Aquaria  Luxaeterna


ブラジル出身の新人バンド。
80年代に繁栄したアメリカン・ハード・プログレをシンフォニックにメタリックに味付けしたようなサウンド。
音の厚みが普通のメロディック・ハードよりある。低音を重視しているようだが、中音も重視している。
ELOやボストンに通じるものがある。メジャーコード使用なのか、とにかくサウンドが明るいのだ。ドラムスの音バランスが、バスドラよりもタムタム、スネアを前面に出しているからだと思う。
この明るさ、ぬるま湯に浸っているような暖かさ(部分的にある)は、バークレイ・ジェームズ・ハーベストで感じたものと同質だと感じて仕方ない。
Angraのラファエル・ビッテンコートが技術的な総指揮をしているためか、ツインギターになると途端にAngraちっくになるのがかわいい。

平均年齢22歳という若さだが、彼らの写真には若さなど微塵も感じられない。
が、サウンドは、実験的なことをやったり、さまざまな方面から音を拾い上げてきて若さを感じる。
方向性が定まっていないがための魅力みたいなものだ。
今後、方向性が定まり、それに乗って壮大なアルバムを出したら、どえらい存在になるだろう。
今は、あれもやりたい、これもやりたい気持ちがはやり、きちんと整理されていない。
それにも関わらず勢いがあり、そこらのマンネリ化した大御所と比べると遥かに魅力がある。
演奏力は確かで、曲構成にも光るものがある。それが持続しないのが問題なのだが、そんな細かいことが気にならないくらいのオリジナリティとインパクトがある。

さぁ〜て、私だけの特別な見解を書いてしまえ!
Vitor Veigaの声がとにかく私の好みなのだ!!
Bostonのブラッド・デルプが渾身の力を振り絞って歌っているかのような迫力がある。
曲によっては、Angraのエドゥ・ファラトスキ、スニーカーのボーカリスト(名前忘れ^^;)、そしてKatsumiクンになる。
力強い澄んだハイトーン、時折ファルセットを交えた力を抜いた声。これがいい!!
コーラスもVitorが担当しているんだろう。きれいにマッチしている。
もう、声を聴くだけでうっとりする。感性に訴えかける。
いくらでも聴けてしまう。だから素晴らしいのだ!!

ギターのLeo Gomesは、テクニックはあるのだが、叙情性はまだまだ。けれどこれから上達する余地は多分にある。
ほとんどの作詞と作曲をキーボードのAlberto KuryとドラムスのBruno Agraが手がけ、2曲にギターのLeo Gomesが加わっている。
プロデュースはドラムスのBruno Agraが担当し、オーケストラル・アレンジやコーラス・アレンジはAlberto KuryとBruno Agraが手がけているというのだから恐れ入る。
サシャ・ピートがミックス・マスタリングをしているとはいえ、デビュー作にしてこれだけの意欲と完成度があるとは、その実力は計り知れない。
しっかし、やっぱりサシャ・ピートがらみなのね。
AngraとかRhapsody、Kamelot、トビアス・サメットのAVANTASIA等、大仰でドラマティックな私好みの作品は彼の手(&ミロ)によることが多いので、匂ってくるのよね〜。


1.Aeternalux
Rhapsodyの導入部分によく似た、大仰な作り。
オペラやクラシックを普通にやってしまっている。

2.And Let The Show Begin
このノリはAngraでしょう!速いバスドラの連打と、キコとラファエルのリフや、それに天を劈くエドゥのボーカルを意識しているよ。「Temple Of Hate」のリフをそのままパクっているようだ。
なのに、中間部ではFlower KingsのFlowerPowerのGarden Of The Dreamのオペラちっくな部分を取り入れ、変化をつけている。っていうか、一体どうしたんだ?とびっくりする。
何でもあり。取り込めるものは何でも取り込もうとしているかのようだ。
オーケストレーションの入れ方は、まるでELO。オーケストラもめまぐるしく変化する。
全体的にサウンドが明るく、開放的。オーケストラがあるし、変化に富んでいるのに、どことなくパレードや花火をする時のブラスのようなイメージがあるのだ。

ヴォーカルに比重を置き、高らかに歌う。ハイトーンで力強く、心地よい。

ただ、ずっと疾走してほしいのに、一度スローに落としてからまた疾走するので、ムダに時間をかけているような気がする。
スローな部分は削ってコンパクトにした方がずっといい。

3.Here Comes The Life
ヴォーカリストのVitor Veigaの美声を生かしたバラード。
冒頭のファルセットでは、まるでスニーカーかボストンのよう。
歌の入りまででは、ほんの短い間だが、スティーヴ・ハケットの『Viyage Of The Acolyte』のHands Of The Priestess Part Tをどうも思い出してしまう。絶品の美しさがある。
これも途中からハードにシンフォニックに変化する。

4.Spirits Of Light
この曲は、Dream Theaterからの影響も感じ取れる。
早弾きギターと低音のリフ。だけど、キーボードが高めでピロピロ鳴るのでどう聴いてもDream Theaterにはならない。
Angraにも通じる、ワールド・ミュージックが使われている。

5.Humanity
未来感覚(?)のコンピュータ処理されたボーカルを入れているが、私はいらないと思う。そこだけ雰囲気が変わってヘンだ。
この曲では、ギターソロがたっぷりと聴ける。速いし、迫力はあるのだが、印象に残るフレーズがないのが残念。

6.Whispers And Pain Of Mother Nature
アコギ使用。水の流れる音や鳥のさえずりが牧歌的なバラード。
ここで、最高に美しい声を聴かせてくれる。
BostonのA Man I'll Never Beのようだ。
声の感じや、スローナンバー、アコギ使用にKatsumiクンの「Tonight Spent Together」を彷彿させるが、歌詞の内容まで類似していてびっくり。
メッセージは“人類が壊しつつある母なる自然”への反省と次世代への謝罪みたいな内容だ。

7.Choise Time
はぁい、フラキンのGarden Of Dreamsかと思われるオペラちっくな声が、ここでも聴かれます。
それが終わると、今度はRhapsodyのアルバムの最初に入る序章のような感じ。
この曲は急に深刻っぽいぞ!どうしたんだ??
ボーカリストが音を外しているとしか思えない低音が笑えます。

8.Judgement Day
このアルバムの中では秀作の出来。スケールが大きく、カッコいい。
メタルとシンフォがスピードを触媒として融合している。
それにクワイアが加わり、荘厳さと壮大さを加味している。
多分、この曲はアップテンポとスローテンポがうまく場面転換しているんでしょう。
10分を超える長編だけあって、まるで3曲分聴いたような聴き応えだ。

9.Your Majesty Gaia
このあたりのサウンドがAquariaの特徴をよく表現していると思う。
分厚く明るく、スピードがあってシンフォニックで暖かい。
だけど、歌メロは平凡で印象に残らないのが何とも残念。今後は印象に残るサビを作る必要がある。
サウンドによる味付けはこの路線でオッケーだと思うから。
で、ギターソロの時くらいは、サウンドを薄くして「ギターソロだよ」とアピールしてもいいんじゃないか?
多分、メンバーの誰もが自己主張が強くて、アピールしたくてたまらなくて、音を詰め込みすぎるんだと思う。
たまには枯れたパートも聴いてみたくなるぞっ!!

10.Luxaetena〜永遠の光〜
バラードになると、一転して音が薄くなるのがいいね。
それでも薄すぎることはない。このくらいで丁度いいかも。

11.Son Of The Sky, Brother Of The Earth (bonus track)
一番アメリカン・ハード・プログレを感じさせる曲。
シンプルでわかりやすい。ボストンっぽい中にAngraのギターを組み込んだ作り。
ノリやすいし、今の段階では個人的に一番好き。ボーナストラックにするのはもったいない。
同様なシンプルな曲(といっても途中で変化する)がアルバム中に1〜2曲入っていれば良かった。
サビで一緒に合唱できそうだ。ライブで盛り上がるの間違いなし!!
2005.5.22




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