柳河風俗詩
  1.柳河

    北原 白秋 作詞
    多田 武彦 作曲


合唱 :九州工業大学 メンネルコール
指揮 :中山 敦
    

  もうしもうし 柳河じゃ やながわじゃ
  銅(かね)の鳥居を 見やしゃんせ
  欄干橋を 見やしゃんせ
     ぎょしゃは ラッパの ねをやめて
     
あかい夕日に 手をかざ
  あざみのはえた その家は
  ふるいむかしのノスカイヤ(遊女屋)
  人も住まわぬノスカイヤ
  裏のバンコにいる人は
  あれは隣の ままむすめ

  水に映ったそのかげは
  母の形見の小手鞠を
  赤い毛糸でくくるのぢゃ
  涙 片手にくくるのぢゃ

  もうしもうし 旅の人
  あれ あの三味をきかしゃんせ
  鳰(にお)の浮くのを 見やしゃんせ
     
ぎょしゃは ラッパの ねをたてて
     あかい夕日の街に 入る
  ゆうやけこやけ あしたてんきに なあれ

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