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No.5 2013.05.23 (木)
@ 名古屋・新栄 CLUB DIAMOND HALL
[NIGHTWISH]

春をすっ飛ばして一気に夏になったような暑さですが、皆様お元気にお過ごしですか?

まずは遅くなりましたが、5/3 (金・祝) の 「 WARRIOR 」 のライヴはたくさんの方においで頂き、誠にありがとうございました。
満員の ell SIZE にて色々な方に出会う事ができ、とても嬉しく思っております。
「 WARRIOR 」はいつもの事ながら(笑) 先の予定もございませんので、(多分)マイペースを遵守いたします(笑) 。


さて、5/23 (木)は名古屋 Diamond Hall でフィンランドの至宝 「 NIGHTWISH 」のライヴに参戦して参りました。

「 NIGHTWISH 」は 97 年のデビュー以来、女性ヴォーカルのシンフォニックメタルの王者として君臨し、世界中に数え切れないフォロワーを生んできた偉大なるバンドです。

バンドの顔であり孤高のカリスマ性を持ったソプラノシンガー 「 ターヤ・トゥルネン 」 の衝撃の脱退 〜 二代目シンガー 「 アネット・オルツォン 」 の加入〜脱退と...何かと不安定な状況のこの時期に来日するとはかなり意外でしたが、やはり世界を股にかけるバンドは素晴らしいショウを観せてくれました!

自分が NIGHTWISH を観るのはターヤ在籍時の最初で最後の来日公演 ( ANGRAとのカップリング ) 以来 2 度目です。

壮厳な SE に導かれ、「 Dark Chest of Wonders 」で勢い良く幕を明けた。
不朽の名作 「 ONCE 」 のオープニングを飾るこの曲で場内は一気に沸点に到達する!
メタルのダイナミズムとクラシックの気品を高次元で融合させた名曲で、バンドは自信と余裕に満ちたプレイを観衆に叩き付ける。

そして注目のサポートシンガー、「 フロール・ヤンセン 」はオランダのゴシックメタルバンド... 「 AFTER FOREVER 」 で活躍してきた女性で、2 メートルに達する程の長身がまず目を引く!(笑)
しかし、張りのある美声で高揚感溢れる美しいメロディを堂々と見事に歌い上げる。
この一曲だけを聴いても彼女が素晴らしいシンガーだというのが分かる。

バンドは間髪入れずに代表曲の一つ 「 Wish I had an Angel 」 をこの早い段階で披露したのには驚かされたが、ベーシスト 「 マルコ・ヒエタラ 」 が猛々しいド迫力の歌声でフロールと見事なデュエットを聴かせる。
もちろん骨太なベースプレイも一級品。
彼は自身のバンド 「 TAROT 」 を長年率いてきた確かなキャリアで圧倒的な存在感を放っている。( ブロンド長髪に胸まで伸びたツインテールのヒゲもお洒落(笑) )
そこら辺の子供に 「 サンタクロース 」 と言ったら信じるでしょう(笑)。

ダンサブルなビートに観客の大合唱で盛り上がった後に続くのは、「 WISHMASTER 」のオープニング曲 「 She is My Sin 」。
儚いメロディとドラマティックな間奏部のスリリングな展開が本当に素晴らしい。

個人的に 3rd アルバム 「 WISHMASTER 」は超名盤なのでメロディックパワーメタル好きな方は是非チェックしてみて下さい。

最新作 「 IMAGINAERUM 」 から 「 Ghost River 」、「 Storytime 」を披露した後はゲストプレイヤーが登場し、個人的に最新作の中で一番のお気に入り 「 I Want My Tears Back 」 がプレイされる。

この曲でもフロールとマルコの素敵なデュエットが聴けるが、民族音楽的な間奏部のリフレインは血が騒ぐ程に情熱的な響き。

ゲストプレイヤーの操る楽器は初めて目にする代物で名前が分かりませんが、とても美しい音色が民謡調の楽曲を最大限に引き立たせている。
それと小さい笛 ( 吹奏楽に疎くてすみません... ) もプレイする多彩な方。

熱い盛り上がりの後は司令塔 「 ツォーマス・ホロパイネン 」 の奏でる繊細なピアノ...そう 「 Nemo 」 だ!

これから夏が来るというのに、北欧の雪景色が一面に広がる錯覚を起こす程に切なく美しく壮大な名曲に鳥肌が立つ...。
これ程美しい曲には世界広しと言えど、そうそう出会えるものではないと思います...。

その後は哀愁に満ち溢れたインスト 「 Last of The Wilds 」...まるで夕暮れの大草原をさ迷っているような至上の空間を見事に作り出している。
それにしても何という美しく悲しいメロディ...。

壮厳なムードの 「 Bless The Child 」、軽快な 「 Romanticide 」と続き、キャッチーな 「 Amaranth 」 も最早お馴染みのナンバーだが、ギタリストの 「 エンプ・フオリネン 」 は目立つプレイはさほど無いが小柄で可愛らしく、ちょこまかと動いては要所でツボを押さえたテクニックを挟み込んでいる。
フロールと並ぶと身長差が実に笑えます...(笑)。

言わずと知れたあのゲイリー・ムーアのカヴァー 「 Over The Hills and Far Away 」 はもちろん大合唱。
エンプと同じく、創設時からバンドを支えてきた 「 ユッカ・ネヴァライネン 」 は前に乗り出さんばかりの勢いで体全体をフルに使い、終始躍動感溢れるビートを叩き出す優れたドラマー。

このバンドの絶対的なリーダーである天才ツォーマスは、やはり尋常ではないオーラを放ち、音の魔術師の如く重厚なオーケストレーションでショウを終盤に導き、最新作からドラマティックな 「 Song of Myself 」、「 Last Ride of The Day 」で壮大なスケールのメタルショウは幕を閉じた。

まさかのアンコールが無く、「 Wishmaster 」 等の定番曲が聴けなかったのは残念でしたが、長身を生かした激しいパフォーマンスと、何よりターヤの様にもアネットの様にも歌える飛び抜けた歌唱力を持ったフロールが素晴らしく、彼女こそ NIGHTWISH の正式な新しいヴォーカリストとして相応しいのではと思います。

欲を言えば初期のメタリックなスピードチューンやバラードも、もっとセットに組み込んで欲しいところではありますが、現在の彼らは他の追随を許さぬスケール感でもって圧倒的なショウを観せてくれました。

ヘヴィ・メタルは取っ付きにくいとお思いの方にも、この NIGHTWISH の音楽は受け入れられ易い様な気がします。
ダークでミステリアス、壮大でドラマティックなサウンドは映画のサウンドトラックなどがお好きな方に十分アピールできるのではと思います。

自分はよくドラマティックという言葉を連発してますが、聴けば多分分かっていただける筈です(笑) 。

メタルヘッドの皆様、この翌週には 「 KAMELOT 」...。
しかもつい最近、何と!再結成 「 HAREM SCAREM 」 が来日、新作発表というニュースが飛び込んできて狂喜しておりますが、今年は本当に熱い...熱過ぎる...(笑)

非メタル、非ハードロックな皆様には何が何だかさっぱりの内容だと思われ、いつも申し訳無いと思っておるんですが、チラッと読んで少しでも興味を持っていただけたら、それ以上の喜びはありません...。

暑い夏こそ皆、ロックしましょうぜぃ!


Stay Metal !!


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