<<サックスとマイクロフォン>>
1.ライブで一般的に用意されてるマイク(ダイナミック)
<Shure SM58>1万円〜1.5万円くらい
どこのスタジオにも、ライブハウスにも置いてあるいわゆる「ド定番」のマイクです。
ライブでもほとんどのサックス奏者に供されるのがコレでしょう。
もちろんリハーサルスタジオでも良く見ますね。
基本的にはボーカル用で、低音のポップノイズとか、屋外での風とか、声の「さ行」のノイズを軽減して
人間の声の帯域以外はカットする傾向にあるので、繊細などんな音でも拾うマイクとは違います。
プロのオペレータさんはそんな事は百も承知なので、イコライジングでサックス本来のキラキラした高音も再現してくれますが、
管楽器に不馴れなオペレーターさんとか、素人のPAとかだと非常にショボイ音になることもあります。
なのでワタシは個人的にこのマイクはキライで、なるべく使わないようにしてます。
メイシオパーカーはこのマイクを好んで使う、サックス吹きとしては珍しい人です。
トランペットは高音がキツいですから、57よりもこちらの方が意外によかったりします。
ejiお気に入り度★★☆
<Shure SM57>1万円くらい
そこで登場するのが同じシュアーでもSM57というこのマイク。
中身は同じなのですが、丸い風防というかグリルガードが付いてませんね。
そのせいもあって、高音の反応も良く、ダイナミック特有のパンチもあって結構好きなマイクです。
ボーカル以外(使う事もあるが)のほとんどの楽器に使われていて、ドラム、生ギター、アンプ、など万能マイクです。
ちょっと高音がキツすぎるきらいもありますが、パワフルなバンドならこのくらいでもOKです。
でも・・・指向性のあるマイクをスタンドに付けて使うということは、
ちょっとでも軸をはずすと出音が弱くなるワケですから、目をつむってインプロビセイションに
集中したいワタシとしてはあんまり使いたくない・・・
重くてもいいので、57のヘッドを使用できる管楽器用のクリップタイプが欲しいです。
ejiお気に入り度★★★☆
<Sennheiser MD421>4万円くらい
これはほとんどがバスドラムを録るのに使われる事が多い様です。
業界では「クジラ」で通っていますが、いわゆるそういう色形なんですね。
一見コンデンサのような形ですが、ダイナミック型なんです。
あまりサックスでは使われないかもしれませんが、もともとボーカル用に設計されたものでもあり、
サックスでもパンチの効いた、かつ繊細さもあるいい音だと思います。
我々サックス吹きに回ってくる事はほとんど無いマイクではありますが、
まぁPA屋さんも高価なマイクをど素人がウロウロするフロントにはあまり立てたく無い
という心情もあるのではないでしょうか?
個人的には大変好きなマイクです。
ejiお気に入り度★★★★☆
2.レコーディングで使うマイク
<AKG C3000>3万〜3.5万円弱くらい
今までのダイナミックマイクとは変わって、コチラはコンデンサマイクです。
非常に繊細で、反応も物凄く早く、ノイズも少なく、微妙なニュアンスも拾ってくれます。
コンデンサマイクは高い物が多いので、これでもわりと入門機なのですが、
プロはC414というのをAKGでは良く使います、こちらは10万以上します。
こういうマイクはだいたい雲の巣のようなややこしいマイクホルダに取り付けますが、
そうやって中ぶらりんにしないと床の振動を拾ってしまうほど過敏なんですね。
その上こんなのでボーカルを録ったりする時は、金魚すくいの網のようなポップスクリーンを使いますね。
なので、とても良いマイクですが、ステージではハウリングなど様々なリスクがあり、
無理をしてまでライブで使いたいとは思いません。性能もステージではここまでいらないと思います。
ので、やはりレコーディング専用です。
狭いステージでは大体まん中のサックスのすぐ後ろにドラムが控えてますから、
そっちの音を拾ってしまいますしね。会場の条件やPAさんのウデにも左右されるので、難しいですね。
プロはステージでも高価なコンデンサマイクを使う事がありますが、
ジャズとかスムースジャズ、フュージョンなどサックスがメインの時くらいですかね。
余談ですが、ビンテージのオットーリンクなんかを使って50年代以前の雰囲気のジャズなんかをやる人は
やはりRCAとかノイマンとか、その当時のビンテージマイクを使って録音する事が多い様です。
そういえば、先日ノイマンのM49Cという真空管マイクでレコーディングしてきました。
ボーカルだとかバスドラとかにも同じものを使ってましたね。
繊細なマイクなんでしょうけど、太く、甘い音に録れていて感激しました。
ejiお気に入り度★★★★
<Rode NT2>2.5万〜3万円弱くらい
最近よく目に付くマイクで、なじみのスタジオにも置いてあるため、
当サイトのBGM付の演奏を録音するのに使ってます。
安い割に(コンデンサーでは)大変評判が良く、最近売れているマイクらしいです。
C3000と比べると若干マイルドというかソフトな感じがあって、女性ボーカルや軟らかめのサックスの音では
こちらも良いと思うんだけど、ロックっぽいパンチではC3000のほうがいいかなぁ。
昔はコンデンサといえば絶対的に高価だったのに(プロ用しかなかったので)
最近ではSEIDEとかサムソンとかベリンガーとか一万以下のものがたくさん出てます。
ejiお気に入り度★★★
※その他高性能&高価格なマイクは数々あります。
3.クリップマイクとワイヤレス
上記までのテーマはともかく、コレは「キタキタ!」という感じでしょう。
ベルのところにクリップで止めたりする、小型のマイクです。
録音ならいざ知らず、サックス吹きでスタンド用のマイクをわざわざ買う人はアマチュアでは少ないでしょうからね。
コレは演奏に夢中になってマイクから外れるようなことは無いですから、非常にありがたいモノです。
どんな製品でも小型で性能が完璧ならば、大きなマイクはいらないワケなので、それなりに性能に妥協というものがありますね。
ただ、レコーディングではなく、ステージではPAの能力に大きく左右されるワケでして、細かい性能よりも
「歪まない」「ハウらない」「丈夫である」というファクターがより重要なような気がします。
ワイヤレスに関してはサックス奏者は100パーセント、クリップタイプのマイクを使用しますので、
まずは有線タイプの紹介から・・・・
<AKG C419>ボディパック込みで2〜3万円くらい
クリップタイプとしては結構歴史があって、有名楽器店にも良く置いてある定番のマイク。
そのおかげもあって、アマチュアでも使っている人を見かけます。
電池が必要で、タバコ箱大のボディパックをベルトなんかに付けたりします。
割と安価なので、とりあえずの人向けでしょうか?
プロでは最近はあんまり使ってる人は見無いですね。
最近C519にモデルチェンジしたので、良くなっているかもしれません。
ejiお気に入り度★★★★
<オーディオテクニカ>
最近多いですね、このマイク。
SAMSONとかレキサーのワイヤレス用のマイクとしても使われているので、プロでも使用されることがありますね。
かくゆうワタシもワイヤレスの時はこのマイクです。
音は素直なサラっとした音といいますか・・・
いやクセがなくて結構いいと思いますよ。ちょっと細くパンチの無い音になりがちですが、
そんなに問題になる程ではないと思います。
高音がキツくなくて耳優しい音なので、バラードなんかは案外良い感じです。
ゴリゴリの曲になると57の方が芯があるますね、バラードだと逆にちょっとキツめですが。
タワーオブパワーもドイツでのライブのDVDで使ってましたが、ちょっとパンチないですね。
マイクのせいばかりとは言えないでしょうが・・・
ejiお気に入り度★★★★
<RAMSA>
現在はラムサのクリップマイクは無いんじゃなんですかね?
ワタシは20年前くらいから10年間くらい使っておりました。
昔はこれくらいしか無かったんですよね〜。
3〜4万円ほどしたんじゃないでしょうか?高かったですね。
まぁRAMSAは業務用というだけあって、非常に丈夫ではありました。
日野皓正さんも昔、使用されてましたね。
ejiお気に入り度★★★
<SD-SYSTEM>5〜6万円くらい
そうそう!コレコレ(笑)
デビッドサンボーンが使ってるヤツです。
なんともナチュラルなハイファイな音です。(ブルーノートで聞きましたが・・・)
クリップ=音は妥協・・・・から抜け出した、最初のマイクじゃないでしょうか?
サンボーン氏はマイクヘッドを同社のワンランク上のSTM-99に替えているようです。(プラス10万以上!)
ジョシュアレッドマンも東京JAZZで使ってましたね。(ワイヤレス仕様でしたが・・・・)
高いですが、レコーディング用のコンデンサマイクに迫る音質で、現時点ではクリップ式の最高峰でしょう。
アマチュアでここまで必要か?と思う程です。(必要ないでしょうね〜大方の場合)
独自の取り付け方式にも、キーノイズの軽減など利点があります。
筆者的にはソプラノに使用する事を考えると、一般的なクリップ式の方が使い良いような気がします。
サンボーン氏はステージ上の譜面台にこのマイクを置いており、
登場するとすかさず取り付けていました。ほんの5秒くらいですから、取り付けは簡単みたいです。
(電池ボックスなどは床に置いているようです)
ちなみにウエインショーターがソプラノで使っている、二ケ所で録るタイプのものも
ここのメーカーのもので、さらに高価です。
ウエインはセッションやエレクトリックのバンドの時はSD-SYSTEMを、
アクースティックジャズの時は音質重視で、スタンドに立てたコンデンサマイクを使ってるようです。
<AMT>
写真のモデルはサムソンの小型ワイヤレストランスミッターが付いてるヤツですが、
これは2006年に来日したソニーロリンズが使用していたモデルです。
ジャズ系を中心に使用の輪が広がってきてますが、まだ未知数です。
ちなみに、ジョーロバーノ、デイブリーブマン、トムスコット、アンディスニッツァー
などが愛用しているようです。
日本ではまだ販売店も無く、アメリカでもワイヤードで400ドル、ワイヤレスで650ドル程度で売られてて、
SD-SYSTEMと同じくらいの価格帯になってます。
まあこれからってトコじゃないでしょうか?
<Shure BETA98>
ステージでは定番メーカーのシュアーですが、ピックアップタイプのマイクは最近までありませんでした。
左のBETA98Sはマイクのみで、別売のクリップを使用する事で、サックスにも使用できます。
ドラムなんかにも使える汎用の仕様になってるんですね。
右のタイプは管楽器専用で、ワイヤレスなんかにも発展できるタイプです。
発売されてまだ間がないためか、まだあまり使用されているのを見た事がありません。
筆者は今、左のBETA98Sを狙ってますが、これはフュージョンバンドでの使用を考えてます。
ジャズではほとんどノーマイクだし、ロックバンドはステージング優先で、サムソンのワイヤレスで十分。
狭いクラブで演奏する時も、PAがプアだし、狭くてマイクスタンドを立てられないので、ワイヤレスを使ってます。
問題はフュージョンバンドの時で、ステージを降りて場内を駆け回るようなアクションはないけれど(笑)
用意されるスタンドマイクではちゃんと中心でマイクを捕らえないとゲインが落ちるので、
そのへんが非常に気になって演奏に集中できないのです。
前回ワイヤレスを使った時は、音の良いPAだったのにサックスが若干細く軽く感じられたし、
なによりワイヤレスの必要性が全然無かったからです!
困るのが楽器屋に置いて無い事で、実物すら見た事がありません。
なぜ管楽器用のBETA98H/Cを使わないのか?というと、電池切れがないからです。(笑)
ファントム電源が必要ですが、ライブの場合はPA卓から送ってもらえますし、
最近はスタジオのミキサーもファントム電源をおくれるやつが大半です。
2008年12月
購入して、使用し始めてから一年くらいたちました。
意外だったのはPAさんからの評判が良いことです。音が作り易いとのこと。
BETA98はドラム用で使うことが多くて、管楽器では珍しいとのこと。
同時にシュアーの管楽器用クリップを購入しましたが、これがいけない。
ネジ締め式なので、アルト〜テナーなど付け替えする際に非常に時間がかかる。
ライブで頻繁に付け替えしたので、親指の皮がめくれてしまいました。
仕方が無いので、オーディオテクニカのクリップのみを購入して使用してます。
ベルに近くて、キーノイズも拾い易い欠点がありますが、非常に付け替えはラクです。
全体的には今の所ベストなマイクですね。
ejiお気に入り度★★★★☆
<Sennheiser e908>
コレはまだよく判りません。どうなんでしょうね〜?
クラス的にはAKGのC419とかShureのBETA98HCなんかのライバルだと思います。