2005年01月13日
“謹賀新年 2005”

遅ればせながらの新年のご挨拶です。なにかここ数年、新年というのがピンとこなくて困ります。年をとったのですかねぇ?昨年もたくさんのコンサートがあり、いろいろな人に出会った1年でしたが、今年はどうなりますかねぇ?日本に戻ってきて演奏活動を始めて15年くらい経つのですが、今までは頼まれる演奏会やオーケストラ、録音の仕事に追われて時が過ぎていってたというのが正直な実感です。もちろんそれは本当にありがたいことだし、僕の生活の基盤なのですが、今考えていることは、たまに小さいものでいいので、自分で企画してあまりたくさんでないお客さんと直接交流していきたいなと思っています。まあ非常に効率の悪い原始的なやりかたかもしれませんが、こういう時代錯誤のアナログのやりかたが本当はみんな心地いいのでは?と思うときがあるのです。そもそもマツとかえでの木でできた本体に羊の腸を張り、馬のしっぽで擦って音をだすという弦楽器の成り立ちそのものが信じられないくらいアナログであり、そんな楽器の音を愛してくれるお客さんがたくさんいるということは、この世の中のあまりのデジタル化に違和感がある人が結構いるということだと思います。そういいながらこの原稿をパソコンで書いている自分自身は一体??という矛盾もあるのですが。

今年のおもしろそうな予定としては、4月に六本木の俳優座という所で木山事務所という演劇界では名の知れた団体の公演に俳優として(?)出るというのがあります。一体全体なんでそんなことになるのか不思議に思う方もいらっしゃるでしょうが、実はこの演劇の題材自体が、僕の妻が彼女自身の体験を書いた小冊子がベースとなっており、もちろんある程度フィクション化されているわけですが、僕自身の役というのがあるわけなのです。そして演出家の方が演劇全体の音楽をチェロの生演奏を中心に入れていきたいという意向がありましたので、僕は生徒さんの誰かを推薦するつもりでいたのですが、事務所の方が昨年の僕のリサイタルを聴きに(見に?)いらして、思いがけないことに、

「三宅さんご自身でやられたらいかがですか?」

という提案をなさったのです。寝耳に水とはまさにこのことかという感じで、しばらく迷ったのですが、堤剛先生から、やったらいいのでは?というアドヴァイスをいただいたのと、僕の妻の役をやる主演女優があの若村麻由美さん!(僕は「白い巨塔」にはまっていました)ということで、やらせていただくことになったのです。

お引き受けしたのにはもうひとつ理由があって(この話は家族にはなにかというと言っているので、もういい加減にしろというかんじで嫌がられている)、実は今から20年ほど前、桐朋の学生時代に映画の主演をやらないかという話があったのです(ああ、また始めてしまった。これを読むときの妻の呆れ顔が目にうかぶのですが、一度始めたらもう止まれない!)。映画といっても、一般の劇場で公開するようなものではなく、たしか東京都の同和問題の映画かなにかで、題名が「白鳥」?主人公の音大を目指す少年が差別と闘いながら音楽の道をすすみ、ラストシーンでは噴水の前で白鳥を弾くとかいうクサくて倒れそうな内容でした。主人公のお母さん役が小川真由美さんでした。その映画の中で主人公の先生で実名で出られていたのが、当時の桐朋のチェロ科教授、井上頼豊先生だったのですが、その先生がじきじきに、こういう映画があるからオーディションを受けに行きなさい、と僕におっしゃったのです。俳優さんなどに混じって、映画会社(東映か東宝だったと思います)に出かけた僕は、台本を渡されてせりふを読み、あろうことか監督さんに気に入られてしまい、この役をやらないかという話になったのです(ちょっとうっすら自慢が入ってますねぇ。わかっちゃいるけど、一度始めたらもう止まれない!!)。ところがロケの期間が桐朋の後期の実技試験と重なっていたのです。当時まじめだった僕は、この試験を追試にできるかどうか教務課にかけあったのですが、追試にした場合に成績が下がることになると言われ、今考えれば、ていよく丸め込まれたのですが、泣く泣く映画デビューをあきらめたのです。もしやっていたとしても、その後の人生が変わるとかそういうことは全くなかったのに違いないのですが、もしかしたら世界の広がりがあったかな?とずっと残念に思ってきたのです。そんな想いが今回出演を決める動機にもなりました。新しい世界に触れることができるのを楽しみにしています。みなさま、よろしかったら観にいらしてください。期日は4月13日から17日までです。詳細はチラシを当HPのどこかに見れるようにしておきますので、よろしくお願いします。

おっ?いま気がついたけれど、若村麻由美さんと小川真由美さん、「まゆみ」つながり!いかんいかん、今年はこのダジャレ癖を克服しなければ。。。

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