デジタルレコーディングとは?

デジタルレコーディングというと何だか高度な技術や知識が要求されるかのような響きがありますが
実は、何てことないレコーディング(録音)の種類のことです
では、そのデジタルレコーディングというものを、アナログと比較しながら見ていくことにしましょう


アナログとデジタルって?

そもそも、アナログとデジタルというのが対義語として使われるのは分かりますが
では、アナログとデジタルって基本的にどういうもの?と言われると説明に困る人もいるんじゃないでしょうか?
簡単に解説しちゃいますと、アナログは波そのもの、デジタルは0と1の2進数の数字情報です

上図を見てください
楽器や人の声、車の音だけではなく、デジタルのシンセサイザーなんかも含め、この世の全ての音が発音された時点でアナログの音です
これを一旦パソコンやデジタル録音機に取り込むと、その時点でデジタルに変換されます
このデジタルに変換された情報を再生して人間の耳に入ると
やっぱり人の耳に聞こえてくる音はアナログです

どうせアナログになるなら最初からアナログでやればいいじゃないか!
ではレコード盤等のアナログ録音されているものを使うようにするとしましょう
聴けば聴くほど音質が徐々に劣化していきますねぇ
曲順を入れ替えたい、この部分を切り取って別の部分に挿入したい
そんな場合もすごい手間がかかっちゃいますねぇ
一方デジタルに変換された段階で保存されていればどうでしょう?
曲順の入れ替えも簡単操作で一瞬ですし、部分切り貼りなんかも簡単ですよね
しかも、レコードのように再生するたびに磨耗したり、テープのように伸びてきたりなんてこともなく
データが存在する限りほとんど永久的に音質が劣化することもありません


デジタル変換の仕組みとサンプリング周波数

では実際にアナログからデジタルへの変換とはどういうことが行われているのかを見ていきましょう

例えば上図のような波を持つ音があったとしましょう
これをデジタルにする際にはまずサンプリング周波数を指定しなければなりません
録音機によっては一定に決められていますが、パソコンなんかに取り込む場合には必ず周波数が関わってきます
サンプリング周波数についての詳細はこちらに書かれていますので、簡単に解説しますと
1秒間に何回の波を描かせるかというものです
例えばCD音質とされているサンプリング周波数44.1Khzだと1秒間に最大44100回もの波が描かれています
波の間隔が大きいほど低い音、細かいほど高い音がでます
そしてビットレート、これが1秒間あたりの情報量を表しています
では分かりやすいようにマスを書き込んでみましょう


手書きなのでマスは大雑把なので、その辺はつっこまないようにしてくださいね
このグラフでは横に時間軸を取っています
その時間軸に重なる波に点を打っていったものが上図の白丸になります
つまり、1秒間あたりのデ情報量ですね
デジタルに変換する際にはこの点が重要になります


百聞は一見にしかず
時間軸と音量の重なる点を棒グラフのような形で結んでいってあります

この赤い棒グラフのような情報で波の形を再現してあるものがデジタルデータそのものです


では、そのデジタル情報化されたものを再びアナログの波に戻してみます(青線が戻したもの)
元の黒い点と似たような形を描いていますが、所々でずれが生じていますね(赤丸部分等)
このずれがデジタル化することで起こる音質の変化や劣化につながります
しかし、上図の倍の情報量を持たせたら?
つまり、マスをもっと細かくしたらどうでしょう?
赤丸のずれがさらに目立たなくなりますね
これが、サンプリング周波数と情報量の多さが大きいほど、音質が良い理由です


まとめ

これで、デジタルレコーディングがどういうものか、アナログとの関係もつかめたと思います
やはり原音のアナログ音声に比べれば少なからず劣化や変化は避けられないものの
サンプリング周波数とビットレートを大きくしてやれば、かなり精度の高いデジタル情報に変換することが可能です
そしてアナログの録音媒体にでは避けられない音質劣化をデジタルの録音媒体ではなくすことが出来る点
録音したデータを転送する場合にも劣化や変化が起こらない点
これによってデジタルレコーディングが重要視されることが分かります




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