初めて見る楽譜で歌うことを「新曲視唱」といいますが、
楽器で初めて見る譜面で演奏することを「初見」といいます。

だいたい聴音と一緒に行われるレッスンですが、
これら音楽の基礎的なスキルアップを目指す訓練として確立されたものが
“ソルフェージュ”です。

私は子供のころ、練習が大っ嫌いで、
レッスンの日にほとんど初見で弾いていました。
まぁ、先生にはバレてるんですけどね。
後日、先生が親に「初見力はあるんですけどね」と言っていたそうです(苦笑)。

クラシック曲など、パブリックドメインの楽譜であれば、
ネットで無料で取得できますし、
自分の好きな曲で、市販されていない譜面であれば、
楽譜作成を行ってくれる業者に頼んで採譜してもらうことも可能です。

歌を歌うことは音感を養う上で、
非常に効果を期待できます。

毎日、好きな曲を歌うだけでも音感を育む効果はありますが、
歌詞ではなく、音名で歌ってみることです。
音名で歌っていると自然と音高と音名が一致するようになります。

これは実際に声に出さずとも、
頭の中で鳴らしてシミュレートすることでも
同じような効果が期待できます。

その場合、頭の中にギターのフレットや
ピアノの鍵盤をイメージすると良いと思います。

新曲視唱の注意点としては
フレーズの持つリズムと音高に着目することが大事です。
特に広いフレーズが跳躍する場合に難しく感じますが、
歌のメロディーとして1オクターブを超える跳躍はほとんどないので、
それを念頭におけば、それほど難しくないと思います。

美しいメロディーラインは、山の稜線のような滑らかな曲線を描きながら音が連なるので、
音階的進行、つまり二度音程が連なる場合が多いです。
この二度が重なる動きは順次進行ですね。

対して、フレーズが三度、四度…八度の音程で進む場合は跳躍進行です。
九度以上の音程(複合音程)も跳躍進行ですが、跳躍しすぎると違和感が出てくるので、
歌唱用のメロディーとしてはあまり用いられません。

また、メロディーの終始感がもっとも強い音は主音ですから、
フレーズの最後の音は主音で終わっている可能性が高いです。

つまり、主音がわかれば、調号と照らし合わせて
長調なのか短調なのかがわかります。

さらに短調であれば、第7音の導音変化など臨時記号が付いているはずなので、
#や♭など変化記号に着目することも大事です。