Jazz Lion's Valley(ジャズ獅子の谷)

Jump M148 - Report

奥入瀬渓流ジャズフェスティバル '99 Report

1999/11/14 (SUN)

奥入瀬渓流グランドホテル『清流の間』
青森県十和田湖町奥入瀬渓流温泉

 1999/11/14(SUN) 青森県十和田湖町奥入瀬渓流温泉『奥入瀬渓流グランドホテル』にて今年も奥入瀬渓流ジャズフェスティバルが開催されました。今回で9回目の開催となります。

 そして、今回の出演は、New York Unit と名付けられたこの面々!

James Carter (ts,ss) John Hicks (p) Richard Davis (b) 中村達也 (ds)

 このユニットのライブは、東京(新宿ピットイン)でも開催されましたが、そちらは平日の開催でしたので行くことができず、非常に悔しい思いをしていました。が、偶々目を通したジャズ雑誌の片隅に小さく奥入瀬渓流でも開催されるという記載を見付け狂喜!

 でも、このコンサートは、地元でもあまり宣伝されていなかったし、ジャズ雑誌の記載ミスもあったので情報収集に若干手間取りました。なんとか問い合わせ先へ辿り着き情報入手しました。その際、奥入瀬渓流グランドホテルのスタッフの皆さんには色々とお世話になりました。特に担当の高松さん、企画部長の坂田さんへ心より感謝申し上げます。

 さて、青森市から奥入瀬渓流温泉へのルートは、八甲田を縦走する山越コースと十和田市を通過して行く東回り平地コースが有りますが、既に八甲田は冬、積雪による通行止の畏れ有りという事で今回は十和田市経由(車で約2時間)で行きました。

奥入瀬渓流グランドホテル正面

 天気予報は雪マーク、降雪の可能性ありでしたので、ちょっと早めに昼頃、青森市を出発したのですが、晴天ポカポカ陽気、快適ドライブで午後2時前に到着しちゃいましたので、奥入瀬渓流グランドホテル内も探索。

岡本太郎氏遺作『森の神話』

岡本太郎氏遺作『河神』

 ホテル正面入り口を入ると目の前に巨大モニュメント出現。そこは2階から4階までの吹き抜けになっているコーヒー・ラウンジで、その真ん中に高さ8mのブロンズ製巨大暖炉が...これが、なんと、岡本太郎氏の遺作『森の神話』(写真左)。

 隣の建物になりますが、第2グランドホテルのラウンジには高さ10mのアルミ合金製巨大暖炉、同じく岡本太郎氏遺作『河神』(写真右)が有ります。

 ライブ開始までは時間がありましたので奥入瀬渓流の探索を...徒歩で奥入瀬を1周してホテルまでの所要時間約30分コースの途中、川向こうから見た奥入瀬渓流グランドホテルが下の写真です。

奥入瀬渓流グランドホテル背景

 あ、そうそう、分かれ道に差し掛かり、こんな立て札を発見。クリックするとアップの写真が見られますので、究極の選択を考えてみてください。

分かれ道

 そんな事をしててもまだライブ開始まで時間が有りましたので、ここはやっぱり温泉、ひと風呂浴びようという事で...フロントで尋ねたら、入浴料金はコンサート・チケット代に含まれているとの事。ワンドリンク&温泉入浴付きで前売り2,300円とは安い!

 温泉に入り、ちょっとお腹も空いてきたので軽く何か食べようって事で会場となる清流の間の前に準備された模擬店へ。もしかしたら、出演者達に会えるかも知れないという期待も有りましたが、見事に予想的中! ジョン・ヒックスさんをGET! 持参したCDジャケ全部にサインを貰い、名刺交換なんかやらかしてHPのリンク許可もいただきました。

 さてさて、いよいよライブ開始。会場へは三沢市からも近いので米軍基地関係の方々も大挙来場。広さ800畳の清流の間が満員状態。と言っても、市民会館などのホールの狭い椅子空間とは違い、基地の人達の体型も考慮されて座席はゆったりと設置され非常に快適。更に、観客が日本人だけとは明らかに異なる雰囲気が...

 James Carter のアルバム " JC On The Set " の1曲目、アルバム・タイトル曲から開始されたライブは、もう J.Carter の独壇場。とは言っても、John HicksRichard Davis の老練かつパワフルなサポートが、何を演っても許されると迄ファンに言わしめる掟破りお構いなしの J.Carter をより一層生き生きとさせていたのは言うまでもありません。

 一言で言って楽しい! こんなに楽しいジャズのコンサートが有って良いのだろうか、とまで思わせるステージでした。時には怒りにも似た熱情が吹き上げるシーンも有りましたが、さらりとユーモアも交えて深刻な事にはならないという J.Carter 特有の雰囲気。それが、生で味わえたのは貴重な、いや、楽しい経験でした。

 サーキュレーション約2分間のロングトーンは見慣れない人にはノンブレスに見えたようで、「なんちゅう肺活量しているんじゃ!?」という驚嘆の声もチラホラ聞こえていましたが、あれは曲を無視するのなら何分でも演れますよネ。

 それから、リードをくわえずにサックスを鳴らすという荒技も登場し、PAを含めて楽器として捉えている感覚が今更ながら J.Carter が突如登場して来た頃の驚きを思い出していました。やっぱり生も凄かった。

 ベースのリチャードさんは、椅子に座っての演奏でしたが、なんか膝が悪いようです。ライブ終了後、上記の岡本太郎作巨大暖炉前で記念写真撮影をしていたら丁度リチャードさんが通りかかったので、一緒に写って欲しいと頼んだら快くOK。一緒に腰掛けて撮影をしてから立ち上がるのが辛そうでした。んで、立ち上がるのをお手伝いしたワケですが...なんと、あの Richard Davis を抱きかかえる状態になっちゃいました。温泉に入っておいて良かった。f(^o^;

 んで、ピアノのヒックスさん、もう言うこと無し! このユニットの事実上のリーダーでした。これまで参加した数々の名盤では名脇役的存在でしたが、まさにその極致を見せていただきました。ベースとのデュオが、これまたシットリと...飲みながら聴きたかったなぁ〜。

 演奏終了後、地階ロビーではCD即売&サイン会が行われたのですが、その時の写真です。

 ぢつは、このHPでこれらの写真を公開して良いか、被写体の皆さんに聞きながらの撮影だったのですが、カーターさんは、ちょっと悩み気味でした。そこへ、ヒックスさんから「イイだろう。OKしてやんナ。」の一言でOKとなりました。(ヒックスさん、ありがとうございました。)

 んで、これ等の写真には写っていませんが、このツアーには、フルートの Elise Wood が同行していました。休憩時間に外に出てみると、なんか見たことが有る感じの女性がCD即売コーナーに居たんです。もしかして、と話し掛けてみると、やっぱりエリスさんでした。持参していたCDにもエリス参加のものが有りましたので、ヒックスさんのサインと並んでエリスさんにもサインして貰いました。いやぁ〜、これには驚いたと言うか、嬉しかったです。嬉しさのあまり、写真を撮り忘れてしまいました。エリスさん、ごめんなさい。

 さて、このページを登録したら、その旨、出演者の皆さんへ御報告メールを送らなければ...でも、日本語のみだからナ〜。

 サインして貰いながらカーターさんには、「日本語のみのページなんです。ごめんネ。」と話したら『ま、イイから、イイから』なんて言ってくれましたが、どうやって読むのでしょう。(-。-?

 そんな感じの晩秋、いや、初冬の奥入瀬で炸裂した極上ライブと、心温まる交流(大はしゃぎとも言う)のひとときでした。

 本当に素晴らしい演奏、ありがとう。また来てネ! > 出演者の皆さん

 今度来た時は、フルート吹いてネ。v(^o-)☆ > エリス

 では、そゆ事で、ヨロシクどぉ〜ぞぉ〜。(^o^)/~~~~~