日本にはなかなか輸入されて無かったジョディのマウスピースであるが、今回marmaduke
saxophone accessoriesのデックス氏の御好意により試奏することができた。もちろんこちらのページで購入もできる。さてこれはジョディから満を持して登場したDVシリーズ。これはそのDVシリーズの中でも比較的ローバッフルなNYモデルである。特徴的なのは大きく開いたテーブルで、これはロブナーの"DeepV"を彷彿とさせるデザインである。これにはリードの振動を最大限に発揮できるというネライがある。
奇抜な外観から想像するに非常にクセのある独特な音色ではないかと思っていたのだが、意外にも正統派なサウンドで音質は結構マイルド。しかしオープンテーブルと作りの精度、金メッキなどの効果は絶大で、際限無しに息が入って行く。相当なパワーで吹いても耳障りな高音が無いため、ジャズでゴリゴリ吹く人にも適する。またピアニシモからスムーズに鳴ってくるので、応用範囲はかなり広い。メタル特有の扱いにくさはみじんも無いため初心者でも吹けるメタルであり、ヤナギサワの独壇場だった「メタル入門」にも対応できる。(ただし値段を考えるとチト贅沢であるが)フュージョン的なイメージを持つ人も多いと思うが、アクースティックなジャズのコンボ演奏などにズバリハマるような気がする。
スポイラーでハイバッフルにできるフュージョン向きの「ジョディメタルESP」に比べると、この「DVNY」はパワー感を押し出した、オールマイティーモデルだと思える。今回は7*というスタンダードなオープニングを試したが、ガーデラのスタジオ(8相当?)に比べても開きがかなり狭く感じられ、ラヴォーズのミディアムソフトでは柔らかすぎたようだ。テーブルの大開口のせいもあり、リードがものすごく良く振動するので、耐久性の良いリードが良いかもしれない。エレクトリックのバンドでも抜けが良く、まさにマイルドなデュコフの感じでパワフルに吹けた。リードミスや耳障りな部分の少なさで、使える範囲がとても広いマウスピースだと言う感じを受けた。
またパッケージが木製の薄皮で出来た独自の容器に入っており、そのままの持ち運びには適さないが、非常に個性的でワクワクさせる良いパッケージだと思う。
Dec/2006
東京JAZZ2009でマンハッタンジャズクインテットのアンディ・スニッツァーがこのマウスピースで吹いていた。楽器はポールモーリアのエンドースをしているものの使っていたのはセルマーのMK6のシルバーだったように思う。彼のようにパワー感と溢れ出るようなフレイズを操れるプレイヤーにはベストマッチな感じだ。トラディッショナルなジャズを演奏するバンドなので、絶妙なマイルド感が良く合うようだ。もう少しエレクトリックなフュージョンだったら、もうちょっとキラっとした感じがあってもいいかもしれない。
Nov/2009
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