今日の一言 その21(11/22)

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本日のお題

大分市営の悲劇 〜運命のJ2最終節〜

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忙しかったのとイマイチ書きたいネタがなかったっつーので2ヶ月ぐらいお休みしてましたが、
これは書かんといかんだろというネタが出てきたんで今日は久々に更新します。

さて、浦和と市原のJ1残留争いが熾烈を極めてますが、落ちるチームがあれば当然上がってくるチームもいるわけで
すでに去年博多の森で悔し涙を流した川崎フロンターレがJ2優勝と来季1部昇格を決めていて
残る一つの昇格のイスをかけて大分トリニータとFC東京の激しい争いになってたわけです。

FC東京といえば数年前の東京ガス時代に天皇杯でベスト4まで勝ち上がって旋風を巻き起こして一躍脚光を浴び
今年はカップ戦でやはり準決勝まで勝ち進むなど「大物食い」「影の実力者」として知られていて、
実際今年のJ2のリーグ戦も中盤まで3位以下を大きく引き離して川崎Fと首位争いを演じ、
「昇格はこの2チームで決まり。あとはどっちが1位でどっちが2位かだけ」だと誰もが思ってました。

しかしカップ戦を勝ち進んだことで逆に試合日程が過密になってチームの調子は下降線をたどり、
さらにそれにエース・アマラオの負傷が追い討ちをかけ、泥沼の4連敗を喫して一気に雲行きが怪しくなってきました。

その間に猛追を見せたのが3位の大分トリニータ。一気に得点王争いに名乗りをあげた神野、ウィルらを中心に
ものすごい追い上げを見せ、ついに前節FC東京を勝ち点で1上回って2位に浮上。
J1昇格争いは全試合午後1時キックオフの最終節までもつれこむことになりました。

…その運命のJ2最終節、大分はホームの大分市営陸上競技場でモンテディオ山形と対戦。
一方3位転落で自力での1部昇格がなくなった東京は今季3戦3敗のうえに1点もとれてない
大の苦手のアルビレックス新潟と、しかもアウェーの新潟市陸上競技場での試合。
しかしとにかく90分以内で勝って勝ち点3をとらなければ昇格が絶望となる東京の執念はすさまじく、
前半加賀見のゴールであげた1点を必死で守り抜いて1-0で辛勝。1部昇格に望みをつないだ。

とにかく勝ちさえすればいい2位の大分は前半こそ0-0で折り返したものの後半にウィルが押し込んで先制。
そしてそのまま時間は着々と過ぎてゆく。大分市営の時計はすでに45分を回っていた。
もうすぐそこまでJ1が見えている…がここで無情にも山形ボールのフリーキックが直接大分ゴールのネットを揺らした。
思わずその場に座り込む大分のDF。試合は延長戦へともつれこんだ。

大分が延長にもつれこんだという情報は新潟で試合を終えたばかりの東京の選手たちにも伝えられた。
もし大分が延長で勝てば勝ち点では並ぶものの得失点差で大分の2位はかわらない。
大分が負けるか引き分けなら東京が逆転2位で一部昇格が決まる。
東京の選手、関係者は大分の結果をかたずをのんで見守った。

一方絶対に勝たなければならなくなった大分は延長戦に入って猛攻をかける。
しかしなかなかゴールが決まらず、徐々に大分の選手にあせりの色が濃くなってくる。
そして、ついにそのままタイムアップのホイッスルが大分市営競技場に響く。
ピッチの上の大分の選手たちは天を仰いで次々とその場に倒れ込んだ。

「大分引き分け」この情報は新潟市競技場で結果を待っていた東京の選手たちにもすぐさま伝えられる。
すなわちそれは自分たちのJ1昇格ということを意味していた。選手たちの歓喜の輪が広がる。
そしてわざわざ新潟まで試合を観に駆けつけていたスタンドのFC東京サポーターも喜びを爆発させていた。

東京の監督の談話…「大分の試合結果を待った30分は、今までの人生の中で一番長い30分だった」

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