Gottsu SepiaTone Alto

Gottsuアルト セピアトーン

with BGM (Slow)

with BGM (Funk)

http://www.bamboomouthpiece.com/

やってくれましたゴッツさん!!なんと今度はラバーです。。。。”SepiaTone”(セピアトーン)という名前が示すように、ビンテージサウンドを非常に意識したモデルに仕上がっている。

アルトで”ビンテージ”と言えばやはりNYマイヤーを筆頭に、ブリルハート、MCグレゴリー、セルマーソロイストなどが思い浮かぶが、近年はマイヤーなど特定のモデルを完全に模倣したものが大はやりで、若干食傷気味なのは否めないし、NYマイヤーやその他のビンテージは、形を模倣しても音や反応は決して同じにはならないところにジレンマを感じるものであった。

そこでこの”セピアトーン”であるが、どこかのビンテージブランドの完全コピーでは無いように感じる。強いて言えば「ネオビンテージ」とでも言えば良いのか、「現代的なパキパキの音では無く、バズノイズたっぷりのジャジーで懐かしい音で、ビンテージの出来の良いマウスピースのように軽くスムーズに息が入り、なおかつブローしても息が詰まらない」所に主眼が置かれているような気がする。

誰しも初心者の頃から使っている量産品のマウスピースから、初めてビンテージのいいマウスピースを付けて吹いてみた時の感動は忘れられないと思う。もちろん初めのうちは「ああキャノンボールの音がするなぁ」とか「パーカーの音だ!」とか思ったりもするが、ちょっと吹いていると「吹いててなんて気持ちがいいんだろう・・・」というのが気持ちの大半を締めてくる。そのへんの「ビンテージさ」を表現したのが今度の新作「セピアトーン」ではないかというのが、まず先入観無しに筆者の感じる所であった。

さて、外観はゴッツさんトレードマークのショートバッフルのデザインで、金色の刻印があしらわれていて、どことなく古いオットリンクを思わせる。

素材の表面はザラっとしており、角の丸い音を連想させる。チャンバーのデザインはマイヤーの雰囲気もあるが、ソロイスト的な円形スロートにも見える。テーブル、レールはゴッツさんの確かな技術で完璧に仕上げられており、素晴らしいものだ。

言い忘れたが、最大の特徴とも言えるのが今回の素材だ。「なんだ、ただのハードラバーじゃないのか?」と訝しがる貴兄もいるかとは思うが、「エボナイト」や「ハードラバー」とは違って、なんと「シリコンゴム」なのである!多分業界初の素材であろう。

一般的にハードラバーはゴムを硬化させるのに硫黄を使用している。硫黄単体には毒性があると言う訳では無いのだろうが、ゴッツさんの話によれば削る時にガスが発生して非常に「臭い」そうである。また、常時微量のガスを発生しているため、銀メッキの楽器やキーが銀メッキであるクラリネットなどのケースにラバーのマウスピースを入れっぱなしにして、銀メッキを盛大に黒化させてしまった方もいると思う。少なくとも「シリコンゴム」は匂いや、銀の腐食に気を使わなくてすむ。(もちろん空気中にも硫化水素が存在するので、ただ置いていても黒化はしますが・・)

さて、肝心のサウンドだが、まずはスゴいバズノイズで全域に渡ってサブトーン気味なジャジーサウンドであるのだが、全然と言っていいほど変な抵抗感が無く、スムーズに吹ける。最初の印象ではややソロイスト的なイメージかな?とも感じたが、マイヤーのようにファットに”ブリッ”とも吹ける。マイヤーよりは抜けのいいサウンドだが、素材のせいかパワフルに吹いても、耳なじみがいい。ジョディのHR*にも似ている部分はあるが、全体的に音色はマイルドである。フェイシングは若干長めで、息は多く入る。

抵抗感も軽いので、マーク6やビンテージ系サックスだけではなく、それこそネオビンテージのアルト(リファレンスやキャノンボール、カドソンやYAS-82など)に合わせて「ビンテージ感」を楽しむのも現代的で良いと思う。現代のマウスピースだけあってフラジオ域であっても、アタリが良く抜けてくれる。

パワー感バリバリ!という類いのマウスピースでは無いが、そこはゴッツさんのマウスピース。しょぼしょぼ吹くだけではなく、バリバリのパワーでもストレス無く吹く事も出来る。筆者のイメージだとケニーギャレットか?音色はハスキーでダーク&ウォームなのに、吹奏感にクセが無いので、幅広い音楽ジャンルで使用できると思う。

”ソロイスト”という名前を数回挙げているので、「音が細めなのでは?」と思う人もいるかも知れないが、マイヤーと変わらぬくらい太い音である。低音の倍音も相当出ているようなので、アコースティックでは非常に気持ち良い音だ。エレクトリックでも十分なヌケのマウスピースであるが、筆者的にはメタルが必要な場面が多いので、さすがにそこまで使おうとは思わない。

好き嫌いが多少出るであろう竹素材のマウスピースに比べれば、非常にオーソドックに使えるいいマウスピースを作ってくれたなぁ、と素直にうれしく思う。

<2010年4月>

お問い合わせはhttp://www.bamboomouthpiece.com/まで

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name : Altoraneさん
saxophone : alto
career :10年以上

impression :

その通りだと思います。自分も通販で試奏もしないで購入した初め
てのマッピです。中学高校の頃はセルマーで85年頃からずっとメイヤーMMであまり
マッピは気にしないで、本体ばかり買い換えていて、2年ほど前JodyJazz HR*5を購
入した時目から鱗が落ちましたがそれにもまして今年の8月頃Sepiaを周りの評判
を聞きつけて試しに購入したところ、おっしゃるとおり音が云々より「吹いてて
なんて気持ちがいいんだろう・・・」と、時の経つのを忘れさせてくれるマウスピー
スです。
ハードラバーのメインになっています。


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筆者とは違う視点の方も多いと思います。広く意見をお寄せください

< Gottsu Sepia Tone> size(opening&facing・・・)

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sopranoalto tenor bari

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1年未満2〜5年5〜10年10年以上

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