山本精一 INTERVIEW (1997年4月発行oo4号に掲載)

●こないだ渡した質問リストですけど・・・
ああ、何書いてるかサッパリわからんかった。

●そ、そうですか。・・・今日はあれとは違うことをきかせてもらいますので。
・・・・あ? そうなん(しばし絶句)。

●では始めさせていただきます。最近想い出波止場はレコーディングされたそうなんですが・・・。
まだしてるんですよね。

●今度はどういう作品なんですか?
それは言えない。秘密です。

●山本さんと津山さん以外にはどんな人が?
秘密ですね。

●秘密・・・じゃあ・・・・『金星』についておききしたいんですが『金星』では想い出波止場の音楽の中の快感系というかトリップ系の部分が強調されていたと思うんですけど。
・・・・・・・・何をも強調してない(笑)。

●そ、そうですか・・・。
やりたいようにやってるだけ。作為的なもんは全然ないしね。深みもなんにもないし。あるようには聞こえるけどね。たいして何もない。深読みさそうかなと思って。ああいう風に言うとみんな深読みしてくれるじゃないですか。そういう楽しみっていうのはありますね。

●「『金星』は海外でも発売されたそうですが、評判はどうですか?
ああ、何も入ってこないですね。黙殺されてる。

●雑誌『ex:it』のインタビューの中で想い出波止場は山本さんのソロだと言っておられたのですが、その場合ソロの定義っていうのはどのへんにあるのですか?
だいたい曲は俺がつくってるし歌詞もやってるからね。ま、ソロっていうとおかしいですけど、ソロみたいなもんかなという感じ。バンドじゃないかもね。かというて、俺with・・・とかそんなんじゃないけど。まあ想い出波止場に関しては僕のやりたいことを周りに頼んでやってもらってる感じですね。カタチ的にね。まあ、バンドはバンドですけどね。

●ミックスダウンも全権を持ってらっしゃるとか。
というか、曲つくってるのは俺なんでそれやったら最後まで責任持って、曲を仕上げないとね。

●津山さんのソロ『ヘンリー・ザ・ヒューマン・ホース』を聞いた時に、想い出波止場のある部分っていうのは、確実に津山さんの世界なのかなあと感じたんですよ。
そら勿論ね、津山もメンバーですから、当然。

●山本さんはあのソロをどう思いましたか?
あ、良かったですよ。普通に曲としてすごく良かった。別に津山っていうイメージと関係なしに。

●最近、演奏面で実力のある・・・渡り合えるような人との共演が多いんですけど、それは今の方向性がそういう風に向いてるんですか?
・・・・・(無言)・・・・・。え?

●いや、演奏面で実力のある人と共演されていることが多いんですけど・・・・。フレッド・フリス+クリス・カトラーとか。
(苦笑)君、無理してない?

●そ、そうですかね。
無理してないですか?みに来てた?

●行ってました。
ほんだらわかるやん。大阪は失敗でした。

●そうなんですか??
大阪は失敗でした。

●僕は興奮したんですけど。
東京はあの3倍以上良かったですよ。ま・・・それはもういいですけど。

●それと神戸で・・・これは僕はみてないですけどアルタード・ステイツの人とやったり。
ああ、そやねえ。即興でね。

●そういう音楽的に演奏面で実力のある人とやりたいと・・・
「音楽的に演奏面で実力のある」って、君(笑)。言葉づかいがやっぱりちょっと変ですね。

●あ、すいません・・・。
もうちょっと文法を勉強した方がええ(笑)。(質問リストを引っぱりだしながら)文法的にコレちょっとメチャクチャやなあと思ったね、俺。これはちょっと編集の人としては文章を勉強せなあかんと思ったわ。

●すんません。
僕に指摘されるようじゃだめ。まあ、そりゃともかく。演奏面で・・・・何て?

●昔はまわりに、ホントこのライブハウスにいてるような若い人達と・・・
ああ。

●一緒にライブやろう!とかいうようなもんがあったと思うんですけど。
ええー?どういうこと?

●・・・・・。
え、いや意味がわかれへん。主語と述語をハッキリさせてほしい。

●そうですよねえ、はい。
どうぞ、なんですか?

●あ、いやこの質問は・・・パスさせてもらいます。
なんやねん(笑)・・・・・いいんですか?

●じゃ少し話題を変えまして。いまの若い人達に与えた影響はかなり大きいと思うんですけど。
全然大きないよ。ほとんど知りませんよ。

●ステージでのパフォーマンスについても、大阪では狂った人間のように演じたりするのがいまや主流ですよね。
そんなんおれへん(笑)。そんなん全然おれへんよ。どこにおる?ごくごく・・・・バーノイズとか(笑)。そういうとこにおる。

●そうか、やっぱり少数なんか〜。
少数、もーのすごい少数。全然主流じゃないですよ。俺だってベアーズなんかで受付座っとっても誰も気いつかへん。そんなもんですよ。今の若い人に全然影響与えてないですよ。むしろアンチの方ですよ。

●しかしヴォーカルスタイルとかみたら山塚さんの・・・。
う〜ん、あれは特異なもんやけど、そりゃそういう奴もおるやろね。

●そうか、主流じゃないんか。
全然主流じゃないですよ(笑)。だってそうやんか、どこが主流なんですか。どんなバンドがある?。ないよ。

●いやそう言われると・・・・・先程おっしゃったBAR NOISEの連中もそうですし。
あそこだけやん、だから(笑)。

●・・・ユープタワーとかトランシーバーズとか(笑)。
そんなもん大阪の主流か、それ(笑)。それ言うたら怒ると思うで〜「主流」の人達が。あ、そんなん言うたらまた怒るか。主流になんかなりえないですよ。こんなん主流になったらお客困るやろねえ。そういうもんですよ。

●80年代後半に大阪でジャンクブームっていうのがあったんですけど。
そう?あったかなあ・・・・。

●それまでの関西のニューウェイブシーンってパンクを除いたら、自己の内面をそのまま表現したような人達が多くてああいう突っ切った表現っていうのはなかったと思うんですけど。
っていうか君、70年代の終わりとか知らんやろ。もっととんでたで。

●それはライブハウスで?
そう。ほぶらきんとか。なんせほぶらきんがいたじゃないですか。すごいよ。あれ、突っ切ってたよ。完全に。だから、僕らが初めてでもなんでもないよ。関西には大昔からあるんですよ、あれは。名物みたいなもんやね。

●そういう狂気のようなものを・・・。
狂気とかと全然関係ない。ただ単にそういう人間性の問題やねん。「九州人が一本気な奴が多い」とかそんな感じで、関西人はああいう感じなんですよ。ただ単に風土的なもん。変な奴多いもん。それが単に音楽にも現われてる。絶対そうよ。

●それに魅かれたっていうのも、山本さんの人間性の問題なんですか?
え、どういうこと?

●ほぶらきんをみていて、それを継承する・・・・じゃないけれど。
っていうか共感できるとは思ったね。でも、それでなったんじゃないよ別に。普通にやってるとああいう風になるんですよ。そういう種類の人間なんですよ。別に影響されたとかそんなんじゃない。別になんも考えてないって。ホンマに。そら何らかには影響されてるでしょ、当然ね。でもああいうほぶらきんになりたいとか、そういうのは思えへん。なれへんもん、あんなん(笑)。なれませんよ。なりたないし(笑)。
 
 

 
・・・・インタビューはまだまだつづきます。
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