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No.1 2012.09.10(月)
@ 名古屋・新栄 CLUB DIAMOND HALL
UNISONIC / GOTTHARD


9/10(月)は名古屋ダイアモンドホールに 「 UNISONIC 」 と 「 GOTTHARD 」 のライヴに行ってまいりました。

長〜いレポですが(笑)、興味のある方は是非!



■ GOTTHARD

スイスの国民的ハードロックバンドの 「 LOUD PARK 09 」 以来の来日公演。
今回のツアーはバンドにとって特別な意味を持っている事は、この場に集った全ての者が分かっているに違いない…。


重いリフがリードするキャッチーな 「 Dream on 」 でショウがスタートした!


だが、熱気に満ちたステージの真ん中にいるはずの、あの名シンガーはもういない...。
最強のヴォーカリスト、「 スティーヴ・リー 」は 2010 年 10 月 6 日、悲劇的事故によりこの世を去った…。


しかし、スイスの英雄達は、歴史に幕を閉じるより前に進む事を選んだ...!
それは 「 GOTTHARD 」 が最早1つのバンドというよりも、彼らの人生そのものになっていたから...。


そして世界中が注目するニューシンガー... 「 ニック・メーダー 」 登場。
微かにスティーヴを彷彿させる歌声で、実に堂々としたフロントマンぶりが眩しい 。


かなりのイケメンで華があり、ちょっとジョン・ボン・ジョヴィっぽく見える。
やはりスティーヴと比べると若干、声の線が細いが、それでも十分健闘していたのではと思います。


ヘヴィでキャッチーな 「 Gone too Far 」 が終わるとニックがギターを手にして、最新作のオープニングを飾る 「 Starlight 」 が始まった。
ギターを持った立ち姿も実にカッコいい。


新生 GOTTHARD を象徴する非常にパワフルな曲で、それに続くのは、彼らのライヴには欠かせない 「 Top of The World 」。軽快でキャッチーなメロディが秀逸なナンバー。


ニックが再びギターを抱えて始まったのは、「 Remember it's me 」 ... 。
アルバムに先駆けてネットにアップされたこの曲を聴いた時は、まるでスティーヴの魂が乗り移ったような歌声に複雑な気持ちになったものです。


続いては定番の 「 Sister Moon 」。


バンドを引っ張るギタリスト 「 レオ・レオーニ 」 と相方 「 フレディ・シェラー 」 は2人共、レスポールが実によく似合う。
この曲のカッコ良いギターリフと重いビートはハードロックの王道を見事に体現する。


グルーヴィーでストロングな 「 Fight 」 の後は、これまた彼らのライヴには欠かせない 「 DEEP PURPLE 」 でもお馴染みの 「 Hush 」。
オーディエンスと盛り上がるのにこれ以上の曲は無い程の大合唱。


大きな盛り上がりの後は、ニックが 「 スティーヴに捧げる曲 」 と紹介して、ピアノをバックに歌い始めた... 「 One Life,One Soul 」。


スティーヴの魂は常にバンドと共にあり、生き続けていると思います。


新作の中でも個人的にお気に入りの 「 Shine 」を演ってくれたのは嬉しかった。
切なく温かみのあるメロディが心地好い。


「 The Story's Over 」 はハードなリフのシャッフルナンバー。
髪を伸ばし、少しふっくらした(笑)ベースの 「 マーク・リン 」 とシンプルなセットながら気迫満点に叩き切る 「 ヘナ・ハーバッガー 」 の信頼感あるリズム隊も忘れてはならない。


レオがマイクスタンドに変声機を付けてコミカルな演出をする 「 Mountain Mama 」、これまたライヴ映えするクールなギターリフを持った 「 Right on 」。


レオとフレディが時折ステージ中央で向き合ってプレイする様を見ていると、やはり大きな会場をこなしてきた余裕と経験が滲み出ている様に感じた。


ダンサブルなシャッフルビートで大合唱を巻き起こす 「 Lift U Up 」 に続き、ラストはメロディアスハードロックの真骨頂とも言うべき 「 Anytime Anywhere 」 で幕を閉じた。


コンパクトでオーソドックスなサウンドは実にライヴ映えするし、鍛え抜かれたバンドのパフォーマンスは見応え十分だった。


あのスティーヴ・リーの穴を埋められるシンガーなど世界中探してもそうそう居るものではないが、ニックには頑張ってほしい。


他にも聴きたい曲を挙げたらキリが無いので、やはり次回こそは単独で観たいと思いますが、まずは突然の悲劇を乗り越え、戻って来てくれた事に本当に感謝しています。


「 GOTTHARD 」...そして、スティーヴの魂は不滅。




■ UNISONIC


メロディックメタルの基礎を作り、現代も後続に影響を与え続けるドイツの 「 HELLOWEEN 」 で一時代を築いた伝説のヴォーカリスト 「 マイケル・キスク 」 が遂に帰って来た。


しかも脇を固める豪華なラインナップの中には、かつて 「 HELLOWEEN 」 で苦楽を共にした盟友 「 GAMMA RAY 」 の 「 カイ・ハンセン 」 もいる。


そんな大注目のニューバンドのショウはデビューアルバムのオープニング 「 Unisonic 」 で勢いよくスタート。


80年代当時はブロンド長髪の美青年だったマイケルはスキンヘッドのガッシリした風貌に様変わりしているが(笑)、歌声は何ら衰えていない事に驚かされる。
あのしなやかで強靭なハイトーンヴォイスと細かいヴィブラートは健在で非常に嬉しい。


2 曲目は間髪入れずに 「 Never too Late 」。
アップテンポでキャッチーなメロディにマイケルの伸びやかな歌唱がピッタリマッチ。


フックのあるコーラスを持った 「 Renegade 」 、これまた壮厳な雰囲気の 「 King for a Day 」。


そして個人的にアルバムで一番好きな 「 I've Tried 」 がスタート。
まるで夜空に舞い上がるようなドラマティックなメロディの曲。


今や売れっ子プロデューサーとしても活躍する 「 PINK CREAM 69 」 の 「 デニス・ワード 」 が素晴らしいベースラインを奏でる。
元 「 PINK CREAM 69 」 の 「 コスタ・ツァフィリオ 」 は終始どっしりと安定したビートを叩き出している。


アップテンポな 「 My Sanctuary 」 ではマイケルのハイトーンも一層冴え渡る。


その後、今夜一番のドラマが待っていた...!


壮大なメロディから流れるように疾走を開始する......これは夢か...いや夢に違いない...。


「 HELLOWEEN 」 の超名作 「 守護神伝 第2章 」 から 「 March of Time 」。


場内は狂乱状態になり、サビでは大合唱の嵐...。
何という気高く美しいメロディなのだろう...。


カイと息の合ったツインリードを奏でるのは、「 ASIA 」、「 KROKUS 」、 「 GOTTHARD 」等で活躍してきたヴェテランギタリスト 「 マンディ・メイヤー 」。
渋いイケメンの彼もエネルギッシュにステージを動き回っている。


美しいバラードの 「 No One Ever Sees me 」 、バンドと場内が一体となった 「 Star Rider 」。


続いては、カイとマンディのギターソロタイム。


マンディが三連のイントロを導き、 「 Souls Alive 」 、コーラスメロディが GAMMA RAY を彷彿させる 「 We Rise 」。


カイが 「 パーティーしようぜ 」 と言って始まった 「 Never Change me 」 はこれ以上無い程にキャッチーなロックナンバーで大いに盛り上がる。
確かにこの曲はパーティー・ソングだ。


そして今夜のパーティーで誰もが待ち望んでいるのはもちろん HELLOWEEN のクラシック・ナンバー。


「 Future World 」 ...そして 「 I Want Out 」。


マイケルが苦悶の表情で熱唱し、その傍らでカイが満面の笑みでギターを奏でる...この光景を観られる事がまさに奇跡です。


自分が 14 のガキの時にメタル、ハードロックに目覚め、 「 HELLOWEEN 」 や 「 GAMMA RAY 」 を狂った様に聴いていたのを思い出します。
まぁ、狂っているのは今も変わりませんが...(笑)。


自分達の世代はマイケルとカイが居た HELLOWEEN は当然観た事がありませんし、マイケルは長年メタルシーンから遠ざかっていたので、正に伝説を目の当たりにできて感動でした。


やはりこれが自分のルーツでありスタイルであると再確認しました。


2 バンド共にそれぞれ特別な意味を持った今回のライヴでしたが、これからも益々躍進していってほしいと思います。


最高の夜をありがとう。
そして読んでくれた皆さん、ありがとうございました。
何のこっちゃサッパリな方々、すんません...(笑)。


Stay Metal!!


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