Gottsuさんから初めてテナーのサンプルを試させてもらうことになった。煤竹が非常に高価でかつ入手困難な素材であることから、一般的な新竹のモデルでも煤竹同様のサウンドが出せるように加工した新モデルのテナー用とのことである。
形状は2ndモデルお馴染みのシャンクが節になったデザインでこのへんは変わり無く、色が黒っぽくなり、煤竹とほとんど見た目は変わらなくなった。あいかわらず仕上げは良い。
Gottsuさん曰く、「リンクのラバーを超えるウォームかつ太いサウンド」とのこと。筆者自信の竹マウスピースの今までの使用感からすると、いくらなんでもリンクラバーよりはカタい音になるかな?と思いながらも試奏してみる。。。
なんとなんと!テナーだととても太く、かつハスキーな重いサウンドになり、元気なイメージの煤竹アルトとはまた違った印象が得られた。ラバーのリンクに近いイメージだが、ラバーでは得られない重さがあり、エッジもあるのだが、それほど「音が硬い」というイメージにはならない。レコーディングでも十分に分かるが、生音は非常にすばらしい。
言うまでも無く、コントロール、フラジオなどの性能は現代的なもので、オールドリンクなどのように機嫌を伺いながら・・・というのではなく、いつでも全開で吹ける。
折しもオールドリンクはジャズブームに乗って人気があり、レプリカも各社から出ているが、ルックスではなくサウンド的にこだわりがある方なら、デザイン、素材など何一つ共通点がなさそうな、この竹のマウスピースもそう言う視点から選考に加えてみるのも悪く無いと思う。
リンクラバーの路線を歩みながらも、ひと味違ったサウンドを模索される方は是非一度試してみていただきたい。筆者的には中低音のブリブリっとした鳴りに非常に魅力を感じるし、竹独特の柔らかさも魅力である。
<2007年9月>
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