Gottsu Bamboo Mouthpiece(Menou)

Gottsuアルト 瑪瑙

with BGM (Slow)

with BGM (Fast)

http://www.bamboomouthpiece.com/

Gottsuさんからまたもや新しい竹製マウスピースのサンプルが届いた。Gottsuさんは最近ビンテージマウスピースのリフェイスをすることが多く、作業でマウスピースにに触れることで、改めてビンテージの素晴らしさに気付かれたということだ。独特な竹の鳴りに、ビンテージのエッセンスが投入されるとどうなるのだろうか・・・・?楽しみである。

外観から行くと、今までの竹マウスピースよりは竹の使用量が減って、バレルからシャンクの一部のみになっている。レールからサイドウォール、バッフルにかけての部分は完全に樹脂である。節をシャンクに使った前回のモデルに比べるとちょっとあっさりした外観になっている。

さて、息を入れてみると思ったよりも反応が軽い。バズノイズも良い感じで乗っていて、焼きや煤竹モデルよりはクセの無い印象を受ける。マイヤーみたいなハードラバーマウスピースに比べると、若干硬いかな?という第一印象だ。もちろんメタルのようなハードな印象では無い。よりライトでジャジーなサウンドでビンテージサウンドを研究した成果が伺える。ビンテージに対する印象と言うものは人によって差があると思うが、Gottsuさんの解釈は筆者には非常に共感するものがある。そもそも素材が全く違う「竹」にビンテージの要素を盛り込む訳だから、全く同じ物を作ろうとしている訳ではない。主に「ストレスの無い吹奏感」とか「反応の早さ」、「息使いを感じるハスキーさ」を従来の竹のマウスピースにプラスした感じに仕上がっている。煤竹なんかの「メタルに匹敵するパワー感」と「絶対的なボリューム」「音の太さ」はいくらか減少しているが、エッジがあるぶんキレが増している印象だ。

相変わらず、楽器が「良く鳴る」ので、ファンキーなプレイでもゴキゲンに(古い?)吹けるので、メタルを必要とするようなエレクトリックなバンドでもかなり相性よく使えると思う。筆者はデュコフを使っていた女性ボーカルのバンドで使用してみたが、サウンドもエッジが効いてて埋もれないし、コントロールは苦行?のデュコフと比べると天国のようにラクだし、ラバーのマウスピースで出せるニュアンスがそのまま出せるので、ジャズのバラードっぽい場面でもすんなりハマる。ジャズ〜ライトロック(AOR)くらいのサウンドで広範囲に使えそうなマウスピースである。

いまさら言うまでもないが、仕上げや精度は非常に良く、フラジオのコントロール、出易さはビンテージを凌ぐ出来栄で現代的マウスピースの美点になっている。「竹」の世界の入り口として、違和感が少なく、すでに竹のマウスピースを使用している人にも、魅力的なバリエーションになっていると思う。メイヤーではちょっとパワー不足だけどメタルまではちょっと・・・という方に。よりパワーともっと太さを求める方は「煤竹」を・・・・

<2008年12月>


Gottsu Bamboo Mouthpiece(煤)

Gottsuアルト煤竹

with BGM


http://www.bamboomouthpiece.com/

Gottsuさんから全く新しい竹製マウスピースのサンプルが届いた。煤竹を使った2ndモデルである。今までのものと異なるのは、節がシャンクの部分に来ていることで、より「竹」を強調したデザインになっていることと、コーティングの樹脂の厚みを増したため、一般的なラバー用のリガチャーが使用可能になっていることである。

さて、大き変わったデザインは好みもあるとは思うが、インパクトと言う点では成功していて、シャンクの終わりに「ふし」が来るため、他では全くあり得ない、竹ならではの風合いを出すことに成功している。好むと好まざるに関わらず、プレイヤーから注目を浴びるのは必至だろう。また、肝心の仕上げは非常に美しく、工芸品のレベルに十分達していると思う。

サウンドは一言で言えば「ふくよか」で非常に太いサウンドだ。音量もかなり出るのだが、ラバー的な「軽さ」とも違うし、メタル的な「鋭さ」とも違うなんとも形容しがたい響きを持っている。ジャズプレイヤーにとってはバズノイズというか、サブトーンの割り合いが気になるところだとは思うが、そこはGottsuさんがジャズプレイヤーでもあるため、そういうジャジーな味付けは忘れていない。当然ビバップに使ってもなんの違和感も無い。

アコースティックなバンドにこそうってつけのサウンドだと筆者は思うが、エレクトリックでもサウンドが負けるわけでない。

最近懐かしのフュージョンを演奏する機会があって、(スパイロジャイラや渡辺貞夫など・・・)使用するマウスピースを選んだのだが、やはり定番のマイヤー、筆者のお気に入りのトナレックス、ちょっと鋭めのランバーソン、それからこの煤竹が候補に残った。

マイヤーはなるほどの音色なのだが、高域がちょっと細く、トナレックスは吹きやすいものの、フラジオに物足りなさを感じて今回はパス。ランバーソンはこれはこれでいいのだが、もう少し柔らかが欲しいという感もあり、結局この煤竹に落ち着いた。

一般的なラバーよりも結構エッジがあってマイク乗りも良く、フュージョンくらいのエレクトリックでも全然音負けしないことが良く分かった。リードやリガチヤーのセッティングに少し時間がかかったが、決まってからは非常に吹きやすい状態が続いている。結構硬めのリードでも軽く鳴らせてしまうのだ。

ラバーのサウンドでもっとバリバリ吹きたいが、音量は欲しいけど音質はあまり硬くしたくないし、メタルはいやだという人には最適で、音程はとりやすく、非常に良くできたマウスピースで、全然奇をてらったモノで無いことだけはハッキリ言っておきたいと思う。どちらかというとパワーブロウタイプのプレイヤーには好まれるタイプだと思う。

弱々しくサックスを鳴らすタイプのプレイヤーには「何がいいの?」と思われるかもしれないが、そういう人はマイヤーくらいまでで留めておけばよいだろう。逆に「とにかく攻撃的なパワーを・・・」となればレイキーかはたまたメタルに行かれてもよいと思う。

柔らかさも持っていて、パワーや若干の下品さまで出せるとなると、他にはなかなか無いもので、微妙なサジ加減というか、「Gottsuさんなかなか良い趣味してるな・・・・」などと筆者は感じてしまうのである。ピアニッシモでは若干コントロールの柔軟性が無い感じがするのだが、これは中〜大音量ではリードが軽く感じてしまうため、硬めのリードをつけてしまうせいかもしれない。

サウンドにメタルのような分かりやすい個性は無いため、ちょっとの試奏で「良い!」とは感じにくいかもしれないが、様々なシチュエーションで吹く度に良さがじわじわと認識できてくる、「スルメ」のようなマウスピースだ(煤竹は色もちょっとスルメっぽい?)

ビンテージのマウスピースほど「ドライ」さを追求するのではなく、ウエットな色気もあってそこが良い。ルックスからもサウンドからも「日本」を感じさせる、超個性的なマウスピースの誕生である。

<2007年5月>

Conn6Mに煤竹。う〜ん風流だ・・・


Gottsu Bamboo Mouthpiece(1st Ver.)

Gottsu 竹製マウスピース(スタンダード)初期型

http://www.bamboomouthpiece.com/

(with BGM)

※2006/12現在このタイプは生産しておらず、すべて新型に移行しています。

かなり斬新なコンセプトのマウスピースが日本から登場した。Gottsuさんのハンドメイドによる「竹」製のマウスピースである。今までも木製の素材を使った物はポマリコやフィルバロン、その他に見られたが、黒檀など硬く重い木を用いる事が多かったように思う。「竹」という軽量で一見柔らかそうな素材を特殊樹脂と一体化させる事で、耐久性と竹の倍音の豊かさを両立させた所にこのマウスピースのすばらしいオリジナリティがあると思う。まず手にして感じるのは重量の軽さと、仕上げの美しさだ。尺八や横笛など古来日本の楽器によく使われてきた「竹」という素材だけあって、楽器に用いた場合の響きが期待できる。またフォルムが細みの筒状で、メタルのビーチラーのような形状なのもシンプルかつスタイリシュだ。海外のミュージシャンが見たらさぞビックリすると思う。サックスに装着してみるとナチュラルな竹の色目が今までに無い雰囲気で、かなり面白い。リガチャーはロブナーなどのメタル用も使えるが、振動効率を考えると、Gottsuさんのページでもセットで売っている当ページでもお馴染みのバネ式Tリガチャがベストだろう。筆者は竹マウスピース用Tリガチャを所有してなかったので、ロブナーの皮リガチャで試奏することにした。マウスピースを裏返すとマウスピースが完全な筒状であるため、リードに接するテーブル面が円錐状になり、リードの全ての面が接するわけでは無いが、完全に密着しない方がリードの振動に良い場合もあり、これはマイナス面とはなり得ないように思う。バッフル部分が透明に見えるのは、筒状の竹をカットしたものがベースになっているため、この部分は樹脂で出来ているからである。さて、試奏した第一印象は、思ったよりシャープでパワフルな音質で、メタル的な鳴り方をするのが意外であったが、これはスムースジャズ的なサウンドでプレイするGottsuさんの好みに合わせたものらしく、木製=マイルドでない所にもこのマウスピースの面白さがあるし、筆者も大好きなスタイルのサウンドである。特にピアニシモの音色がまろやかで、吹き込んでいくとシャープになっていく所などは非常に独特で、今まで味わった事の無い反応である。全体のサウンドはダークとかマイルドとか言うより、やんちゃで荒い面が大きいのに、素材によるものなのか、耳にはきつく感じさせない。なんとも不思議なマウスピースである。若干ハイバッフルなマウスピースであるため、リードはラヴォーズなどの元気に鳴る物がマッチするように思われた。またリード選びやセッティングは比較的慎重にやった方が良い結果が得られると思う。全体にコントロールし易く、フラジオもストレスなく出せる。サウンドは軽めになる傾向なので、ディープな音色を求める向きには適さないと思うが、今まで存在しなかったタイプだけに逆に「コレだ!」とハマる方もいるかもしれない。ネットでの販売が主なのが惜しい面もあり、是非試奏できる環境があれば・・・と願わざるを得ない。

なおシリーズとして焼きを入れて、乾いた音色にしたモデルや貴重な「煤竹」を使ったモデルもあるようなので、機会があれば試してみたいと思う。

2006/04/11

狭いテーブルなのでリードセッティングは慎重に。

全体に美しい仕上げ。口当たりもコンパクトで優しい。

お問い合わせはhttp://www.bamboomouthpiece.com/まで

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