1998.10.26 櫻井哲夫Project With春畑道哉@大阪ブルーノート


二週間ほど前に予約を入れたときは、「まだ半分ぐらいしか埋まってませんよ」と
言われたのですが、行ってみると大入り満員!(満席になったらしい)
そのほとんどが春畑さんファンなのではなかったでしょうか。
(入場する際に、チューブのファンクラブの会員証を提示するとドリンクが
タダになるというサービスがあったのですが、ほとんどの人が会員証を
提示していましたから)  
 
開演時間である7時過ぎ、メンバー紹介のアナウンスが入ります。
普段行ってるライブだと、こういうのはないのでちょっと新鮮でした(爆)
そのアナウンスが流れる中、メンバーが登場します。いやぁ、やっぱり
春畑さんのファンが多いです。春畑さんが出てくると歓声がものすごいです(^^;)
「サックス、勝田一樹」って紹介されたとき、場内から「おぉ〜っ」という
歓声が。そういえば、勝田さんってチューブのバックやってるんですよね。
だから場内の春畑ファンが歓声あげてたんですね。

私の座っていた席は、ステージ右側の席だったんですけど、ここが
ものすごい位置でして。春畑さんが左側、櫻井さんが右側(よりは少し
真ん中よりですが)だったので、春畑さんはかなり遠くに見えましたが(^^;)
(一番見えなかったのは大坪さん…機材のおかげで頭しか見えませんでした(^^;))
その代わり、といっては何ですが、櫻井さんより右側にいた勝田さんは至近距離
2mで見えました(^^;)でもって肝心の(笑)則竹さんはというと、これが、いつもとは
違う位置から見えるのですよ。スネアやタムを叩く手元がっ、バスドラを踏む足元がっ、
ドラミングが本当によく見える!正面にあるシンバルで「あぁ、お顔が見えない…(涙)」
ってこともよくあるのに、この位置だとシンバルがないし、ついでに譜面台の
置いてある位置も右側だから、お顔が右側を向くわけですよ。「なんて”おいしい”
席なんやろう…」とうっとり。ということでここを”マニア席”と命名しました(爆)
…もっとも、櫻井さんと勝田さんに隠れてしまうことしばし、だったんですけどね(^^;)

メンバーが定位置につき、始まったのは。

1:Wave Rush(春畑道哉『Real Time』収録)

あっ、これ聴いたことある!!と思ってしまったんですけど(^^;)
むちゃくちゃロックな曲でした。
則竹さんが、いつもの則竹さんとちょっと違って「ロックな感じ」で
すごい新鮮でした。

2: Straight to My Heart (春畑道哉『Color of Life』収録)

ミディアムテンポのナンバー。
あれ、この曲も聴いたことある…って思ってしまったんですが、
どうも春畑さんの曲って、テレビなどでよく流れているみたいですね。

春畑さんのギターが伸びやかだったのが印象的でした。
ミディアムテンポなんだけど、後半でがーっと盛り上がって
いくところがとても良かったです。メンバー一体となって
盛り上がっていく感じが。

そして、則竹さんのドラムソロ。シャープな叩きっぷりで
「かっこいい!!」なんて思っていたら、バスドラで
ものすごくアップテンポなリズムを刻み始めました。
そして始まったのが…

3:RED ZONE (CASIOPEA「EUPHONY」収録)

なんだこれ!?と思うほど、疾走感たっぷりのナンバー。
初めて聴く曲だったんですが、めちゃくちゃかっこよかったです。
春畑さんのギター、こういう早弾きにも合うんだーって妙な感心を
してしまいました。
中盤、大坪さんのピアノソロ。大坪さんは、音自体初めて聴いたんですが
いい感じです。前に前に攻めてくるソロが冴え渡っていました。
ギターとサックスがユニゾンするところが多かったんですが、これがもう
たまりませんでしたね。

ここで櫻井さんからご挨拶。
櫻「今日は普段の櫻井セッションでは見られないような、女性のお客さんが多くて・・・」
確かに、お客さんの95%は女性でした。
春畑さんが出てるからってのは当然のことだけど、他のメンバーだって
DIMENSIONの勝田さんにT-SQUAREの則竹さんという、女性ファンが多いメンバーだし。

櫻「メンバー紹介します。まずは松岡直也グループで活動中の、キーボード・大坪 稔明!
今話題のフュージョンバンド・DIMENSIONのサックス・勝田一樹!
そしてフュージョン界では大物のご存知、T-SQUAREのドラマー・じんっ・・・
(櫻井さん、「神保彰」と言いかける。長年のクセか?(爆)一部大ウケ)
則竹、裕之!そしてこちらも大物、チューブのギタリスト、春畑道哉!」
・・・もちろん、春畑さんが紹介されたときが、一番拍手と歓声が大きかったです。

櫻「なぜ櫻井哲夫と春畑道哉がと思われているかもしれませんが、
春畑君との出会いは、去年の11月に東京の六本木ピットインで
”櫻井哲夫バースデーライブ”というのをやったんですけど、
その初日がDIMENSIONとJIMSAKUなんていう組み合わせで。
そのライブに春畑君が遊びにきてくれたんですよ。
それで僕は、春畑君とセッションしたいという夢を一人心の中に
抱いていたんですけど、世の中というのは捨てたもんじゃ
ありません。なんとと一年たたないうちに実現してしまったんですから。
しかもこれは、阪神ブルーノートだけというスペシャルな企画です。」

そして先ほどやった曲を紹介し、次の曲に行きました。

4:UNDER THE SUNSHINE (中村竜『DOWN THE LINE -SUNRISE-』収録)

軽やかなピアノの音から始まるイントロ。タイトルじゃありませんが、
「さわやかな朝の空気」といった感じでしょうか。
それを受けてベースがメロディを取ります。
サビで、サックスが入ります。・・・今までが、アップテンポの曲で
激しく吹きまくる、といったサックスを聴いていたので、また違う
サックスの音でちょっとびっくり。どうも、今まで「吹きまくりっ!」な
サックスのイメージが強かったもので。(お前ファンちゃうんかい(^^;))
CDで聴くバラードでの音とは若干違って(当たり前だ)、
硬質でシャープな音、という印象を受けました。

5:YOU CAN DO IT! (櫻井哲夫来年発売予定アルバム収録)

去年、ほんの一時期だけ流れていた「リポビタンD」のCMソングです。
その時はJIMSAKUでやっていたため、ドラムとベースだけだったと
思うのですが、今回は楽器が増した分、音の厚味が増したように
思いました。
思わずめまいを起こしてしまいそうな(^^;)キメのあと、ソロ回しも
ありました。時間の都合上、若干短めながらも濃ぃいソロでしたね(^^;)

でもって最後の方で、ドラムソロがありまして。
キメを挟みながらのドラムソロだったのですが、だんだん手数足数が
増えていってすさまじくなる様子は、見ていてゾクゾクしました。

6:ALISA (JIMSAKU『NAVEL』収録)

先ほどとはうってかわって、しっとりとしたバラード。
櫻井さんのベースがやたら美しかったです。
ドラムの「かーん!」というリムショットの響きが絶妙でした。
サックスが入ってユニゾンになると、若干ベースが
押され気味(^^;)という印象も受けましたが、これはこれでまた
いいものだなぁと思いました。

〜MC〜

櫻井さんと、春畑さんのトークになりました。
櫻井さんに話をするように仕向けられた春畑さん、「こんばんわ・・・」と
あいさつしたっきり照れたように黙り込んでしまいました(^^;)
今回春畑さんの演奏姿を見て、「おっ、この人いいやん!」と思ったのですが、
どうやらおしゃべりが苦手なようで・・・やばい、こういう「演奏は凄腕、MCは素朴」な
ミュージシャン、めちゃくちゃ弱いんですけど(爆)

櫻「わたくし今年のチューブの野外ライブ、スタジアムライブを見にいったんですけど。
野外ってすっごく盛り上がりますねー。
びっくりしたんですけど、中でも一番盛りあがるのが、春畑君のトークコーナーだったん
ですね〜(笑)こういう、スティングみたいな金髪な人とかけあいしてましたよね(笑)」
春「・・・練習しました(笑)
・・・僕は、ライブハウスでやるっていうのは、初めてで・・・初めてじゃないか、
はい、ええ(笑)櫻井さんの曲って難しいんですよ。いい曲なんですけど・・・」
櫻「(春畑君が)「この中から選んでください」ってCD持ってきて。
春畑君って7枚も出してるんですねー。聴いてみたらいい曲ばっかりで。
『あ、これも、これも』って選んでたら全部春畑君の曲になっちゃって(笑)
一ヶ月ぐらい選べなかったんですよ」

櫻「春畑君のいる世界って華やかじゃないですか。前田さんが、こう、ぱーっと
していて(笑)我々のいるジャズ・フュージョン界というのは、職人技でこつこつ
やっている人はいますけど、華やかな人っていないんですよね(笑)
だからあんまり春畑君のような人はこっちでは知られてなくて。
・・・そういえば今日、前田さんいらしてるんじゃないですか?(場内騒然)
前田さーん?あれ?さっきまでいたんですけど、前田さん帰っちゃったのかなぁ?
春畑君のトークになったから(笑)」
ここで、楽屋口の方を見ていたら、何やら人影が楽屋口へ入っていったんですが
・・・「前田さん!?」なんて思って目をこらしたけど暗くてよく見えませんでした。
(本当に前田さんがいたのかどうかは不明です。「いた」という説が
濃厚なのですが・・・)
他のお客さんも後ろを振り返っていて、全然ステージを見てくれないので
「こっち向いてください(笑)」と櫻井さんが注意してました(^^;)

先ほどの「野外ライブでのトークコーナー」の話で。
春「今度ライブビデオ出るんですけど、カットされました」
(場内、「え〜」とブーイングが起きる)
櫻「ええっ、もったいない・・・まぁでも、何回も見たらスリルがなくなるから・・・(笑)」

櫻「そういえば今日のギターは、いつものラメのきらきらじゃないんですね」
(春畑さんは、水色のギターを使っていました)
春「・・・はい(笑)これは、『ソニックブルーみたいにしてください』って
フェンダーにお願いしたんです。でもカツオ(=勝田さん)がこれ見て、
『田宮の模型』って、言ったんです(爆笑)」
櫻「あぁ、いい表現だね(笑)」

櫻「次は、譜面には『早弾きはやらんのか』って書いてありますが、
タイトルは”SPEED ST☆R”!」

7:SPEED ST☆R (春畑道哉『Color of Life』収録)

うわー、櫻井さんのいうとおり、イントロのキメがすごすぎる!
ギターとサックスがユニゾンしてるんですが、早すぎて何やってるのか
全然わかりません。またもめまいが起きそうなほど(^^;)
則竹さんが刺さるような音でシンバルをばしばし叩いてましたが、
これがまた合うんですよ。春畑さんのロックな曲調に。

8:THE FINAL CHASE (『愛しの刑事』オリジナル・サウンドトラック収録)

ここで櫻井さんがベースソロを取ります。(春畑さん、横で手をたたいてます)
初めは様子をうかがうように、しかしだんだん激しくなっていくのはやはり…と
いった感じでしょうか(爆)
ギターのごとくじゃかじゃかとかき鳴らした後、チョッパーの嵐を
繰り広げ、かましてくれます(^-^)
「うぉおやっぱりあの櫻井さんだー!!かっこいいー!!!」などと
心の中で悲鳴を上げてしまいました(^^;)

そして、ベースソロを終えたあとは、ギターとのかけ合いになります。
しっかり櫻井さんと張り合う春畑さんに対して、
「おぬし、なかなかやるのう…(にやり)」なんて感じで櫻井さんが
笑みを浮かべていたのは気のせいではないでしょう。(^-^)

そしてそして。まさかブルーノートでやるとは思ってなかった(爆)
客席乱入が行われました!
櫻井さんだけか…と思いきや、櫻井さんの後を追って
春畑さんもステージを降りてしまいました!!
春畑さんと櫻井さんが会場の右と左に分かれて、
テーブルの間を縫って演奏していったんですが、
そりゃもう場内の春畑ファンは大騒ぎ!!すごかったです(^^;)

カウンター席にいた私からは、だいぶ距離がありましたが、
それでも近くを通ってくれたときは、「あぁ、春畑さん、
かっこいいわ・・・」などとうっとりしてしまいました。(浮気者(^^;))

9:FOR THE HEROS (春畑道哉『Color of Life』収録)

冒頭のギターのカッティング、そしてサックスとのユニゾンの
イントロの、あまりのカッコ良さにノックアウトされてしまいました(^^;)

途中で、ドラムとギターだけになって、どんどん白熱していくギターソロの
裏でドラムがあおりまくり!!というシーンがあったんですが、これがもう
「最高!」なんて思ってしまいました。

もちろん他のメンバーの演奏もはじけまくってました。
最後に全員でキメを合わせて、終わりかな?と思いきや、
春畑さんがネックを大きく振って、
「じゃーん、じゃーん、じゃん、じゃん、じゃん、じゃんっ!」
とまたも演奏が始まりました(^^;)
そして、また全員でキメて、今度こそ・・・と思いきやまた
春畑さんがネックを振り上げて演奏が始まるという(^^;)
「いつまでやるんだー!」なんて、うれしい悲鳴を上げてしまいました(^^;)

この曲が、今日の演奏曲の中では一番気に入りました^-^)

いったんメンバーが楽屋へと下がりますが、アンコールの拍手に押されて
すぐにステージへと引き返してきました。

櫻「アンコールに用意した曲は、国民の歌といっても過言ではありません」

Enc: J'S THEME (春畑道哉『Real Time』収録)   

きらびやかなエレピのイントロのあと、ギターが朗々と歌います。
これ、あとで知ったんですがJリーグの開幕当時のテーマ曲だったそうですね。
ギターがメロディを演奏し始めて、「あっ、この曲も聴いたことある・・・」と
思っていたんですが(^^;)

中盤で音数が増え、盛り上がりをみせます。
サックスとギターがとるメロディが、軽快で爽やかでした。

そして、櫻井さんが一人ずつの名前を呼んで紹介し、拍手の中を
メンバーが去っていき、お開きとなりました。

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フュージョン界の大御所といっても過言ではない域に入った
櫻井さんと、いわゆる「J−POP」界の大御所、チューブの
ギタリスト春畑さん、という異色な組み合わせだったため、
開演前は「一体どうなることやら…」と期待半分、不安半分
だったのですが。
いざライブを体験してみると、「ひょっとしてこのメンバー、
かなり相性のいい組み合わせなんじゃ?」なんて
思ってしまいました(^^;)

それまで、前田さんの印象があまりにも強すぎて(爆)
気にしたことが一度もなかった春畑さんですが、
今回のライブですっかり惚れてしまったかもしれません(^^;)
他のメンバーも、フュージョン界の”スゴ腕”なメンツだったので、
「おいおい、大丈夫かよ?」なんて聴く前からちょっとバカに
していたんですけど。(爆)ライブ後、「申し訳ありませんでした!」と
頭を下げてしまいたくなりました。春畑さん、よかったです。

そしてそして。このライブはとっても楽しいものでした。
演奏中、踊りまくるほど(イスに座ってるのに(^^;))楽しくて、
お金は高かったけど、十分元は取れた!なんて思いました。
・・・まさか、次の日もライブに行くことになるとは思ってませんでしたけど(爆)

(アラレ)
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