2004年02月17日
“テレビドラマと音楽?”

仕事が立て込んでエッセイの更新が遅くなってしまいました。これから春に向けて当HPの 魅力アップに努めますのでよろしくどうぞ!

最近珍しくテレビドラマにはまっています。新聞でも視聴率は常に第1位、その番組の名前はいわずと 知れた「白い巨塔」です。

前回一生懸命に見た番組は10年以上前の「101回目のプロポーズ」。メインテーマのチェロソロを 弾いていた関係で見るようになり、毎週欠かさず見ていました。今回は特に音楽に関わっているわけでは ありませんが、妻の熱心な薦めに折れて試しに一度見てみたところすっかり面白くなってしまいました。

僕の仕事というものがどうしても夜中心のせいもあり、毎週同じ時間にテレビの前に座るという行為が とても難しいのですが、今回はがんばっています。2月は旅行が多く、音楽会が終わったあとは地方の それぞれの街の赤提灯でうまい酒を飲むというのがひとつの恒例行事、いやもっというと生活の一部 だったのですが、「白い巨塔」の放映日の木曜日はまったくの例外です。本番が終わって楽屋で とにかく燕尾服やシャツ、蝶ネクタイに靴といった仕事着をかばんに放り込み、「おつかれさまー!」 あまりの素早さに周りから冷やかしと疑いの視線。「あれー馬鹿に早いな、彼女でも待っているんじゃ ないの??」そんな外野の声には一切耳を貸さず、ホテルに走って帰り、どこにも出かけず缶ビール片手に テレビに釘付けです。ひたすら集中するために番組が始まる前にトイレにも行っておき、携帯電話の 電源も切っておくという念のいれようです。これを読んでいる皆さん、木曜日の22時から23時は 電話をお控えくださるようお願いいたします。(かなり本気です。)

「白い巨塔」のどこが面白いかということについてはいろいろ意見があるかと思いますが、これが リメークの作品であることは皆さんご存知かと思います。20年前の作品ではいわずと知れた名優、 田宮二郎氏が天才外科医の役を演じていたわけですが、実は僕は見たことがなく、近所のビデオ屋さんに 出かけてDVDを借りてきました。わくわくして見始めたのですが、(あれーちょっと違うぞ?)という 感じになってしまいました。いや、もちろん田宮二郎は素晴らしいですよ、唐沢寿明の誇張しすぎた わざとらしい演技とは格が違います。しかしながら僕が違和感を持ったのは全体のテンポ、音楽の 使い方です。特にテンポののんびりしたことには驚きました。もちろんそのぶん、ひとつひとつの 台詞に味わいがあるとも言えるのですが、悪く言うと間延びしており緊張感がなく、出来のあまり よくない昼メロを見ているような気分になりました。結局借りてきた第1巻のみで、その先を 借りようという気にはなりませんでした。

さて、これらのことを僕は(これってクラシック音楽に似ていないか?)と思ったのです。 「白い巨塔」の場合は山崎豊子さんのすばらしい原作をもとにドラマを作る、僕らの場合は ベートーヴェンの偉大なスコアをもとに音楽を舞台上で再現する。このふたつは多くの共通点があると 思うのです。解釈の仕方でまったく感じが変わってしまうということはもちろんですが、 たかが数十年で人間の心地良い、あるいは面白みを感じる表現というのが大きく変化するということに 僕は驚きました。一体200年前のベートーヴェンの生きていた時代の人々と現代の我々の感性に、 どれだけ大きな隔たりがあるのでしょうか?もちろん彼のすばらしい音楽は現代でも光り輝く 金字塔であることは疑う余地もありませんが、今はやりのピリオド楽器という当時の奏法、当時の楽器で 演奏するやり方ってどうなんだろう?と考え込んでしまった僕でした。

とにかく、財前がどんどん権力の座につくと共に志を見失いそうになるさまが面白いんだよね。 僕には関係のない世界でござんす。

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