Eric Clapton 2003 Japan Tour(By 山親爺)

◎Eric Clapton 2003 Japan Tour 最終日!…

別の掲示板で、Eric Clapton 12日の事を書き込みましたが、今夜はこっちでネタにします。
こっちの方がEric Clapton ファンが少なそうな感じだから遠慮しようかと思ったけど…
昨日に引き続いて、今日13日も日本武道館にEric Clapton を観に行きました。連日で観る
というのも、ちょっと疲れます。武道館は椅子が良くないから、腰に負担が多いし…
でも、58歳のEric Clapton が一ヶ月近くにも及ぶ日本ツアーのスケジュールを乗り切って
いるのですから、44歳の私が「弱気になってはいかん」と自分に言い聞かせました。
今日は土曜日なので、普通は午後5時開場・6時開演なのに4時という早い開場時間でした。
アホな私は午後3時半頃から、何だかソワソワと落ち着かなくなりました。プログラムは昨夜
に長い行列に並んで購入したんだし、自宅から武道館までは約20分程度で到着するのだから、
ゆっくりと出発すれば良いのにもかかわらず…(~−−)ノ_彡☆
馬鹿だから3時40分に家を出ました!(←ホンマに大馬鹿者)
着いたのは4時頃…グッズ売り場のテントには長い行列が出来ていました。昨夜と同じに開場
時間にプログラム・グッズの販売をやったようです。Neil Young の時は開場時間前から販売
を開始したから、長い行列と混乱を避けられたのにねぇ…
私は買い物の予定も無いので、そのテントの前を素通りで会場入りでした。早く着き過ぎて…
喫煙コーナーで煙草を吸ったり、会場内のグッズ売り場を覗いたりして時間を潰しました。
Eric Clapton の場合、ライブの開始は約15分遅れが恒例だから、午後4時40分に自宅を
出発しても間に合ったのに…つくづくと「ワシはアホや」と痛感しました。

昨夜はアリーナの前から10列目という信じられないような素晴らしい席でした。何しろ座席
10席分の先にステージがあるのですから! それもステージ中央より少し右側という場所で、
私の座っていた場所の前方でNathan East がベースを弾いていたのです!!
Eric Clapton が眼を閉じてギターを弾いている時に、眉間の縦皺まではっきりと見えた程の
席でした。それが今夜は…1階スタンド席の後ろから2列目でした。果たしてこれがS席??
…という疑問を抱きました。まあ、ステージ脇という悲惨な場所ではなく、ステージを目の前
見える場所だったのが、不幸中の幸いと言うべきでしょう。

さて、黒いアコギを抱えてEric Clapton の登場で、今夜も"When you've got a good friend"
から始まりと思ったら!!
第1曲目は"Nobody knows you when you're down and out"でした。何しろ今日は最終日で、
昨日よりも曲数が多くなるのかも知れないと期待させられました。まあ…結局はこの1曲だけ
が多かっただけで、後は昨夜と同じようなセットリストでしたよ…(;^_^A
これはアッサリと弾き語りでやったという感じでした。そんな激しく盛り上がるような曲とは
思えないのですが、アリーナ前方は立ち上がっている人が居ましたねぇ。最終日の為か、何か
異様な雰囲気になっていたような気がします。
2曲目が"When you've got a good friend"から"Crossroads"というRobert Johnson メドレー
なのですが…前者の指引きのプレイは「そうか、Robert Johnson はこんな風に弾いてたのか」
と溜息の洩れるようなものでした。右手親指でベース音を鳴らして、他の指でフレーズを弾く
という単純な事だけど、そのタイミングが絶妙なんです。ただもう聴き惚れました。
キーがEからAに変わって、バックバンドが参加すると…Eric Clapton が背後に置いてある
ストラトに持ち替えて、すぐに"Crossroads"に突入です。曲のテンポはRobert Johnson 的な
ブルース調なのに、歌と歌の間のリフの所だけCream 調に切り替わるのが面白いアレンジだな
と思いました。ギターソロも強烈なのが聴けました…今回のClapton は凄過ぎる!!!
会場のノリも良く、本人も調子が良いのか格好の良いギターソロをビシビシと決めてました。
3曲目はレゲエで"I shot the sheriff"です。この日本ツアーの途中から喉の調子がイマイチ
という状態になったそうですが、最終日は完璧でした。歌が決まると(本人の機嫌が良くなり)
ギターの調子も良くなるみたいです。この曲の最後の長いギターソロも凄かったです!!!
眼を閉じて何か瞑想するような表情で、時々身体をくねらせながら弾いてました。
4曲目は"Bell bottom blues"で…これもまた素晴らしい出来でした。何だか同じような感想
に終始しそうなので端折ります。前回の来日はライブ盤「One More Car: One More Rider」に
収録してあるのと同じアコギヴァージョンでしたが、今回はエレクトリックヴァージョンで、
かなり力強いです。

5曲目"Reconsider Baby"の場合も、ギターが良かったです。6曲目Can't find my way home"
ではガット弦のエレアコで前半はバッキングに徹していました。ヴォーカルはNathan East で
Clapton はコーラスだけでした。昨夜は最終日に備えて声を温存していたのか、コーラスの所
も少なめに歌っていましたが、今夜はコーラス部分全部をちゃんと歌っていました。
ガット弦のエレアコでのソロも感涙ものでした!!
7曲目が"White room"です。今夜もワウワウを小刻みに踏んでCream 時代を髣髴させるような
プレイを聴かせてくれました。何か懐かしいような気分にさせられました。
8曲目"I want a little girl"ですが…とにかく「ギターが良かった」としか言えません!!
本当にワンパターンの感想しか出てこない…端折ります。
9曲目"Got my mojo working"と10曲目の"Hoochie coochie man"は、昨夜は完全に指弾きの
押弦でソロ(これが手数が多くて素晴らしかった)をやっていましたが、今夜は小指にガラスの
ボトルネックを装着しての演奏でした。ボトルネックだけではなく、押弦とコンビネーション
でソロを弾いていました。今夜も「素晴らしかった」です!!
ギターを再び黒いアコギに持ち替えて、11曲目に"Change the world"です。アコギでのソロ
も迫力に満ちていて、凄まじいものでした。とにかく「素晴らしかった」です!!
12曲目の"Bright lights, big city"はAndy Fairweather Low がヴォーカルを担当する曲で、
昨夜のClapton はヴォーカルを邪魔するかのように弾きまくっていましたが、今夜はそれほど
強烈なものではありませんでした。昨夜は喉を温存する分をギターで補っていたようでしたが、
今夜は歌の方でも出し惜しみをしていないだけに、バッキングの時は控えめにしていたのかも
知れません。でも、短いけど格好の良いギターソロを聴かせてくれました。
そして、13曲目"Kind hearted woman"ですわい!(←やまねこ超興奮モード突入。)
このスローブルースは、昨夜と言い今夜と言い素晴らしいものでした。早弾きの所は凄まじい
スピードで弾き倒して、ゆっくりと弾く所は左手全体を揺らせるヴィブラートやチョーキング
で情感豊かな弾き方をするんです。やはり何かを瞑想するように眼を閉じたまま、聴衆の心を
揺さぶるような凄いソロでした。「ブルースのソロというのは、こんな風に色彩豊かで華麗で
感動的なフレーズを弾くのだ」と思い知らされましたよ…
14曲目の"Badge"も感動的でした。この曲のDCGDの所が大好きなんです。今日のソロは
ちょっと物足りない所が…と思ったけど、客観的に振り返ると全くそんな事はありません。
とても良かったのですが…ピンクの音楽掲示板で書いたけど、昨夜のソロが「今までClapton
のライブで観た"Badge"の中でも最高の出来」だったので、その余韻を引き摺っていたような
気がします。昨夜が良過ぎたという感じですね… しかし、今夜のソロも素晴らしかった事は
確実ですから!!
15曲目"Holy mother"は、ストラトを予備の奴に持ち替えました。こっちの方が鋭い感じの
音がでるから、効果的と判断したのかも。5Fにカポタストを取り付けてのプレイですが…
ラストのソロの所ではカポを取り外して床に放り出して、感動的なフレーズを叩き込んで〜〜
Clapton の凄さというのを痛感させられましたよ。
16曲目"Lay down Sally"は、特にClapton 自身はソロとかはやらなかったけど、カッテング
とか格好が良かったです!!
17曲目は会場全体が陶酔状態の"Wonderful tonight"です。昨夜に引き続き今夜もClapton の
ソロは感動的でした。ジワリと心が温かくなるような感動的なソロです。
何と表現したら良いのかな…本当に涙が出そうなと言うか、今夜はお春の髪でも撫でて優しい
言葉を掛けたくなるような気分にさせられました。前回の来日より出来は遥かに上でした!

18〜19曲目は"Cocaine"から"Layla"です。2曲の間にClapton のギターソロを挟んでいて、
殆どメドレーになっていました。
"Cocaine"のソロも決まっていました。何しろアル中の私だけに、この曲は心に染みますよ…
「Just One Night」で後半のソロをAlbert Lee がやっていましたが、今回の日本ツアーでは
Chris Stainton が担当していました。このキーボードも素晴らしいものでした。書き忘れた事
ですけど、"Kind hearted woman"とか他の曲でも感動的なソロをやっていました。"Badge"の
最後のソロパートも、この人がやっていたし…
この人の演奏というのは「Just One Night」で実証されるように、Clapton との愛称は抜群と
いう気がします。上手い・凄い・感動的の3要素を兼ね備えたキーボードさんですね!!
"Layla"で興奮もピークという感じで、アリーナ席もスタンド席もかなりの人が立ち上がって
手拍子という有様でした。全体が波打っているような雰囲気です。やはりエンディングはこれ
が相応しいのでしょう。隣の席に50代後半のオバハンが一人で来ていましたが、その方も…
立ち上がって手拍子して凄かったですわ。
アンコールは"Sunshine of your love""Somewhere over the rainbow"でした。前者で無茶苦茶
に盛り上がって、後者でクールダウンという構成ですね。今回の来日公演は前回の時よりも音が
大きくてハードで強烈な内容でした。最後に"Somewhere over the rainbow"で落ち着けますわ。
とにかく、昨日・今日と陶酔感に満ち溢れたライブを体験させてもらいました。
本当にClapton というのは凄いミュージシャンだと徹底的に思い知らされたと同時に…
もっと仕事をサボってギターの練習をしなくちゃあかんと感じました。そんな気になるライブ
でしたよ…