Mansun日記 第34章

MANSUNつるべ打ち(7)


1. Mansun at Reading 1998 (Beat UK)

◆ 「コンサート・リビューでお会いしましょう」って言ったばかりなのに、またやるのかよ!
● だって興奮して、いてもたってもいられないんだもの。それにとうとうReadingのライブ見られましたよ。Beat UKで。
◆ 半年も前のやつじゃない。それより1999年のMansunが生で見られるってのに。
● 生とビデオはまた別。
◆ もうすぐライブ・ビデオも出るし。
● それとこれとはまた別だ。そんなわけでBeat UKのReadingシリーズが始まってから、今か今かと待ってたんだけど、ちょうど年末年始の2週間、うっかりして録画し忘れてしまって、もしかしてMansunだったらどうしよう!とパニクってったんだけど、昨夜1月8日のライブがMansunだったのだ!
◆ もしかして先週もそうだったのかもしれない。
● いやなこと言わないでよ! 先週は元旦だからBeat UKはお休みだったんじゃない?
◆ 知らないよ。
● えーん! まあいい。とにかく1曲でも見られれば御の字だったのに、2曲もやってくれたし。
◆ とにかく見よう。ちなみにBeat UKのライブでMansunが出るのは初めて。Glastonburyは1曲だけだけどNHKで見たし、二大フェスのMansunが見られたというのは貴重だ。
● まずは“Wide Open Space”。
◆ またか。他の曲ないの? どうせオープンエア・フェスティバルだからって魂胆だろうが。
● 文句あるかー! Mansunなら同じ曲100回続けて聴いてもいいよ。おおおお! 生きたPaul Draperだ!
◆ こないだ見たばっかりじゃん。考えてみたらGlastonburyからそんなに間がないんだし、ほとんどあれと変わらないな。シャツもまたおんなじだし。
● 違うよ。微妙に顔が違うのが、この人のこわいところ。
◆ だってやっぱり顔色悪いし、くたびれて見えるじゃん。
● ぶれいもの! Paulはくたびれてなんかない! こんなにきれいじゃないかー!
◆ いや、なんとなく元気がなくて疲れた感じに見えるってことだけど。
● それはいつもじゃないか。むしろ意外や男臭く見えたGlastonburyより、ずっと繊細に、か細く見える。
◆ 髪もあのときより明るい色になってるし、ちょっと痩せたかな?
● 関係ないって。ただ、なんでか知らないけど見るたび変わるんだよ。ああ、かわいい。アップで顔見せれー! アップで! Chadの手のアップなんかいいから!
◆ でもほら、Chadも手の甲は無毛だよ。体だけがよっぽど毛深いんだな。
● あー、せっかくアップになっても、また目を固く閉じてる。目ェ開けんかい、こら! あ、いきなりブチッと切りやがった!
◆ しょうがないよ。それじゃ次“Being A Girl”。ほら、今度は目を開けて歌ってるよ。
● でもさっきとはまた別の人みたい。なんで数分で顔が変わるんだ!
◆ さっきとの違いは目にかぶさってた髪を払いのけただけなんだけどな。
● カメラもっと寄れー! あっ、寄った! でもその角度じゃなく、もっと前から‥‥あっ、あっ、ビデオ止めて! ほんの一瞬だけど、ぱっちり目あいてこっちを振り返った!
◆ なんなんだよ、この騒ぎは(笑)。
● あー、かわいー!(悶絶) あの目を見開けばこんなにかわいいのに! ビデオ・キャプチャー・ボードがないのが残念! Readingの写真は2枚しかないんだけど、代わりにそれを入れておきますか。これもかわいいでしょ。
◆ しかし、なんでこんな悲しげな顔してるんだろうね。そんなにライブが楽しいなら、もう少しうれしそうな顔すればいいのに。
● 私が初めてMansunを見たときに言った「いつも泣き出しそうな顔してる」ってことね。実は非常にめずらしい「ステージで笑うPaul Draper」の写真もあるんだよ。ほら。
◆ きゃっ! むちゃくちゃ不自然! 手つきがなんかオカマっぽいし。
● だからやっぱり笑わないほうがいいでしょう。
◆ いやしかし、この写真はまたやけに男っぽくてセクシーだ。こういうのもいいかも。それにこれって無理してる感じじゃなくて、これまででいちばん「自然」な笑顔かも。
● 確かにカメラに向かって笑うときはむちゃくちゃ無理してるのがわかりますもんね。
◆ (テレビのほうを見て)えー、もう終わりなの?
● まあ、とりあえず「見れた!」っていうだけね。あとはライブ・ビデオに期待しよう。きれいに映ってるといいな。
◆ だからその前に本物見られるって。

2. ポストペット

● それで私、友達にもらってポストペット始めたら、またこれにはまっちゃって。
◆ Mansunと関係なくないか?
● あるんだよ。というのも、私はペットを飼うなら絶対Paulの名前を付けようと前から思っていて。《同じこと考える人は多いとみえて、イギリスのMansun友達はDraperという名の猫を飼ってる》
◆ で、キャラクターは何にしたの?
● 猫っきゃないでしょう。猫の目だもん。性格も猫だし。だいたいこれがペットの中でいちばんかわいいし。
◆ 彼はつり目じゃないからいまいちだな。
● でもあれは猫目だ。むしろこの猫は目が黄色いのがいまいちなんだが。これで青かったら完璧。ほら、よく似てるでしょ。
◆ どこが!
● つぶらで巨大な目が。足みじかいところも、お腹がぽこんと丸いところも似てる。
◆ Paulは腹なんか出てない!
● それで名前をどうしようかと思ったんだけど、「ポール」じゃたくさんいすぎて平凡だしさ、かといって名字を呼び捨てもかわいそうなので、「ドレイパアくん」て名前にした。
◆ それは『家畜人ヤプー』じゃないか!
● そんなの説明しなくちゃ誰にもわからないって。
◆ 得意になって説明してまわってるくせに!
● それに響きもかわいいじゃない。これからPaulのことはいつもドレイパアくんと呼ぶように。
◆ やだよー!
● それで、いやしくもPaulの名前をつけるからには、ルックスだけはむちゃくちゃ良くなくちゃいけないと思って、いいパラメータが出るまでがんばったの。おかげで容姿93%。みんなが振り向くハンサムよ。それにそっちはまったく気にしてなかったんだけど、頭もすごくいい。だけど、ちょっと体が弱くて病弱なの。
◆ なんかやけに本人に似てるな。
● でしょう? それでCDで音楽聴かせると踊るんだぜ。
◆ それは本人は絶対しないが。《とかなんとか言ってたがー‥‥》 おお! ヘッドバンギングしてる! これは本人もやってたぞ。
● まだまだ。興に乗ってくると立ち上がって踊り出す。
◆ ひえー! かわいー! 腰ふってるー!《とかなんとか言ってたがー‥‥って、こればっかじゃないか、あの人は!》
● ほらね。腰のグラインドがなかなかセクシーでしょう。ペットによってダンスの種類も違うんだけど、猫がいちばんダンスがうまい。もっともカメなんかブレイクダンスだけど。
◆ 音楽の好みとかもあるんだろうか?
● さすがにそれはないけど、どうせならダンス・ナンバーで踊らせるほうがおもしろい。そこで“Drastic Sturgeon”をかけると‥‥
◆ おおー! 乗ってる乗ってる! 自分の歌がわかるか? おかしいよー、これ! 他になんかおもしろいことしないの?
● おやつをあげたり、洗ったり、猫じゃらしでじゃらしたり、おもちゃを与えたりできる。ドレイパアくんはテディベアのぬいぐるみがお気に入りで、出してやるといつも抱いて歩いてる。
◆ Chadが恋しいか。
● そうだ! もう1匹ペット飼うとしたら、クマにしてチャドと名付けよう! Chadって人間の名前とは思えなくて、やけにかわいいからそのままペットの名前にできるし。
◆ やだよ、ピンクのクマなんて。クマは茶色くなくちゃ。それに毛むくじゃらでなくちゃ。
● まあどっちみち、ひとつの部屋ではペットは1匹しか飼えないんだけど。
◆ だめだよ。PaulとChadは同棲してなくちゃ。
● だったら、このぬいぐるみの名前をチャドにしよう(ほんとはモモという名前がついている)。そうすればいつもいっしょにいられるし。
◆ それで他に何するの?
● これはメーラーなんでメール届けるのがお仕事なの。配達に来るとペット同士が遊んだりして、飼い主に報告のメールを書くの。
◆ なんてなんて?
● あいにく小さなプログラムなんで、それほどパターンの変化はないんだけど。配達先で何をされたかを書いて、最後の1行に感想みたいなのがついてる。ちなみにこれまでドレイパアくんが私にくれたメールの末尾は、「もういいかな」「鳥になりたい」「またいくぞ配達!」「いやー、まいった」「困っちゃう」と書いてあった。
◆ ふーむ。働き者で夢見がちでちょっとシャイと。やっぱり本人に似てるかも。
● これだけからそこまで読みとれるか! あとねえ、ペットが自発的に飼い主や友達にメール出したり、置き手紙して家出したりもするらしい。実はしつけのために「ぶつ」こともできるんだけど、ぶつと本当に痛そうで、頭かかえて小さくなるから、かわいそうでなかなかできない。
◆ うっ、それはおもしろい。
● おもしろくない!
◆ だいたいこいつ、いつでもハッピーで、あまりドレイパアくんらしくないじゃない。
● それはかわいがって育ててるからだよ。
◆ だから一度ボコボコにいじめてどうするか見てみたい。
● やめてよー! マゾ猫にする気か?
◆ ドレイパアくんなんて名前つけるから悪い。
● 『ヤプー』のドレイパアはイース貴族なんだからマゾじゃないもん!

3. ポストペット(鬼畜篇)

◆ ひえー、おもしれー! ついにやってしまったよ。ドレイパアくんいじめ!
● かわいそう! なんてことするのよ!
◆ 幸福度がゼロになるまで、タコ殴りにしてみた。
● よくもそういう鬼畜なことができるわね!
◆ もちろん恨まれないように、ちゃんとバックアップを取った上でだよ。ところが、いじけて家出するかと思ったら、一人前に怒りやがんの! ファイティング・ポーズとって立ち上がってひっかくんだよ。それにおもちゃを与えても、あんなに気に入っていたぬいぐるみもレコード・プレイヤーも、蹴り入れて捨てちゃうの!《本物のドレイパアくんも機材のぶっこわしとかやってるから、やっぱり似てるか?》 不良ドレイパアくんになってしまった!
● ひどいー!
◆ だってつい誘惑に耐えきれなくて。それに彼ってどうもそういう加虐願望をそそるところがあるじゃない。“Drastic Sturgeon”とか、“She Makes Me Bleed”みたいな曲書くしさ。
● だからってペットをいじめるな!
◆ だって本人にそんなことできないもん。
● あたりまえだ!
◆ でもああいうタイプがいちばんいじめて楽しいんだよな。見るからに弱々しく、傷つきやすそうに見えて、実は芯は強いってのが。
● かわいそうだよー!
◆ あっ! もっといいこと思いついた。今度は犬を飼って、リンイチロウという名前にしよう。それならいじめても喜ぶし、良心も痛まないでしょ? そして徹底した奴隷教育をほどこす。
● あなた、最近▲と性格が入れ替わってない?
◆ うっ、そう言われると‥‥やっぱり▲はRicheyのことがあってから、本当に鬼畜なことは言ったりしたりできなくなってるので、どこかで発散しないとならないんだな。
● するなよ!
◆ バックアップ書き戻せば元へ戻るからいいじゃない。
● それより、あんたのそういう性格が問題なんだ!

4. ウェブサイト事情

◆ しかし、Mansunサイトはじゃんじゃん増えてるな。
● 毎日ってのは嘘だけど、最近週1くらいのペースでできてないか? ただいま31。
◆ こりゃ老舗もうかうかしてられないね。
《んーと、ここは一部削除。何しろウェブサイトは生ものなので、ここで書いたことが今でもあてはまるわけじゃないし、「仲間」のことをあれこれ言うのは気が引けるので。ただ、ここに書いた「どんな立派なページでも、更新されてないものは一文の価値もない」ってのは真理だよなあ》

◆ ただ、Suedeと比較してまだまだだなと思うのは、サイトのほとんどが英国に集中しているでしょう。ほかにはアメリカ1、日本2、香港1、プエルトリコ1だけで。
● いいよ。やっぱり本国のサイトのほうが見応えがあるし。
◆ でも日本はがんばってるよ。あれだけしょっちゅう来てメディアに露出してれば当然ともいえるけど。
● まだワールドワイドな成功には至ってないようですね。
◆ 早くそうなってほしい気もするし、いやな気もするし‥‥▲のジレンマがちょっとわかるな。でも意外とアメリカで売ることには執着してないね。ツアーもやってないようだし、ディスカッション・ボードには「なんでアメリカに来てくれないの?」というファンの声があふれてる。
● だって去年はイギリス中しらみつぶしにまわってたんだもの。そんな暇ないよ!
◆ 今年は“Six”の米盤も出たので、アメリカ・ツアーもやるそうだが。
● そんなの行かなくていいのに。
◆ いいのにったって、アメリカにも少数ながら熱心なファンはいるんだし、かわいそうじゃない。
● アメリカ人好みじゃないよ。Mansunはわかるやつだけが聴けばいいんだー!と言いながら、ふくれ上がるMansun人気にちょっととまどい気味の昨今である。
◆ 今週のMMにはイクスクルーシヴ・インタビューが載るそうだよ。
● 早くも! さすがリーダーズ・ポールのおかげか。
◆ ああ、忙しい! 仕事は始まったし、もうすぐ本物も来るし、うれしいけど忙しい!

5. インターネット・サウンド事情

《新しいパソコン・スピーカーを買ったので浮かれている。でもMansunとはほとんど関係ないので一部削除。実は私はオーディオ・マニアだったこともあるのです。今はソフトを買うので手いっぱいで、とてもじゃないがオーディオにつぎ込むお金がないんだけど》

★ ねえ、Mansunは?
▲ いや、なにしろうちはCheviotくん 《Tannoyの超高級スピーカー(うちにある最も高価な品物)の名前》 があるので、スピーカーを買うのは何十年ぶりで、ついうれしかったもんだから。もちろんTannoyには及びもつかないけど、気分が変わって新鮮でいい。同じCDも違って聞こえるし。
◆ それでさっそく話題のMP3を聴いてみようと思ったわけよ。
★ 前からEMFサイトにMP3があるのを知ってて、それも私が持ってないようなB面曲なんかがあるから、ぜひ聴きたかったんだよね。
● ところがこれが苦難の連続で‥‥
▲ うん、プレイヤーを落としても、ダウンロードできないファイルや、聴けないのや、変なノイズが入るのが多くて。いまだに原因は不明なんだけど。
◆ MP3プレイヤーじゃ、Winampというのがポピュラーみたいなんだけど、これって軽いかわり、サポートするファイル形式が限られてるんだよね。それでとにかくインターネットを探しまわって、気に入って手に入れたのがYampというドイツ製のプレイヤー。かなり重いけど、操作性もいいし、デザインもかっこいいし、ファイル形式もほぼすべてを網羅している。
★ これがただってのが信じられないよねー。インターネットでいまだに信じがたいのは、なんでも無料ということ。
◆ だったらNetscapeがただの方が信じられないよ。
▲ でも少なくともこれなんかシェアウェアでもいいよね。
● それで何を落としたって?
★ とりあえずEMFは“Angel”という未聴曲。ほら。
● おおー! 完全にCD並みの音質じゃん。《これは嘘。それまで使っていたパソコン・スピーカーがボロかったので、よく聞こえただけ。その後CDを入手して聴いてみたら、CDのほうが格段に音良かった》
★ ただ、ファイルがばかでかいのがねえ、これなんか4メガ近くある。そのせいか、一度にたくさんはアップロードされてなくて、ローテーションなの。
◆ こんなのどんどん落としてたら、こっちのハードディスクもたまらないよ。
▲ それでMansunはないかと思って捜したら、Sci-Fi Hi-Fiにいっぱいあった。さすが名前だけのことはある。それも今年のGlastonburyのライブとか、レア・トラックとか。なぜか聴けないのもあるんだけど、とりあえずおもしろそうなのを落としておいた。
● おおー! “Television”のライブがあるじゃないか。これ聴きたい。あの声が本当に出るのかどうか知りたい!
◆ だからそれは生で聴いたでしょ。
● でも念のため。
★ げー、音質悪い。カセットで録ったみたいな音。
▲ だってオフィシャルな録音じゃなくて、これこそ海賊版だもん。
★ 最近はブートレッグもサウンドボード録音だからね。
▲ でも“Six”のセットはまだブートでも出ていない。これは貴重。
◆ もうすぐオフィシャル・ライブも出るってのに。
▲ 今ほしい! すぐ聴きたい!という欲望に応えてくれるのがインターネットの良さなんだよ。
● ああー! ライブでもしっかり出てるじゃないか、あの天使のファルセット! 信じられない!
◆ だからそれは生で聴いただろうがって!
▲ あと、めずらしいのはこれかな。“Skin Up Pin Up”の808 Stateリミックス
★ めずらしいも何も、そんなのあったの?? “Skin Up Pin Up”自体がレアなのに。
● そんなの存在するって話も聞いたことない! 私は最初の2枚と“Three EP”以外はすべてのシングルを持ってるのに。
◆ 私も不思議に思って、ディスコグラフィを調べてみたんだが、どこにもそんなのないんだよ。
▲ だって現に存在するもの!
★ 808 Stateのシングルに入ってるのかも。
◆ まさか! 曲はMansunそのものだし。
● だったらどこから録ってきたんだよー!《これは映画“Spawn”のサントラでした》
▲ それはともかく、かっこいいでしょ。
◆ Mansunはダンス・ミックスが合うんだよなー。これは“Six”のArthur Bakerミックスも期待できるか?
★ というわけで、次回はシングル“Six”のリビューでお会いしましょう。