Janne Makkatainen ライヴレポート "最高の夜をありがとう!!" TOPに戻る


No.6 2013.05.29 (水)
@ 名古屋 CLUB QUATTRO
[ KAMELOT ]


皆様、こんにちは!

さて、少し日にちが空いてしまいましたが、5/29(水)は名古屋クラブクアトロに「 KAMELOT 」のライヴを観に行きました

「 KAMELOT 」はアメリカ東海岸出身のメロディック・パワー・メタルバンドで、意外にその歴史は古く、デビューは 95 年にまで遡ります。

当時はあまりパッとしない存在だったが、ノルウェーのプログレッシヴメタルバンド「 CONCEPTION 」 で活躍したシンガー 「 ロイ・カーン 」 加入を機に音楽性を一気にグレードアップさせ、世界中の注目を浴びるまでになった...が、そのロイの衝撃の脱退劇...。

バンドの看板であり、独特の深みと表現力、唯一無二のオーラを纏っていたロイの脱退という逆境を乗り越え、彼らは新たなシンガーと共に帰って来てくれた。
しかもヴォーカリストが交代してからは初来日...という事で、ようやく念願叶って彼らのライヴを観る事ができました。

今回は、前座を国内バンド、鹿児島の 「 CINQ ELEMENT 」 が務め、完全アウェイの中で頑張っていたと思います。
ヘヴィロックなサウンドのバンドなので、KAMELOT ファンにアピールするには、かなり難しかった筈です。歌のお姉さんがセクシーでした...。


前座が終わりセットチェンジの後、ようやく KAMELOT のショウがスタート。

オープニングは意外にもミドルテンポの 「 Rule The World 」 で幕を開け、スピーディーな 「 Ghost Opera 」 がそれに続く。


「 The Great Pandemonium 」も KAMELOT らしいメロディアスな曲だが、まだこの時点ではサウンドバランスがあまり良好とは言えず、各パートの音がはっきりと聞き取れなくて残念だったが、それは徐々に改善されていったので一安心。

バンドは最新作からヘヴィな 「 Veritas 」 で観衆の一体感を高める。

注目のニューシンガーはスウェーデンのプログレッシヴメタルバンド 「 SEVENTH WONDER 」 でも活躍する 「 トミー・カレヴィック 」。短髪で長身で細身で黒づくめという...多分に前任のロイを意識した佇まいで、情感溢れる伸びやかな歌声を聴かせている。

ドラマティックなイントロが轟き、この日最初のハイライトは名曲 「 Center of The Universe 」。

長年バンドを引っ張ってきたリーダーで、今や唯一のオリジナルメンバーとなったギタリスト 「 トーマス・ヤングブラッド 」 がヘヴィなリフとメロディアスなプレイで盛り立てる。

すでにのっけから大盛り上がりで観客は歌の出だしから大合唱...。
自分もようやくこの名曲を生で聴けた事に感動でした...。

ステージ後方、今回バックシンガーとしてゲスト参加していた 「 THE AGONIST 」 のアリッサという女性は、クリーンのコーラスとデスヴォイスを器用に使いこなし、要所でフロアに出て来てはトミーと素敵な掛け合いを披露し、実に良い仕事をしている...。しかも美人である。

ミッドテンポの 「 The Human Stain 」 は KAMELOT 節全開のナンバー。

ブロンドのドレッド・ヘアで激しいアクションを見せるベーシストの 「 ショーン・ティベッツ 」は、今まで観た、どのベーシストよりも個性的だが、要所でサラリとテクニカルなプレイもこなす実力派。

紳士的で芸術家オーラを醸すイケメン 「 オリヴァー・パロテイ 」 が悲しいストリングスとピアノを奏で始める... 「 Song for Jolee 」。

この夜一番の感動を与えてくれたバラードで、思わず涙が出そうになりました...。

ジョリーという少女の死を巡る最新作のストーリーを悲哀に満ちた旋律で奏でる。
KAMELOT 十八番のバラードを、トミーは苦悶の表情で切々と歌い上げる...。
実に素晴らしい...。

静寂を切り裂いて始まったのは 「 The Animal 」 と称される程にワイルドな 「 ケイシー・グリロ 」 のドラムソロタイム。


彼の桁外れのパワーとテクニックは、どちらかというと繊細なイメージの KAMELOT のサウンドをメタリックに彩る重要な役割を果たしていると痛感させられる。

「 When The Lights are Down 」 は馴染み深い、スピーディーでメロディアスなナンバーで、これが盛り上がらない筈がない。

しかもそれに続くのは、最新作のオープニングを飾る 「 Sacrimony ( Angel of Afterlife ) 」。

ドラマ性を極限まで高めたスピードチューンはこのバンドにしか成し得ない説得力で聴く者を圧倒する。サビではアリッサもフロアに降りて来て、トミーと妖艶なデュエットを聴かせる光景は実に鮮やかで華やか。

しっとりと聴かせる 「 Season's End 」 の後はオリヴァーのピアノソロタイムへ〜。


最早バンドサウンドのドラマティックサイドに無くてはならない存在の彼だが、ソロでは滑らかな運指でスリリングなテクニックをキメてみせる。


再びバンドが戻り、トーマスが 「 あの 」 メロディをゆっくりと弾き始めると...観衆のこの日一番の大合唱が巻き起こる。

... 「 Forever 」 ...。

ケイシーが重戦車の如くツインバスドラムを疾駆させ、舞い上がるような叙情性に更に勢いを加速させる。

このメインテーマはクラシックの名曲から拝借したメロディで、あの 「 TNT 」 も名バラード 「 End of The Line 」 のギターソロで取り入れているのですが、肝心のクラシックの曲名が出てこない...(苦笑)。

怒涛の盛り上がりで本編が終了し、アンコールではショーンが一人現れ、ベースソロを披露した後、名曲 「 Karma 」 のミステリアスなイントロが...パワフルに疾走するサウンドの上をドラマティックなピアノの旋律が優雅に鳴り響く...。

人の死...輪廻をテーマに持つこの曲は最早、切ないとか悲しいといった感情を超越したドラマを描きだしている!

このドラマこそ真に鋼鉄音楽の真骨頂
いや...メタルの表現領域はとうに越えているのかもしれません...。

バンドは最新作から最もキャッチーな 「 Torn 」 、ダークでヘヴィな 「 March of Mephisto 」 で華やかにショウを締めくくった。

欲を言えば、ショウのオープニングは 「 Sacrimony 」 等のスピードナンバーを持ってきた方が盛り上がるのになぁ〜と思ったり、アルバム全て揃えている自分としては他にも聴きたい曲がたくさんあったので...とまぁ、これは仕方ないんですけどね(笑) 。

ニューシンガーのトミーは、やはりロイ程の深みとアクの強さは無いですが、素晴らしいシンガーなので、今後どのようにしてバンドにシンクロしていくかも、楽しみの一つですね。

ダークでミステリアスという部分では先日の 「 NIGHTWISH 」 と共通する部分がありますが、世界で最もドラマティックなパワーメタルをプレイするバンドのショウはやはり素晴らしかったです。

最近は東名阪を中心に、毎週のようにインディーズ界隈の熱い鋼鉄イベントが行われていて、さすがに全てのイベントに顔を出す事はできませんが、シーンの活性化が徐々に進んでいるとの印象を受けます。

ロックのあるべき形はそのままに、輪が拡大していけば素晴らしい事になりそうですねっ。

良くも悪くもメディアが溢れ過ぎている時代だからこそ、直接自分の目と耳でブレない価値観を掴み取って、それを貫き通す事が大事だと常々思います。

その最たるは...ライヴに行く事でっせ!

さて...来週はいよいよ...ドイツ鋼鉄祭です。
HELLOWEEN Vs GAMMA RAY


いつもクソ長いレポ...読んでいただいてる方々、ホントにありがとうございます!
自分の人生、これしか無いので...(笑)。


Stay Meta
l


Janne Makkatainen ライヴレポート "最高の夜をありがとう!!" TOPに戻る