九州2日目
地獄巡り
さぁ、今日は2日目。メル友のメルちゃんに会える!!
実際はどんな人かなぁ。ちゃんと会えるかなぁ。ドキドキしちゃう。
快適な「亀の湯ホテル」を出て、別府の「地獄めぐり」に向かった
。
途中、別府湾の北部にある「別府湾ロイヤルホテル」に寄る。ここは、グレードアッププランで泊まれるホテルだ。
海はよく見えるし、いかにもリゾートっぽく、エントランスに花が植わっていて、人々を快く出迎えてくれる。
ちょっぴりうらやましくも思ったが、市街地にはほど遠く、夜の散歩には向かない。
私たちには込み入ったところに建つ、スタンダードな「亀の湯ホテル」がぴったりだったのだ!
さて、この地獄巡りは、別府市の郊外の、ちょっと山の中に入ったところにある。
海地獄、山地獄、白池地獄、かまど地獄、鬼山地獄、金竜地獄が集まっており、ちょっと離れた所に地の池地獄、竜巻地獄、さらに離れた所に坊主地獄がある。
私たちが見たのは、わずかに「海地獄」のみ。すぐ隣りに「山地獄」があるのになぁ〜。
が、この「海地獄」だけでも結構楽しめた。
入場するとすぐお土産やさんの中をくぐり、抜けると色とりどりの蓮の花が浮かぶ池に出た。
ん??極楽浄土??
地獄巡りを始めるというのに、あまりにものどかで美しく、しばしその白やピンク、黄色、紫色の花に見とれていた。
そのとなりには、オニバスの大きな葉が水に浮かんでいた。
私の頭の中には、オニバスの乗せてもらえると喜んで乗った幼児達が、騙されて次々と池の底に沈んでいく様子が浮かんだ。なんせ、“オニ”バスだから。^^;
メインの「海地獄」は、池のすぐ近くにあった。
澄んだ水色の池から次々と放たれる大量の湯気。池全体が熱湯と化しているのだろう。
池では温泉卵を作っていたから、実質65℃くらいだろうか?
1200年前に鶴見岳の爆発ででき、地獄そのものが噴火口という説明は、そこらじゅうから蒸気が立ち上がっているのを見ると頷ける。岩の盛り上がった所や建物の裏手あたりでも、平気で湯気が上がっている。
池の中は、湯気でよく見えないが、底から次々と沸騰しているようだった。
それにしても青い。コバルトでも溶け込んでいるのだろうか??
マリンブルーの美しさと、いかにも観光地である周囲の状況との不一致が、独特の違和感を発していた。
昼間に大勢の観光客がいる中で見てるから、一種のテーマパークの作り物のようにも思えて、のどかで平和だが、うす暗い中でたった一人で見ているのだったら、恐怖感に足がすくむことだろう。迫力があった。
(写真は海地獄。とにかく蒸気が凄い)
ちょっと離れたところに、「なんちゃって地の池地獄」があった。
血の色というより、赤鏥の色。赤茶色だった。こんな色の外壁のマンションってよくあるぞっ!!
けれど、なんでこんなに近くで色がこうも違うんだろう??
(写真 ⇒はなんちゃって地の池地獄。確かに赤茶色)
温室も近くにあり、蓮をその中で育てていた。真紀は「レンだ!レンだっ!!」と喜んで蓮の花を激写!!白がいたく気に入ったようだった。
とりたてて、何も見るものがない温室だったが、それでも楽しめるのは才能か??
売店で売っていた「温泉プリン」がなかなかおいしかった。
湯ノ花小屋
海地獄からバスに乗って間もなくで、「湯ノ花小屋」へ到着した。
湯ノ花を藁葺きの小屋で製造している場所だった。
普通は温泉を沸かして蒸発させ、残った成分を“湯ノ花”として売るらしい。
が、ここでは地面から湧き上がる蒸気を、砂砂利を通過させ、その上に堆積させて製造しているらしい。
ここの湯ノ花の特徴は、硫黄成分が少ないこと。これにより、風呂釜を傷めないですむ。そのため、白い粉状になっている。
あと、肌にいいとか、新陳代謝が良くなるとか言ってましたが、忘れました。^^;
実際小屋の中に入ってみたが、サウナのように熱く、砂利の上の地面に、パウダーの上に水をかけちゃったように硬そうな白い地層が、10〜15cmくらい見えていた。
(写真は湯ノ花小屋の前。弘樹の“お前、そのポーズは恥ずかしいからやめろ!”の声が聞こえてくるよう(^^))
ここは、ホントにこれだけ。あとお土産やさんがあるくらい。
ほかに何かないかと探索してみたら、藁葺きの家族サウナがあった。あと、1m四方のちっちゃい地獄が。
遠くに見える温泉の湯けむりが興味を誘っていた。
(写真はそのちっちゃい“坊ちゃん地獄”ふつふつと10cmくらいの水泡が湧いてきていた)
湯布院
バスガイドさんによれば、九州でまた行きたい土地の1位だか2位だかが、この「湯布院」だそうだ。
温泉と、高原の静けさと、美術館や博物館。
弘樹の電車のビデオの「湯布院の森」という、緑色のきれいな電車でなじみがあった。
私たちは、湯布院の観光の中心地という金鱗湖の近くでおろされた。
白馬や白樺湖のあたりのように、ファンシーショップがやけに目に付く。全体的に新しく、ひなびた温泉地の感はない。
とりあえず、金鱗湖へ行ってみることにした。
古代魚のような、弘樹の解説によると“バス”がたくさん泳いでいた。それが、黒地に水色、黄色、銀色と、様々な種類がいた。
とんぼが交尾していて、産卵のために湖面に近づくと、魚がジャンプしてとんぼを食べようとする、弱肉強食を目の当たりにした。
オニヤンマが悠々と飛び回っていた。
人懐っこいカモがエサをねだっていた。
(写真はカモ。人のいる所にしかいない)
そんな自然の情景をボーッと眺めて、親子3人は笑っていた。
どの生物も、生きるのに必死。その様子が元気を与えてくれる。
「懲りずにまた産卵している」「今だ、がんばれ〜!」
湖畔のほとりにシャガールの美術館があった。
たまには文化的なこともするかと、入ってみた。
シャガールは抽象的な絵だと思っていた。ロマンティックな絵もあると思っていた。
この美術館のシャガールのテーマは「サーカス」!サーカスを題材とした絵を収集していた。
68点中、60点がサーカスの絵だろう。
見てると、シャガールの作風が見えてきた。ピカソのような、時間の経過を念頭においた、顔がふたつある作品。
ひとつの顔は建前で、もうひとつは本音だろう。
対峙する人には柔和な表情をしてみせるのだが、その実裏では舌を出しているかのようだ。
女は裸が多い。人々は馬や牛に見立てられている。
人間は所詮飼いならされた動物との風刺が見て取れる。
絵は線が太くて力強く、20世紀初頭のようなモダニズムがある。時期的にもピカソの影響を受けているだろう。
それを、親子は「まだ顔が二つある、二重人格だぁ〜」「得意の馬の顔だぁ〜」「素直に見たまんま書かないよね」とか言って、作品にツッコミを入れていた。笑ってばかり。
色のきれいな作品や、すみずみまで書き込んである作品は、デジカメで撮ったりもした。
だいたい見終わって帰ろうとすると、弘樹が「順路逆じゃん!それに撮影禁止だって。」
えっ???うっそ〜〜ん。
まぁいっか。撮っちゃったものは仕方ない。他の人に何も言われなかったし。^^;
ってことで、貴重な写真をGETできました。(^^)v
(写真は厚顔無恥で撮った写真。ここに載せるのは犯罪か??)
湯布院では、軒を連ねるお土産やさんで、メルちゃんオススメのかぼすマヨネーズをGETしたり、100円アクセサリーの店や、ソフトクリーム、クレープのお店があったりで、もうちょっとゆっくりと見て回りたかった。
集合写真撮影つきで45分は短すぎる!!
それぞれ、買いたいものが違うから、バラバラになってお店に入ったが、ケータイがなかったらと思うとゾッとする。
ツアー客はほとんどが10〜5分前にはバスに乗り込んでいるから、私たちがコロッケやビールを買い込んでいたの、ヒマ潰しに見ていただろうなぁ〜。っていうか、私たちはきちんと集合時間を守っているのに、絶対遅刻していないのに、バスに乗り込むたび後味の悪い思いをするのはなぜ??
(写真は「豊後麦酒」絶対大分産のビールだと思えるが、なんと韓国製。どうゆうこと??)
柳川
さぁ、柳川だ。
5年来のメル友のメルローズさん、通称メルちゃんに会える!!
ケータイでやり取りして、「御花」の門の前で待ち合わせることにした。
メルちゃんは、見ればすぐにわかるカッコで行くと言っていた。それ以外のヒントはなかった。
う〜ん、すぐにわかると言ってもなぁ〜。まぁ、わからなければ、ケータイを鳴らせばいいや!
夏の暑い日差しを受けて、御花の門をくぐってみたら、果たしてそこには。。。
「あっ、そう来たか!」
大人っぽい雰囲気のメルちゃんを想像していたんですが、彼女はアルゼンチンのユニを着て立っておりました。
下はジーンズ。
メルちゃんの声は電話で聞いていました。以前見せてもらったサングラスをかけた写真とは、どうも一致していなかったのですが、この日見たメルちゃんは、声と姿が完全に一致。
やさしそうな声そのままに、やさしそうでいて涼しげな目をしていました。
このところ、ちょっと肉付きが良くなったと言ってましたが、私だって。上品な美人さんでした。
照れくさかったけど、笑顔でちゃんと挨拶できて良かったよ〜。
「骨せんべい」と「大きな歯の形の飴」をおみやげに戴いてしまった。
私は手ぶらでごめんね〜〜。
そのメルちゃんと向かった先は、柳川名物「うなぎ屋さん」
柳川では、うなぎは“蒲焼”ではなく“せいろ蒸し”でいただくのだ。
ごはんとうなぎが、四角いせいろの上に乗せられ、アツアツのまんま出てくる。ステーキが鉄板に乗せられて出てくるのと同じ感覚だ。
蒲焼のように、たれがごはんに掛けられているのではなく、ごはん全体にまぶしてある。だから味がよく染み込んでいる。
肝吸い、八女茶、うなぎの酢の物もいっしょにセットされ、うなぎを存分に満喫した。柔らかくておいしかった。住吉本店という、ガイドブックにも載っている、有名なお店だけある。
次は、これまた名物の“どんこ船”に乗ることにした。川下りだ。
船は、日差しを遮るものがないから、とにかく暑い。菅笠を借りて被っていた。
船頭さんは、80歳を超えるおじいちゃんだった。暑いのに肉体労働で大丈夫なのか??
歯がないため、言葉が不明瞭だった。聞き取れない。なのにメルちゃんはちゃんとわかっていた。すごいな、よくわかるよ。メルちゃんが繰り返してくれるので、それによって理解していた。
部分的には、用水路のような箇所があったが、そうではない、なまこ壁の城壁の周りを進むのは風情がある。
ジャンボタニシの卵だという、珊瑚色の塊には閉口したが、あとは風光明媚だし情緒があって最高だった。
お堀の幅の長い部分では、木がお堀にその身を投げ出し、優美な姿に見とれる自分たちを優雅だと思った。
短い方の30分コースだったが、それで充分だった。川に向かって石段が降りていたり、蛇が泳ぐ場面にも出くわし、見るものすべてが珍しかった。
(写真は御花の周りを巡るどんこ船とお堀。右はお堀を泳ぐ蛇)
船から下りると、今度は北原白秋の生家へ向かった。造り問屋なので、杉玉がぶら下がっていた。
入ろうとしたが、時間がなかったので、家の前で記念撮影だけ。^^;
向かいの工芸店みな、柳川に古くから伝わるというモビールがあった。
紙で出来た金魚が竹と糸で作った枠からぶら下がっていた。
メルちゃんによると、赤ちゃんが生れると、このモビールを買って天井からぶら下げるという。大きければ大きいほどよく、2万円くらいするそうだ。
う〜ん、スイッチを入れると回る、オルゴールみたいなものか??
そうこうしているうちに、メルちゃんとのお別れの時が近づいてきた。2時間なんてあっという間だね。
もっとしたい話があったが、子供達がいるからそうもいかない。
それでも楽しかった。子供達が初対面なのに意気投合していたのが良かった。
メルちゃん、忙しい中、わざわざ時間を割いて柳川まで私に会いに来てくれて、ありがとう。感謝してます!
バスに乗り込む前に握手をし、バスが見えなくなるまでずっと手を振ってくれたのが忘れられない。
この想い出が、九州旅行の奥行きを広くしている。
(右の写真は北原白秋の生家。左の写真はメルちゃん&彼女の娘と)
唐津
さぁ、あとはひた走って宿泊地の唐津を目指した。
佐賀は、それこそ北関東地方とそれほど変わらなかった。田んぼにどっしりした構えの農家。山はそれほどは高くない。
唐津城に寄るのかと思ったが、それは車窓のみだった。街のはずれの海の近くの高台に鎮座する唐津城。どっしりしてたよ〜。