あるところに、2ひきのヘビがいました。
2ひきはニシキヘビのオスとメスです。
2ひきは小さいながらも、けんめいにがんばっていました。
けれど、2ひきにとってはじめての冬がやってきました。
2ひきにとって冬とはたいへんおそろしいものでした。
なぜなら、冬眠から目がさめたとき、それまでのことをわすれてしまうといううわさがあったからです。
2ひきはゆううつそうなかおでそれぞれの穴に入っていきました。
そして──────
──────春になりました。
そして、あの2ひきは──────
お互いのことをおぼえていました。
なぜなら、夢を見ていたからです。
互いの夢を。