怪奇大作戦(全26話)

(昭和43年9月15日〜44年3月9日:全26本 日曜7時〜7時30分)
ドラマの設定:
本企画は「現代の怪奇シリーズ」です。現代とわざわざ銘打ったのは、所謂怪奇ブームに
於ける怪談ばなしとは、明確に一線を引くものだということを認識していただきたい
からです。
このドラマには科学を歪んだ心理で巧みに悪用し怪奇と恐怖の犯罪を企む人間が、
毎回登場するということになります。その意味では「犯罪ドラマ」の形式ともいえます。
「科学を悪用して犯罪を犯す者とそれをあばく者との対立を描くドラマ」が
基本的な設定です。
犯罪者は、不特定多数で、毎回違う智恵ある悪魔が登場します。
彼等は、復讐、私怨、欲望、マニア等々、サマザマな目的を持って、自分の望みを
達成しようとします。そして、想像を絶する科学的なアイディアとテクニックで、
我々を恐怖のドン底にたたき込みます。
彼等は、例えば自動車、電話、コンピューター、テレビ、電気、液体、光波といった
日常的なモノを利用して、とてつもない怪奇な犯罪を行うわけです。
ポイントをまとめますと。
1.恐怖を強調すること
  所謂怪奇ブームに於ける怪談ばなしではなく、現代の怪奇を以て行う。
2.ドラマを大切にする。
  登場人物の性格描写を明確に行う。そこに真のサスペンスは生れる。
3.大道具、小道具を生かす
 例えばA. Sジャケット
     (SRIが開発した万能ジャケット。耐熱、耐火、耐水、耐寒の
      スーパージャケットで、コンパクトになって、所員たちのポケットに
      おさめられている)
    B. SRI乗用車(三沢のスポーツカー、野村のゴーカート)
まあこの作品は過去、何度かビデオソフト化されたんだけど、 今のご時世にやられてしまい、ビーム・エンタテイメントから出ているものは、 「ゆきおんな」が入っていなかったり、ベストセレクションと銘打ったLD-BOXには 「美女と花粉」、「殺人回路」、「こうもり男」、「光る通り魔」、「青い血の女」が はいっていなかったりして、全話通して見ようと思うのが一苦労する代物である。 何分にも放送禁止の問題作 「狂鬼人間」は欠番扱いで、過去にでたLD-BOXを買うか(20万円以上する)、 単品LDセットを全て揃えるか(12万以上する)、15年前に出たビデオテープを揃えるか (まずどこにも置いていない)しないと見れないのだ。 欠番扱いという事でよく引き合いに出されるのがウルトラセブンの幻の12話 「遊星より愛をこめて」ですが、これなんかすぐに放送禁止になったのに (再放送は実家に居たとき1度見た、当然本放送も見ました。内容的にはハードさ無し。)、 き×がいを人工的に製造して社会の混乱を企むというあまりにも非道いやりくちが、 本当に現代社会にマッチしすぎた為、欠番になってもしょうがないとは思うが、 何回もビデオ化しておいて欠番にしなくても・・・ お陰さまで同作品のBOXセットはコレクターショップの目玉になっているのが現実である。 でも、名作揃いだから、是非、見ておいて欲しい。 ちなみに私が一番好きなシーンを何点か挙げておこう。 1.「恐怖の電話」に出てくる岸田森はなかなか素晴らしくかっ飛ばしてくれている。  桜井浩子を無響室に叩き込み、日本音圧協会よろしく眼前にでかいスピーカーを  置いて、トーンジェネレーターをいじくりながら電子音鳴らして責めたてている姿は  ヤン富田大先生のようにプロの厳しさと狂気が全開していて滅茶苦茶かっこいい。
      
2.「殺人回路」の何故こうなるのか分からないまま、いい加減に理由を付けて謎を解決
 している点のアバウトさ。(CRTディスプレイがトリックだそうだが、科学が進んだ
 20年後の今でもコンピューターの画面から物は出てきません)
 ただ単に電子計算機の批判がしたかったのだろう。

3.「呪いの壷」でニセ物の壷を叩き割るシーン。ここの演技は思い切り気合いが感じら
 れる。みんな「京都買います」ばかりを受け売りで取り上げるのでこういったシーン
 が無視されている現実が悲しいのねん。ここでの岸田森のアフレコの入り具合も徹底
 的に冴えている。(これも一応実相寺作品)

4.「光る通り魔」でものすごく理屈の通らないような理論を岸田森が演技と説得力で
 納得させてしまうシーン。これは「かまいたち」でも同様でこの人には根拠とかは
 ひょっとして不要なのかも。

5.「24年目の復讐」での岸田森の回想シーン。ひょっとしてシスコンですか?

6.「ゆきおんな」で強欲じじいを演じた小松方正の不条理な演技&自殺。
 (これにはどうやらきちんとした意味合いがあるようですが。)
 朴訥としたウルトラセブン上西弘次の素顔。(この人は元三船プロの殺陣師。
 だから間合いの取り方がうまい)

7.「オヤスミナサイ」での殺人マシーン岸田森。マジで怖かった。

8.「氷の死刑台」で冷凍人間を焼き殺す寸前、何故か岸田森は嬉しそうに見える。
 (フォロー・後で悲しみを湛えたモノローグ有り)同様に燐光人間を焼き殺すときも
 何か嬉しそう。

(殆ど岸田森がらみになってしまった・・・・)

他にもいろいろあるが書くスペースが減ってきました。

他、何か私はここが気になっているとか間違っているとかおっしゃられる方が
ございましたら、お便り下さい。
  

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