Column01:アンチ絶対音感至上主義

 正直俺には、絶対音感が備わってないと思います。(絶対音感的なノリはあるけど)

 ガキの頃、音楽教育を受けていた訳ではなく、“親父のベンチャーズと母のビートルズを生まれた時から聴いて育った”程度なんで、当然といえば当然ですな。

 例えば、音を聴いて“この音名(音程)は何だ?”と聞かれれば、“う〜んと、え〜と、Eだべ?”って感じで答えられ、大抵は正解出来る程度の音感はあります。(これが絶対音階的なノリであると俺は言い張る)たまに半音ズレくらいで間違えるけど。

 俺の場合は、ギターの指板を思い浮かべ“この音と同じ音を出すには、この弦のこのフレットを押さえるから、Eかな”って考える訳です。だから瞬時に答えるという訳ではなく、ワンテンポ必要ですな。

 この絶対音感って実際、誤解が多いと思うのです。

 例えば、絶対音感の持ち主は生まれ持った天才音楽家の才能であるとか、よく言われる風潮がありますがこれは間違いですよ。

 そもそも絶対音感というのは、周波数やピッチ(音の高さ)を楽器等を使わずに、音を聴いただけで識別し音階でどの音に当てはまるかを言い当てられるという事です。

 これに対し“相対音感”というモノがあります。これは、基準となる音に対して、音階の差がどれだけあるのかを識別する能力を言います。

 音の認識というのは、以下のプロセスにより行われます。

 まず、空気を伝わって来た振動として耳へ届きます。外耳道を通り鼓膜を震わせ、耳小骨から内耳の蝸牛へ伝わり蝸牛へ満ちているリンパ液へ振動が伝わります。そして、蝸牛の基底膜の有毛細胞を介し聴神経のニューロンが電気信号として伝え、脳へ伝達されます。

 絶対音感が身に付くかどうかは、先天的な要素と幼児期の訓練らしいです。大人になってからでは努力しても難しいという事ですね。

 でも別に、絶対音感があれば天才音楽家になれる訳ではないのです。

 音楽を学ぶ際の基盤となるのは絶対音感ではなく相対音感であると言われ、優れた音楽家は大抵こちらに秀でているそうなんですよ。

 実際に音楽家の中で絶対音感を持っている人は5%にも満たないという報告もあるらしいです。

 だから、ミュージシャンを目指す貴方。絶対音感がなくても気を落とす必要はないのです。そんな事考えてる暇があったら、とにかく音楽をPlayして楽しんで下さい。

 初期のYngwieMalmsteenが愛用したストラトキャスター“Duck”には、ヘッドにドナルドダックのステッカーと、ボディーに5cmくらいの白いテープが張ってあり、赤字で“PlayLoud”と書かれていました。

 非常に憧れました。ってか俺も白のビニールテープに赤ペンで書いたものを良く張ってました。ドナルドのステッカーは見付からなかったけど。

 という事で、絶対音感至上主義なんかクソ喰らえで、PlayLoudで行きましょー。

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Column02:弦が切れた時

 今回は、便利な小技を伝授します。

 ギターの弦が切れた時、ブリッジの中にエンドボール(だっけ?)が残って中々取れない事があります。

 こんな時は、切れた弦をピックガード側から入れてそのまま抜き取って下さい。

 ヘッド側で撒き付けられてた弦が引っ掛かり、エンドボールを取り出してくれます。

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Column03:早弾き?速弾き?

 今回は、早弾きなのか速弾きなのかについてです。

 様々なWebサイト・雑誌・書籍等によって、早弾き・速弾きの文言がバラバラに使用されています。

 しかし、正確には“速弾き”が正解なんですよ。

 “早い”というのは時間的・時刻的な表現に用いられ、“速い”というのは速度的・スピード的な表現に用いられます。

 ギターの速弾きというのは、“速い”速度(スピード)でフィンガリングやピッキングを行う事だと思います。(勝手な定義ですが)

 別に早送りしている訳でもないし、早朝起きてギターを弾く訳でもないのです。だから“速弾き”が正解となりますね。

 まぁ別に、早弾きでも速弾きでも伝わればOKだと思いますが、正しい日本語の使い方としては速弾きが正解ですので、ご参考までに。

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Column04:ScaloppedFingerbord

 ScaloppedFingerbordというのは、指板を丸くヤスリで削る事により、軽いフィンガリングを実現する技術です。

 Scaloppedというと、やはりRitchieBlackmore(リッチー・ブラックモア)なんでしょうか。彼はたまたま楽器屋で手にとったギターがScaloppedで弾きやすかったんで採用したそうです。YngwieJ.Malmsteen(イングヴェイ・マルムスティーン)は楽器屋で働いてた時リュートを見てScaloppedを思い付いたとの事ですが、他にもUliJonRoth(ウリ・ジョン・ロート)や、ハイポジションのみのScaloppedでSteveVai(スティーブ・ヴァイ)等もいます。

 普通のフィンガーボードに比べ、弦を押さえる力が少ないので、速弾きの様な音数の多いプレイでのフィンガリングやポジションの移動がスムーズになります。

 しかし、普通のフィンガーボードの感覚で弾くと、指板がエグれている分チョーキングになってしまう為、音程がシャープします。特に、コードを押さえる時なんかには均等に力を入れなければならないんで、慣れるまでは大変かも知れませんね。

 Vaiの様なハイポジションのみのScaloppedというのは、ハイポジションになればなるほどフレット間隔が短くなる為、弾き難くなるからその分Scaloppedで補うという事です。

 Stratocaster派のRitchie・Yngwie、Ibanez派のVai、超ハイフレットギターであるSkyGuitarを操るUliと、Gibson系のギターをScaloppedにしてるのは、殆ど見かけないですね(Yngwieのコレクションは置いといて)。

 俺もYngwieのシグネイチャーモデルを使っているんで、必然的にScaloppedを経験している訳ですが、ハッキシ言って凄い好きです。

 弦を押さえた時、弦が指に食い込むのですが、そのグリップ感というのが全然違います。ヴィブラートとかチョーキングの感覚が俺には断然シックリ来ます。

 とまぁ一長一短のあるScaloppedですが、まだ弾いた事がない人は是非楽器屋に行った際、YngwieモデルのStratocasterを弾かせてもらって下さい。このStratocasterはScalopped+SuperJumboFretだから余計にこのグリップ感を体感出来ますよ。

 俺的には結構お薦めなんですが、Yngwie・Ritchie両モデルでしか市販されていないと思うので、Stratocaster限定になってしまいますね。もっと色んなモデルでScaloppedFingerbordのギターを市販化すればいいのにな。

 ちなみにRitchie・Yngwie両モデルのScaloppedにはエグり方に微妙な変化が見られます。Ritchieモデルは浅めに平面が多く、Yngwieモデルはより深く丸くエグれてます。両者の好みを的確に反映したFender社には今後とも、素晴らしいギターを作り続けて欲しいですね。

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Column05:徹底解剖HS-3

 元々ギタリストだったLarryDimarzio(ラリー・ディマジオ)が自分の使っているPickUpのサウンドに満足出来ず自己流で作り始めたのが1970年頃で、1975年にDimarzio社を設立しました。

 YngwieのHS-3、SteveVaiのPAFPro、JoeSatrianiのFred等アーティスト特注で作ったりもしてます。

 そのHS-3ですが、Yngwieからのリクエストとしては“1970年代のFenderOriginalに限りなく近いサウンド”、“ハムノイズを極力抑える”という事でした。

 ノイズの少ないPickUpを作る為には2つのコイルが必要でハムバッカーが理想的だが、ストラトキャスターに搭載という事で2つのコイルを縦に積み重ねた直立二層構造(スタックタイプ)を採用し、見た目はシングルのPickUpになります。

 また、単に積み重ねるだけでなく、上下2つのコイル内上側だけにUシェイプのメタル・プレートを使う事により、上下のコイルの磁界の干渉を防いでいます。

 つまり、ギターのトーンに直接伝わるのは上側のコイルのみで、下側のコイルはハムキャンセル用として機能する為、シングルコイルのニュアンスは残しつつハムノイズはカットするという事です。

 サウンドはウォームかつサスティンが強調されており、PowerはFenderよりもやや低めに抑えられています。

PickUpName OutputInMillivolts Treble Middle Bass DCResistance
FS-1 160 8 6 6 13.35K
HS-1 73 8 5 4 13.75K
HS-2 90 7 6 5 14.97K
HS-3 93 7 7 7 23.72K
YJM 93 7 7 7 23.50K

 YJMも試してみたいなぁ。

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Column06:ピッチ調整

 ピッチ調整って知ってますか?

 開放音と12フレットの音を比べ、音の高低をブリッジで調節するのがピッチ調整ですが、意外と皆さん忘れがちではないでしょうか。

 基本的にそんなにしょっちゅうするもんでもないんですが、まぁ知らない人も結構いるんでご説明しました。

 ちなみに俺は滅多にピッチ調整はしませんが、まぁ気が向いた時や、ハイフレットの音のズレが気になる時でいいのではないでしょうか。

 弦高を変えた時や、普段使う弦の太さを変えた時等、調整してみて下さい。

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