2004年01月27日
“チェロと車と私”

今回は僕の新しいチェロのことを書きましょう。

楽器は本当に大事なものなのですよ。なにせ僕が音楽家の端くれとしていられるのもチェロあってこそ。 僕が無理やり指揮をしたり、あるいはオペラ歌手のように歌ったところで職業として成り立つかどうかは 疑問です(というか無理です)。心の中に鳴り響いている音楽を現実に皆さんの前に現してくれる 魔法の道具なのです。

それじゃあとにかく最上の道具さえ買えばいいのかというとそんなに簡単であるわけもなく、なにせ 技術のレベルにあったものでないと逆に困ったことになります。刃物に初めて触る人が職人さんの 使うような繊細なノミを使ったら、あるいは初心者マークのドライバーがF1カーのコックピットに 座ってしまったら、といったことを想像していただけるとおおよその見当はつくかと思います。 ですからヴァイオリンを名器に換えると必ず音がよくなるというわけではないのです。僕の場合も 楽器遍歴を経てここに一応たどり着いたというかんじです。

今まで使っていた Platner という楽器がそんなに良くなかったのかとか人に換えろと言われたのか というと、それはむしろ逆で、あの楽器はたくさんの共演したアーチストやお客さんから「本当に 素晴らしい音ですね」と賞賛を浴びてきたチェロなのです。ただ僕はよりソロの表現に向いた方向の ものを探していたところにちょうど出物があったのです。

このたび手に入れたチェロは Joseph D' Alaglio 1790(スペルはいろいろ諸説あるようですが 鑑定書に従いました)。Mantua という北イタリアの街でできたものです。有名なストラディバリや アマティの活躍した Cremona から車で1時間ほどの場所のようです。スタイルとしては同じ街の先輩、 Pietro Guaruneri の影響が強いようです。音が非常に濃くて、発音が早くソリスティックな表現に 長けています。これからはしばらく?使いますので、皆さん音楽会で僕を見かけたら(ああ、あれが 新しいチェロのダラリオ君か!)と注目してやってください。

ところで私の妻がよく嘆くことには、「楽器を買ったと思ったら次は弓、それがすんだら車!そして また楽器!このサイクルは一体いつ終わるの?」

御安心ください、もう大丈夫。なんといっても今回は同時進行だから?!といったわけで車も 換えてしまいました。前に乗っていた大きいトヨタを免停期間中にフルーティストの友人に貸していたら すっかり気に入ってしまい、そのまま譲ってしまいました。そしてかわりにスバルのSVXという 知る人ぞ知る名車に乗ることにしました。この話はまた次回!皆さん風邪に気をつけてくださいね。

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