ネット転送用WAVデータ作成時の注意点

 ネット転送用のWAVデータをPCで作成する場合、注意が必要です。作成方法により、楽曲制作時の品位に比べ、大幅に音質低下を引き起こす場合があります。

 (検索エンジン等で、PCに楽曲を録音する方法や手順などを説明してあるサイトも多くみかけますが、それらの多くは、必ずしも適切な手法ではない場合があります。楽曲製作者が行うべき方法と、一般リスナーが行っても大丈夫な方法とは、基本的な部分でまったく異なると考えてください。)




 MTRやハードディスクレコーダーなどで楽曲制作を行なったデータを、WAVデータとしてPCにデータを移す方法の例。


  ◎ 好ましい具体例


 1.MTRやHDRに装備されているCDRドライブに、ISO記録を行ない、CDR上にWAVデータを記録する。
 (類似機能として、CDRへ音楽CDとして記録する方法もありますが、必ずしも好ましくありません。WAVデータとして記録する事を強くお勧めいたします。また、ミックス依頼を行なう場合は、かならずWAVデータとして記録する必要があります。ご注意ください。)

 2.MTRやHDRに装備されているUSB端子などを使用し、PCへデータ転送を行なう。

 3.高品位サウンドカードを使い、MTRやHDRの出力音声を録音する。その場合、デジタル結線を使用する方が、より品位を保つ事が可能となります。
 (避けるべき具体例も参照してください。)

 4.PCに装備されているデジタル入力端子を使用して、PCで音声を録音する。
 (アナログ入力端子の使用は、かならず避ける事を強くお勧めいたします。避けるべき具体例も参照してください。)

 5.録音性能のS/N比が良好であるサウンドカードのアナログ端子を使用する。
 (録音性能の優れた品質のサウンドカード類を使用する事で、音質の大幅な劣化や低下は避けることが出来ます。目安としては、S/N比 : 100dB以上程度の物がお勧めできる品位となります。)


  × 避けるべき具体例


 1.PCに最初から装備されているアナログ入力端子を用いて録音する。
 (録音品位は、通常、あまり良くないか、もしくは極めて悪い事が予測されます。録音性能は、良くないため、録音後に生成されるWAVデータの音質は、大きく劣化していたり、雑音が混入したりする場合などもあります。使用については、極力避ける事を強くお勧めいたします。)

 2.低価格サウンドカードのアナログ端子を利用して録音を行なう。
(2000円〜3000円程度で販売されている低価格品などがPCに装着されている場合がありますが、これらのサウンドカードは、上記の「PCに最初から装備されているアナログ端子」と性能的に大差ない場合が殆どです。これらの録音品位は、性能的にも良くない場合が殆どです。)


 ミックス依頼データ用WAV制作時の参考情報
 HDRやMTRに録音した複数トラックの音声を、頭だし一致でPCにデータを移す場合、PC側の録音ソフトと同期を取る必要があります。

 録音機材がHDRの場合(もしくは、デジタル録音機材類の場合)
 PCに接続されているインターフェイスのデジタル端子と、HDRのデジタル端子を接続する事で、デジタル同期が可能です。この場合、PCのソフト側の同期設定とHDRの同期設定を一致させる必要があります。HDR側をホスト設定する方法が一般的ですが、動作が安定する設定で行うのがよいです。(HDRの説明書等を参照して頂ければ、説明項目が存在している可能性が高いです。)

 録音機材がアナログMTRの場合
 アナログMTRで、MIDI端子が装備されている場合、MIDI同期で、PCのDAWソフト類と同期をとる事が可能な場合があります。しかし、デジタル同期程の精度は有りません。最も好ましい事は、各トラックを一括して同時にPC側のインターフェイスで録音収録してしまう方法です。この場合、PCのインターフェイスは、複数の録音入力端子を装備している必要があり、MTR側も、各トラックを個別に同時出力できる仕様でなけれななりません。

 PC接続されたインターフェイスに、複数の入力端子が備わっていない情況の場合、MIDI同期を使用して各トラックを録音する必要があります。この場合、MTR側の録音音声には、共通した頭だし位置を設定できる様に、全てのトラックへ、共通した時間位置にクリック音を録音しておくなどの工夫が必要です。クリック音は、録音開始位置の20〜30秒程度手前に入れておけば大丈夫でしょう。
 PC側で録音した後に、クリック音を手がかりに、同期開始位置を設定する方法が可能となります。

 一部のカセットMTRには、MIDI端子等が未装備のタイプが存在しますが、この場合は、各トラックを個別に出力する機能がMTR側に備わっている必要があります。(一括して各トラックを同時に録音してしまう必要がある為です。)
 仕様上、そうした機能が未装備なMTR場合、PC側へ同期の取れたトラックデータを移す事が難しくなります。(MIDI端子未装備で、各トラックを個別に同時出力できる音声端子も備わっていないMTR機材類など。)

 PCで後処理を行う予定がある場合は、こうしたMTRやHDRの仕様の事柄を予め踏まえておき、録音機材を選定する事も必要な場合があります。


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 処理を施したい楽曲が、音楽CD形式(CDDA形式)で作成してある場合、PCでWAVファイルを作成する為の具体例。
 (スタジオなど録音を行ない、受け取ったデータが音楽CDとして作られていた場合などには、下記してある方法の必要性が考えられます。)


  ◎ 好ましい具体例


 1.デジタルファイル変換ソフトウェアでデジタル吸出しを行ない、できうる限り高精度でデジタル化を行ない、WAVファイルを作成する方法。通常、専用のソフトウェアが必要になります。
 (ソフトウェアの具体例としては、[ Cd2wav32 ] という無料ソフトウェアなどがありますが、機能的に同等のソフトウェアなども存在していますので、検索エンジンなどで探す事は可能です。)

 2.外部のCDプレイヤーのデジタル出力端子(光出力端子)などと、PCのサウンドカードのデジタル端子を使用して、音声を録音し、WAVファイルを作成する。

 3.高性能高価格のCDプレイヤーのアナログ出力端子と、録音性能のS/N比が良好である高性能サウンドカードのアナログ端子を使用する。
 (録音性能の優れた品質のサウンドカード類を使用する事で、音質の大幅な劣化や低下は避けることが出来ます。目安としては、S/N比 : 100dB以上程度の物がお勧めできる品位となります。)


  × 避けるべき具体例


 1.PCのCDドライブで、アナログ方式の音声再生を行ない、その音声を録音してWAVファイルを作成する方法。
 (初期状態のPC装備サウンド機能でアナログ録音されている可能性が高い状況となります。この場合、録音品位は、通常、あまり良くないか、もしくは極めて悪い事が予測されます。録音性能は、良くないため、録音後に生成されるWAVデータの音質は、大きく劣化していたり、雑音が混入したりする場合などもあります。こうした手法については、極力避ける事を強くお勧めいたします。)

 2.外部CDプレイヤーで音声を再生し、PCに最初から装備されているアナログ入力端子を用いて録音する方法。
 (録音品位は、通常、あまり良くないか、もしくは極めて悪い事が予測されます。録音性能は、良くないため、録音後に生成されるWAVデータの音質は、大きく劣化していたり、雑音が混入したりする場合などもあります。使用については、極力避ける事を強くお勧めいたします。)

 3.外部CDプレイヤーで音声を再生し、低価格サウンドカードのアナログ端子を利用して録音を行なう方法。
(2000円〜3000円程度で販売されている低価格品などがPCに装着されている場合がありますが、これらのサウンドカードは、上記の「PCに最初から装備されているアナログ端子」と性能的に大差ない場合が殆どです。これらの録音品位は、性能的にも良くない場合が殆どです。)


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 絶対避けるべき、問題外とも言える方法
 mp3や、WMA方式などの圧縮音源をWAVに復元したデータなどは、すでに劣化しておりその状態からの音源加工は、極めて不利な状況となります。
 mp3ファイルなどでも受け付けているサイトなどは確かにありますが、mp3ファイルでも品位的に大丈夫であるという事を示している訳ではありません。圧縮音源は、最終的なリスナーが、携帯プレイヤーレベルで取り扱うデータとして考えてください。楽曲製作レベルでは、圧縮データを取り扱う事は、絶対に避けるべきであり、圧縮前のオリジナル未圧縮データの使用を、強くお勧めいたします。


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 参考事項
 アナログ接続で高品位に録音する為に必要となる事柄の最優先事項は、より録音性能の高いサウンドカード(オーディオカード)やインターフェイスの使用、と言う事になります。
 安易に、ビットレートやサンプリング周波数を引き上げ、高レートデータで録音すれば、録音品位が良くなる、と記載されているサイトが多い模様ですが、正しくありません。
 データの解像度が高くなっても、音その物が綺麗に収録されていなければ、単に、音の悪い高レートデータを作り上げているだけとなります。
 綺麗な音のWAVデータを収録(作成)できるだけの十分な録音性能を持っているサウンドカードが必要になります。それらの製品は、楽曲製作者向けに設計、販売されている商品であり、一般的なサウンドカード類とは異なります。

 アナログテープやカセットテープなどからのデジタル変換の委託作業関連を請け負っている、個人事業主サイトなどへの発注は、十分注意してください。正しい認識がされていないであろう可能性のあるサイトが、存在している様子です。使用しているオーディオインターフェイスや、アナログ再生に使用している機材類が十分明確ではないサイトへは、変換依頼を出す事は避けた方が無難です。デジタル変換の品位が良好である保証は、たとえ品位の高い機材を使用しても、難しい場合があります。
 アナログからデジタルへの変換は、ソフトウェアなどでノイズを除去して、その後EQ補正などを行えば綺麗になる、という印象を与えがちですが、そうした事柄は2次的な要素であり、それ以前の再生、録音作業部分が最も重要となります。良い音で再生し、その音を録音性能の高いインターフェイスで録音する事が必要です。アナログ、デジタル変換については、ソフトウェア処理は、2次的要素でしかありません。十分に注意してください。




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