オアシスとアメリカ






オアシスとアメリカ。それは日本で言う、オアシスと福岡かもしれません。

とにかく、オアシスはアメリカとは相性が合いませんでした。

彼らが、デビューしてアメリカを最初に体験したときはまるで悪夢でした。





レコード会社の人がすたすたやって来て






























「やあ、初めましてロアム






























ところで君の兄さん、ナイルはどこにいるんだい?




とか言われます。






またまた、こんなこともありました。


あるラジオ番組で、ディスクジョッキーはオアシスをゲストに迎えていたんですね。


それで、彼らが大喜びするに違いない

























内緒でブラーを呼んでいたんです。あほですか。







デーモンが後からやって来て「やあ、こんにちは」と言った瞬間に、リアム氏電光石火でキレる。







アメリカはオアシスを知りませんでした。知ってたら、いくらなんでもブラーは呼びません。


イギリスの音楽は、ここのところアメリカでは成功していなかったんですね。


スウェードしかり、プライマルズしかり。
ことごとく、アメリカでは受け入れられません。


マネージャーのマーカスは、オアシスならアメリカをもターゲットにできる
と確信していたんです。













ところが、結果的には成功したとは言えません。

モーニンググローリーだけが、ビルボードのトップ10にランクイン。
ワンダーウォールがシングルで21位となったのが最高で、もうそれ以降は特に売れませんでした。






なぜか。まず、オアシスはライブ終了後にアメリカのプロモーターやレコード会社の連中と会おうとはしませんでした。

アメリカでの成功を目指すには、こういった人たちの協力が必要だったんです。だけど、「面倒くさいから」しなかったんですね。





また、アメリカではあまりにも英国的な音楽は受け入れられません。ビートルズは別にして。






これは、アーノルド・トインビーという歴史学者の言葉ですが、




「アメリカ人は、どの国に行っても英語で話そうとする。ハンバーガーを食べて、コーラを飲む。
どこの国にでもアメリカン・ライフスタイルを持ち込もうとする。それは、自国が世界でもっとも優れた
民主主義を実現しているという自負があるからだ」





そして、グローバルスタンードはアメリカンスタンダードだと思っているんですね。
そのことが、世界中でうまく通用していないことには気がつかない。





おそらくは、アメリカがもっとも優れているというこの自意識が
ブリティッシュロックを受け入れないのではないかと思います。



アメリカ人にとって、オアシスのライブは分からないという意見もありました。







何だ? あのボーカルは。

















ただ、突っ立っているだけじゃねえか! ってな具合です。









そんなこと言われたら、反論の余地がありません。









アメリカでは、ショー的なものが好まれます。プロレスでもそうですし、ボンジョビ、エアロスミス、マライヤキャリー

などは舞台セットや演出に気を使っています。




視覚的に楽しめること
。それが、つまり分かりやすいんですね。


要するに、リアム氏がひたすら突っ立って歌っているのなら、


踊ったりとかなんかできるだろうという感じです。なぜ、そうしないのかが分からないんです。








リアム氏だって、彼には彼なりの信念を持って突っ立っているんですよ。たぶん。



ま、そんなわけでアメリカではオアシスは基本的に売れません。


また、ギャラガー兄弟もこの国にはなんだかインチキ臭さを感じておりました。
良い印象を持っていないんですね。

9・11の飛行機テロで、リアムギャラガーはこう答えております。




「あなたは今回のテロについてどのように思われましたか?」




















「飛行機は嫌いだ。アメリカには、二度と行かねえ!!」






と、まったく方向違いなコメントです。






とにかく、アメリカはオアシスにとって鬼門というべき場所です。






ここで、記念すべき第一回オアシス解散騒動がありました。




ウィスキーという場所でギグをやっていたオアシス。

ノエル氏のえのえとギターを弾いていたら、リアムの様子がどうもおかしい。


時々、ステージから姿を消していくリアム。


実は、覚醒剤をアンプの後ろに隠していて、ショーの最中にキメていたんですね。
















ノエルはこれを知って激怒!!!「のえ!」と怒鳴る。




が、リアム氏

























なぜかタンバリンでノエルを叩く・・・・・・








ノエル氏、ツアーの途中で行方不明。この時、オアシスを辞める決意をしていました。








リアム氏、さすがに反省する。




これは、マジで解散の危機だったらしいです。






さらに、二度目のアメリカツアーです。この時には、大変なことが起こりました。




なんとですね。ボーンヘッドがですね。




























歯が痛いとのたうちまわります。やはり鬼門です。









この後もアメリカツアーを行おうとしたら、ギグジーが疲労でダウンして、代わりに入ったベースの人も










途中で「とにかくもう帰りたいんだ」と帰省。




ボーンヘッドがベースに入って、ギグは続けられました。




極めつけは9回目のアメリカツアー、1996年のことです。


3日に2日の割合で、激しく口論し、ついには殴り合ってギグは中止。



発端は、引っ越しが忙しいんだとリアムがツアーに来なかったことです。




急遽、ノエルひとりでボーカルを取りましたがチケットはあんまり売れませんでした。



またノエル怒り爆発。リアム氏逆切れのスパイラル・ツインシュートです。











1996年9月13日、タブロイド、及び一般各紙は一面で「オアシスは解散した」と報道。









というわけで、オアシスとアメリカは相性が悪いんです。本当に、悪いんです。




最後にカリフォルニアのラジオ局での様子をどうぞ。


出演者は、ノエルさん、ボーンヘッドさんです。リスナーが様々な人生の悩みや疑問を持ってきて、


オアシスのメンバーに答えてもらおうという企画みたいです。










この時点で、もう間違ってます・・・。







ジェニーさんという女性の方です。


「彼がすぐに別れたがるの。


私、なんとか立ち直ろうとして他の人とデートしようとしたらね。
彼氏からまた電話がかかってきて、ヨリが戻っちゃうの。


そんなことの繰り返し。どうしたらいいのかしら?」



















ボーンヘッド「別れちゃえば!」





























ノエル「訴えれば!!










いや、ヤツを訴えて、そいつに















ブラーのアルバム買ってやれよ!!!











ボーンヘッド「でも、少なくとも君の名前はジェニーでいいじゃん。
















俺なんてボーンヘッドだよ。













俺のことも考えてくれよ!!








相変わらず、まともに答えてません。他にも、「あなたたち喧嘩ばかりしてるって聞いたけど本当なの?」



という質問にノエルは




















「こんどしてみるといいよ!」と答える・・・・・・。





「それに、ホテルを壊したこともあるって」という質問には

























「これこそロックンロールだぜ!」と開き直る・・・・・・・・。








ますます、アメリカでの印象を悪くしたのでした。のえ。










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