Tracy Nelsonは、60年代後半にSan Franciscoのバンド、Mother
Earthを率いていた女性ブルース、R&Bシンガーだ。
研究家の中には、Nelsonのことを、Janis Joplinの子分と言う人もいるが、San Franciscoのシーンで最も有名なブルース・シンガーであったNelsonは、Joplinのようにブルースのシャウトをしなかったし、どちらかと言えば、ソウルフルな歌唱法であった。
Nelsonは、Californiaで生まれたが、Wisconsin州のMadisonで育った。
若い頃、彼女はそこでフォークやブルースといった音楽を吸収した。
Wisconsin大学に社会福祉を専攻して入学した後、60年代初めにNelsonは、Madisonのコーヒーハウスや組合のパーティーでR&Bのカヴァー・バンド、Fabulous
Imitatorsと共に歌い始めた。
彼女は、ブルースを聴くために、頻繁にChicagoに行ったりもした。
1964年前後、Nelsonは、Chicagoで、フォーク・ブルースのアルバムをPrestigeレーベルでレコーディングした。
アルバムのタイトルは、"Deep Are the Roots"で、Sam
Chartersのプロデュースである。
2年後、Nelsonは、最初は、Los Angelesに、その後、San Franciscoに移住した。
そこで彼女は、Mother Earthを結成し、ロックのライヴ会場として有名なFillmore WestやAvalon Ballroom等でライヴをした。
バンドのファースト・アルバム"Living with the Animals"は、1969年にMercury Recordsからリリースされた。
その年の後半、NelsonとMother Earthは、再び、Tennessee州、Nashvilleに戻った。
バンドは、アルバム制作を続けたが、Living with the Animals程の評価は得られず、Nelsonは最終的に、会社との契約を終了し、Mother
Earthとも別れる。
Nelsonは、ソロ・アーティストとしてのレコーディングを、CBS、Atlantic、MCA、Flying Fishといったレーベルで続けた。
彼女のレコードの多くは、ブルースやカントリー、R&Bをブレンドしたものになっている。
1993年、Nelsonは、"In the Here and Now"をRounder Recordsからリリースしたが、
これは、30年近くに渡る彼女のデビューからの音楽活動において、初の純粋なブルースのアルバムだ。
Nelsonは、レコーディングと公演を続けている。
|