2002年10月18日
“付属品;エンドピン”

楽器の付属品として、手軽に交換できて楽器の音の変化を実感できるものの代表は エンドピンでしょう。このエンドピンというものはデュポールという人が考案したと ものの本で読んだ記憶があります。当時の形状についてはくわしくありませんが、 周囲のベテランのチェロ弾きに聞くと、木でできたものを楽器本体にねじって取り付ける タイプが音がよかったということです。

僕が楽器を弾き始めたころは中が空洞になっているパイプ状のものが多かった気がします。 その後、大学のころに周囲の仲間や先輩にエンドピンでずいぶん音が違うんだぞと吹き込まれ、 学生の身分でお金もないものですから、東急ハンズにでかけて太さが合う金属の棒を何種類か買って、 その場で旋盤で加工してもらって試したものです。大学生とはいいながら金属のことなど 何もわからず、ただ闇雲に買ってきたものですから、ずいぶん余計なものも買ってしまい、 高いものにつきました。一番だめだったのはアルミニウムで、チェロに取り付けた瞬間にグニャと 曲がってしまいました(当たり前です)。

その後、その経験に懲りてしばらく普通の軟鉄のものを使っていたのですが、ある楽器やさんで スーパーメリットなるエンドピンが売り出されちょっとしたブームになりました。 当時の値段で4−5万円という高価なものでしたが、頑張って買いました。 このピンはとても重いのが特徴で音がはっきりする感じがしましたが、何年か前に生徒が おもしろがって持っていったきりです。(某有名ヴァイオリニストの弟S君、きみのことだよ!)

現在僕の周囲でわりと使われているものは、ごく普通の軟鉄、カーボン(黒くて太いのですぐわかる)、 チタン、真鍮とチタンの混ぜたものなどです。ちなみに僕自身はステンレスのものを愛用しています。

エンドピンが本番前に出てこなくなって仕方なくバロックチェロのように足に挟んで弾いている うちに顔色が悪くなった某N響のMさんや、ソフトケースのチェロケースを抱えてトイレに入り、 用が終わって下をみたらエンドピンが楽器から抜け落ちて便器にささっていた スタジオミュージシャンの神様Yさんなど、けっこうトラブルもあるようですよ。

たくさんのエンドピンを並べてとっかえひっかえして、こちらのほうが発音がいいとか、 重厚感があるだのやっていると、ピアニストの妻がやってきて「練習すれば?」と一言。 他のテールピースなどの付属品もそうですが、こういう道具にこだわるのはどうも男が多いようで。 それでも懲りない僕は、今は楽器に取り付けておける皮の弱音器を最近購入し、 これがいかにいいか人に自慢してまわっている日々です。

次回からは音楽家につきものの旅にまつわる話を書いていこう思います。

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