Janne Makkatainen ライヴレポート "最高の夜をありがとう!!" TOPに戻る


No.7 2013.06.10 (月)
@ 名古屋・Zepp Nagoya
[ HELLOWEEN & GAMMA RAY ]


皆様こんにちは!

暑苦しい夏に暑苦しいレポを書きますが、お許し下さいませ...(爆)。

6/10(月)は ZEPP 名古屋 にて行われた 「 HELLISH ROCK Part 2 」 に参戦して参りました。


〜 1985 年...

ドイツから現代ロックシーンに脈々と受け継がれるメロディックパワーメタルの始祖... 「 HELLOWEEN 」がデビューし、その波は瞬く間に世界中に拡がった。

しかし、世界進出間近で、中心人物の一人 「 カイ・ハンセン 」 がまさかの脱退...。

1990年...

そのカイは少しの休養後、自らのバンド 「 GAMMA RAY 」を結成し、再び表舞台に帰って来た!

それから20数年余り...。

紆余曲折をくぐり抜けてきた伝説の両巨頭が夢の共演を果たした〜


【 GAMMA RAY 】


記念すべきデビュー・アルバムからの壮厳な 「 Welcome 」 が鳴り響き、強烈な 「 Anymhere in The Galaxy 」 が始まった。パワー、スピード、メロディと三拍子揃ったスタートに相応しいナンバー。

自分がヘヴィ・メタルのライヴというものを初体験したのは 1999 年の夏...。

GAMMA RAY の 「 POWERPLANT 」 のツアーで、その時のオープニングが丁度この曲だったので、実に感慨深いものがあります。

親しみ易い人柄と、創始者としてのオーラを放ち続ける 「 カイ・ハンセン 」 の存在感は絶対的なもので、彼の音楽をガキの頃から聴いて育った自分にとって、正に永遠のヒーローの一人。

そして、続く 「 Men,Martians and Machines 」 で熱気は更に加速する。
まるで全てをなぎ倒して進む重戦車のような勢いの、とてもライヴ映えする曲で実にカッコいい!

懐かしい 「 The Spirit 」 で観衆の一体感が高まり、続くスピーディーな 「 Dethrone Tyranny 」 ではもちろん大合唱。

15 年間バンドを支え続けた 「 ダン・ツィマーマン 」 が惜しくも脱退し、今回ニュードラマーに 「 マイケル・エーレ 」 が加わっているが、鉄壁のパワーと安定感で素晴らしい働きぶり。彼は 「 METALIUM 」 や 「 ULI JON ROTH 」 他で活躍し、現在は自身のバンド 「 LOVE.MIGHT.KILL 」 も率いて活動中。

続いては最新 EP から、「 Master of Confusion 」。

自分はまだ未聴だったんですが、聴けば一発で GAMMA RAY と分かる 「 らしい 」 メロディに溢れた佳曲。

次の 「 Empire of The Undead 」 も新曲で、こちらはクールなギターリフがリードする超速ナンバー。

「 Empathy 」 でも、ヴェテランならではの威厳と貫禄に満ちたサウンドを終始支えるベーシスト 「 ダーク・シュレヒター 」 は、鍛え抜かれた肉体を持つ伊達男。
HELLOWEEN 脱退後のカイを長年支え続けてきた、バンドに無くてはならない存在。

バンドは 「 Rise 」 で再びスピードを上げた後、「 ヘニユ・リヒター 」 のギターソロタイム。いつもにこやかに微笑みながらテクニカルなプレイをビシバシキメる素晴らしいギタリストで、ソングライターとしても優れた才能を持った人。

そのヘニユによって馴染み深いギターリフから始まったのは何と...カイが HELLOWEEN に残した名曲 「 Future World 」。

今夜、この後に控える HELLOWEEN が、この曲を演らない事がこの時点で明白になったが、ポジティヴで希望に満ちたこの曲は、時代を越えて愛され続けている。
観客は歌のほとんどを合唱し、カイとヘニユは素晴らしいツインリードを決めてみせる。

GAMMA RAY のショウはいよいよ佳境を迎え、壮大なアンセム 「 To The Metal 」 で会場は一体となる。

カイは彼のトレードマークとも言えるフライング V を操りながら激しいシャウトを轟かせる。

ラストはバラード調のムーディーなアレンジから、もう観客は 「 オーオーオオオー 」 と大合唱。

「 Send me a Sign 」 だ!

キャッチーにまとめ上げられたコンパクトな曲で、特にギターソロの展開が実にドラマティックで、いつ聴いても鳥肌が立つ...。

熱い盛り上がりの中、先手 GAMMA RAY のショウが終了した。

今回のセットは最新 DVD の 「 Skeletons & Majesties 」 の縮小版だった為、 「 Wings of Destiny 」 や 「 Farewell 」 が聴けなかったのは残念でした。


【 HELLOWEEN 】


「 Walls of Jericho 」 が鳴り響き...まさか 「 Ride The Sky 」!?と大半の人が期待したに違いないが...(笑)。

最高の名曲 「 Eagle Fly Free 」 でショウは勢いよくスタート。

舞い上がるようなメロディと疾走するリズムの上で楽器隊全員が次々にソロをとる様はいつ観ても壮観である。

その勢いは、最新作のオープニングナンバー 「 Nabataea 」 に引き継がれる。

複雑な展開を持つこの曲をヴォーカリスト 「 アンディ・デリス 」 がショウの序盤から渾身の歌声でバンドを引っ張っている。

「 Straight Out of Hell 」 は、最新作の中でも非常にキャッチーでノリの良いナンバー。それに続くヘヴィでダークな 「 Where The Sinners Go 」 、そしてこれまたライヴ映えする 「 Waiting for The Thunder 」。

長年に渡り HELLOWEEN に人生を捧げてきた男...ヴァイキーこと 「 マイケル・ヴァイカート 」 入魂の新曲 「 Burning Sun 」。

昨年の 「 LOUD PARK 」 でも披露されていた曲だが、完全にシリアスに徹した非常にカッコいいスピード・ナンバー。アンディは血管がブチ切れるような激しいシャウトで歌い切った。

鬼のような形相でリズムを刻み続けるアスリート・ドラマー 「 ダニー・ルブレ 」 のドラムソロを挟んでプレイされたのは何と!

懐かしの 「 Falling Higher 」。

全パート、音数が非常に多い曲だが、ヴァイキーと新世代ギター・ヒーロー 「 サシャ・ゲルストナー 」 がステージ中央で寄り添いスリリングなツインリードを余裕の表情でキメてみせる。

やはりメタルはこうでなくては!
正に 「 そう来たか! 」 的選曲で観衆は大いに盛り上がる。

そして、これまた一層キャッチーな 「 Live Now! 」 ではアンディが観衆を左右に分けた掛け合いを誘導し、優れたフロントマンぶりを見せる。

続く叙情的なバラード 「 Hold me in Your Arms 」 をしっとりとプレイし、ここでもヴァイキーとサシャのさりげないツインリードが見事に華を添えていた。

馴染みのあるピアノから 「 If I Could Fly 」。
ドラマティックでスピーディーな HELLOWEEN の十八番 「 Hell was Made in Heaven 」。

この曲の作曲者でもあるベーシスト 「 マーカス・グロスコフ 」 もヴァイキーと並ぶオリジナルメンバーで、ずっとバンドを支え続けてきた。
そのマーカスを含んだ身長 190cm 代の弦楽器隊 3 人が駆け回るステージは実に見映えが良い。

ラストは不滅の名曲である 「 Power 」 で、大合唱を巻き起こしステージ本編が終了。

アンコールではアンディがマジシャンのような出で立ちで現れ、バンドは冷徹な鋼鉄の塊のような 「 Are you Metal? 」 を叩きつける。

定番曲 「 Dr,Stein 」 で会場は熱気に包まれる。
とても 25 年も前の曲とは思えない位、恐ろしく色褪せない...。
きっとこれからも何世代にも渡って語り、歌い継がれていくのでしょう。

そして今夜は、ここからがスペシャルなイベント。

陰鬱なアルペジオから始まったのは 「 Halloween 」。
GAMMA RAY のカイが飛び入り参加し、88 年の 「 あの 」 HELLOWEENの幻影が蘇る!

しかもここからはメドレー展開で...スラッシーなリフとこれ以上無い程の泣きを発散するバンド史上最もドラマティックな 「 How Many Tears 」。
戦争の悲劇を歌ったこの名曲を前にして 「 頭を降る 」 以外の方法があるのか...あったら教えていただきたい...(笑) 。

それに繋げて 「 Heavy Metal ( Is The Low )」 のツインリードが聴こえてきた時は、もう反則とさえ思いました。

親しみ易いカイ、ぶっきらぼうなヴァイキー、ノリノリのマーカス...この 3 人がステージで並んでプレイしているのを見るだけで胸が熱くなり、泣きそうでした...。

インゴ ( HELLOWEEN のオリジナル・ドラマー ) も天国から見ていて、きっと笑っている事でしょう。

カイとアンディがコミカルな掛け合いで会場を沸かせ、ラストの 「 I Want Out 」 では GAMMA RAY のメンバーも入り交じっての大饗宴で一大イベントは幕を閉じた。


彼らは自分にとって永遠の青春であり、メタルを卒業するのは死ぬ時である!との思いをより一層強くしてくれました。


最高の夜でした。


どうしても熱が入ると長くなってしまいます。
この長文にお付き合いいただき、誠にありがとうございました!


Stay Metal!


Janne Makkatainen ライヴレポート "最高の夜をありがとう!!" TOPに戻る