技を見せてくれる仕掛けになっています。
マリオネット劇団の歴史は100年近くて、かなり伝統ある劇団。海外公演もときどき組まれていて、日本には2002年晩秋にも来るようです。チケットには「ふさわしい服装でご来場ください」なんて書いてあって、格式も比較的高い感じでした。

劇場外観もこんなに豪華。

私たちはこの劇場で“フィガロの結婚”を観ることができたのですけど、人形劇とはいえオペラということもあってお客さんはほとんど全員オトナのひと。観光客がたくさんいるなか、常連さんっぽい方もかなり多くみられました。人形の動きはものすごく巧妙で、スザンナ役の人形がセットの箱のフタを開け閉めしたり、ケルビーノの人形がパッと服を脱ぎ捨てたり、人形同士の動きのからみもあったり、もちろんセットもすごく精巧だったりして、オトナにも充分見ごたえのあるものでした。

ただ、演奏は生じゃないし、人形はやっぱりサイズ的にも人間の演技ほどの表現力はないし、もう1回観たいか?と訊かれたらちょっとハテナかもしれません。それでもあの動きは一見の価値ありかも。劇団の公式HP(ドイツ語、英語もあり)からオンラインでチケットの予約もできるので、興味のある方はぜひどうぞ。


☆ホーエンザルツブルグ城塞コンサート

せっかくのAustria旅行だし…とここぞとばかりコンサートに通いまくる私たち(^-^;) ホーエンザルツブルグ城塞で開かれる室内楽のコンサートも出発前にネットで購入(HPはこちら…やっぱりドイツ語です)しておき、聴きに行ってきました。プログラムはさすがMozart尽くしで、Eine Kleine Nachtmusik(これはほとんど毎日演奏されるようです)やClarinet五重奏など。

城塞は旧市街のすぐそばの丘の上にあって、城塞まではケーブルカーでびゅーんと上がります。ここからは街を一望できるので、コンサートに行かなくてもあがってみるといいかも…。演奏会場は城塞の建物の上の方(^o^;)なので、複雑な作りをした階段をぐねぐねと上っていかないといけません。これが意外と遠い。開場になるまでお客さんはホールのドア一枚手前で待っているわけですが…いよいよ開場寸前という時間まで熱心にリハーサルが続いているらしく、待っているお客さんにその演奏が丸聞こえなのが結構笑えました。古い城塞のホールをそのまま使っているので最新の防音設備なんてないはずだし、当然といえば当然なのですけど…そのあたりに無頓着なのがおもしろいですね。

室内楽のコンサートなのでホールはこじんまりしてます。ホールや舞台、イスなんかもほとんどが木製。舞台にはこれまた木製の譜面台が並んでいて、とてもいい雰囲気。ただ、譜面台を照らす照明が譜面台が並んだど真ん中、アイコンタクトが飛び交うはずの空間にどどーんと立っているのが不思議…ジャマじゃないのかなぁ?

城塞からの景色。
教会も川も全部見渡せます。
ステージはこんな感じ。
やっぱり気になる照明の脚…。

お客さんはほぼ満席になるくらい入っていました。観光客のひとなのか、なぜか楽章ごとに拍手するおじさんがひとり客席にいたのが多少気になったけれど(1st violinのおじさんも苦笑してました…)、客席と舞台がすごく近いような感じがしてとてもよかったです。途中でViolaのお姉さんが忘れた楽譜を楽屋に取りに帰るという珍しい場面もあり、これもメンバーとお客さんみんなであたたかく見守って(^-^;)…クラシックのコンサートだからと気張りすぎていない、気さくな雰囲気がありました。実際クラシックコンサートは日常のことのようで、ホーエンザルツブルグ城塞では4〜10月は毎日、ほかにもミラベル宮殿などは年間を通じてほとんど毎日なんらかのコンサートが開かれているようです。観光もかねてふらっとコンサートを聴きに出掛けるのもよいかもしれません。


☆カラヤンの生家

さて、Salzbrugで誕生した有名人といえば、Mozartと同じくらいよく知られているのがKarajan。市内を散策中に偶然発見(^0^;)したので、ちょっとだけご紹介しておきます。場所は、旧市街から川を隔ててすぐのところ。本当にひっそり、さりげなく建っているので見過ごしやすいかも。お家の中を見学できるような雰囲気ではなかったですが、庭にはちゃんと銅像が建ってました…。

これが銅像。指揮する姿は
銅像にしてもカッコイイ。
家の外壁にはプレートも
埋め込まれてます。



★Vienna編

ViennaはSalzburgから電車で約3時間。Viennaに近づくにつれ、車窓からの景色はどんどん都会っぽくなっていきます。古くから栄えた都市だけあって、街には古くて立派な建物(超巨大な教会とか…)が点在して歴史を感じさせる一方で、やっぱりSalzburgとは違って商店街や大きなホテルなんかはずいぶん近代的。古いものは大切に、でも都市化しないわけにはいかない…という感じ。もちろん観光にも力を入れているので、古い建物の集まっているあたりにはやはり馬車がずらっと並んでいたり、観光客の英語には寛大だったり、といったところはSalzburgと共通してます。のんびりすぎず、せかせかすぎず…いろいろな面を見せてくれる街です。
今回は音楽三昧♪をテーマに(^0^;)、出発前からコンサートのチケット購入などの準備をしていたわけですが、最初に音楽に触れたのはなんと滞在したホテルでした。現地へ到着するまで知らなかったのですけど、なんとホテルのお隣の建物が音大…。朝早くからウォーミングアップに励むFluteの音が聞こえたり、夕方には大学に残って練習しているのかPianoの音が聞こえたり…。
ほかにも大道芸人がイヌのマリオネットにViolinを弾かせていたり(ぬいぐるみがボーイングをしゃかしゃかやってるそばでアイネクライネナハトムジークのテープが流れてました)、南米風コスチュームのおじさんがアルパを演奏してたり、さすらいのラッパお兄さんがソロで吹いてたり、いたるところでかなりレベルの高い音楽に触れられるのです。堅苦しくなりすぎずに音楽を楽しむ街の人たちの姿がとても印象的でした。
さて、私たちが楽しんだ音楽はというと、…。


☆ウィーンフィルを聴く

ウィーンに行くんだもん、ウィーンフィルは聴かなくちゃ…と思ってはいたけれど、海外への演奏旅行も多い彼らが必ずしもいつもウィーンにいるとは限らない。でも幸い、今回はウィーンでウィーンフィルを聴くことができました。なんでも今回の滞在は「ウィーン芸術週間」という期間に見事にぶつかったらしく、ウィーンフィルは本拠地でBeethovenチクルスをやってくれていたのです。
旅行の日程に合わせて、私たちが選んだのはBeethovenの9番「合唱つき」。シロもぺんもアマチュアのオケで第九を吹いた直後だったこともあって、この演奏会に行くのは本当にめちゃくちゃ楽しみでした。

さて、この演奏会の会場はゴールデンザール。スーツにワンピースという、それなりに気合いの入った格好で会場に向かうと、入口にはなぜか黒服の男女がたくさん…も、もしかしてウィーンでコンサートを聴くときの正装って黒服じゃないとダメなの?!って一瞬あわててしまったけれど、あとからこの黒服のひとたちは4楽章のための合唱団だということが判明(^0^;)なんでもハンガリーのほうから遠征してきているらしく、ウィーンフィルとの共演、ゴールデンザールでの演奏にみなさんやや興奮しておられるようでした。当日のチケットを求めて札を持って立っているお客さんも徐々に増え、やがて開場…。

私たちの席は7列7番・7列8番。ところがゴールデンザールの座席番号にはちょっと仕掛けがあって、下の図みたいに1つの列に同じ番号が2つずつ、両端からカウントされているのです。つまり、ある列のいちばん左は左の1番、いちばん右は右の1番と呼ばれているわけです。私たちの席は右側だったのですけど、まちがえて左に座っていて、本当に左のチケットを持っている方がその席に来られてから優しく教えていただくまで全然気づきませんでした。いやはや、おはずかしい…(^o^;)

左→ ←右
1 2 3 4 5 6 7
1
13 14 15 15 14 13
1
7 6 5 4 3 2 1
1 2 3 4 5 6 7
2
13 14 15 15 14 13
2
7 6 5 4 3 2 1
1 2 3 4 5 6 7
3
13 14 15 15 14 13
3
7 6 5 4 3 2 1
1 2 3 4 5 6 7
4
13 14 15 15 14 13
4
7 6 5 4 3 2 1

ウィーンフィルのメンバーは開演よりもずいぶん早い時間からちらほらと舞台に上がってこられるのですが、いちばん気が早いのはなんとDoubleReed陣。小物が多かったりReedのコンディションが心配だったりするからなんでしょうね。コントラFagottさんとアシスタントOboeのふたりが早々と上がってきて、Oboeのふたりはなんと本番では吹かないはずの第九のSoloをすでにお客さんでいっぱいのゴールデンザールでじゃんじゃん吹きまくってくれたのでした。裸で聞こえるウィンナーOboeの音…アシスタントとはいっても、もちろん誰がトップを吹いてもおかしくないようなメンバーのSoloがたくさん聞けて、なんだか得した気分でした。

面白いのは演奏中にも客席の照明が落ちないこと。舞台と客席が同じ明るさのまま演奏が始まるなんて日本のスタイルとは違いますよね。聴くひとが演奏に参加することはもちろんできないけれど、それでもホールの一体感がちょっと高まるような気がしてイイなぁと思いました。照明の力なんて借りなくても音楽に充分のめり込めるのが不思議…。本番の演奏のほうもそれはそれはすばらしくて、この空気を自分の演奏に少しでも生かせるように、できるだけいっぱい吸い込んで帰りたい…なんて思ってしまうような演奏でした。もうすっかり引きずり込まれ、惹きつけられ、演奏会が終わっても放心状態…。ハンガリーから来た合唱団のみなさんも、演奏の余韻に酔いしれ、舞台の上からゴールデンザールの写真をぱしゃぱしゃ撮っておられました。…ってことは、本番前からカメラを舞台に持って上がってたのね?!

チケットの一部を拡大。
右の7列7番です。
ゴールデンザールの入り口。 黄金のポスター。ラトル/ウィーンフィル
アバド/ベルリンフィルとも完売…。


☆ベルリンフィルも聴く

ウィーンに行ったら、ウィーンフィルが聴きたい!とは思っていたけれど、奇しくも「ウィーン芸術週間」だったこの時期、ベルリンフィルもウィーン入りしてくれていました。というわけで、こちらにもしっかりお出掛けした私たち…。

さて、この日も会場はゴールデンザール。旅行先ということで顔見知りがいないのをいいことに、今日も前回と同じ文字どおりの一張羅(^o^;)でいざ出陣です。
今日の演奏曲目はマーラーの7番。ウィーンフィルとはやっぱりどこか響きが違うけれど、躍動感いっぱいな中にもまとまりのある、聴いていてココロが熱くなる演奏。 終演後は、感動のあまりボーっとしながら、思わずまわりの方と一緒にスタンディング・オベーションしてしまいました。

じつは、この日はちょっと特別な日でした。アバドがベルリンフィルを振る最後の日だったのです!
アバドが拍手に応えて何度も舞台に戻ってきてくれる間、舞台に乗ったままの楽団員同士で、ひそかに何かを配っている…??? なんとそれは、主に女性楽団員ひとりひとりからアバドに贈る花だったのです。拍手喝采を受けるアバドに、ひとりずつ手渡しては敬意を表しています。さらに、客席2階(舞台の左右)からは紙吹雪が信じられないくらいいっぱい降りそそぎます。気がつけば観客は総立ちで、みんなどんどん舞台の真下あたりまで前進していて…でもそういう場面であっても、あわててSPが止めに入るとか、暴動が起こりそうとか、そんなモノモノしい雰囲気はまったくなくて、ホールも舞台も全体がものすごくあたたかくて大きな感動に包まれている、という感じ。今までこんな空気のする演奏会、行ったことなかった。それにしても…いったいこのときアバドは何回客席に出てきてくれたんだろう…。

終演後のゴールデンザール。
思わず写真撮ってしまった(^o^;)
誰もが席を立って、
舞台前に詰めかけてます。
そして人だかりの向こうには
もちろんアバドの姿が…。



(つづく)