ジョンジー「ZOOMA」ツアー
kimiyさんのJPJライヴ・レポート
12月8日。いざ大阪へ、と勇んで出かけた私は、駅に着いた途端愕然とする。”車両点検のため、在来線運休中”・・・うそぉ〜?!このままじゃ新幹線に間に合わない。会場はスタンディングだから、6時の開場時間に遅れるわけにはいかないというのに・・・。
タクシーのおじさんを急かし、運賃8千円をかけて何とかセーフ!ああ、なんとも幸先の悪いスタートだ。
新幹線の中で、私に付き合って、仕事を休んでついて来てくれた兄が、「どんなコンサートになるのかな」と、不安げに呟く。19年ぶりに活動を始めたジョンジーが、一体何をやるかなんて私には想像もつかない。でも、とにかく彼に会いたかった。実物に会えたらそれで良し。青春の原点をこの目で確かめたらそれだけで大阪まで来た甲斐はあるというものだ。5時過ぎ、心斎橋クワトロ到着。リハーサルの音が聞こえる!「SnakeEyes」だ。おお〜、これをやるのだな。この曲は私のお気にいり。
6時開場。2列目ではあるが、ちょうどベースラップスチールの近くをゲット。ここならキーボードも良く見える。前にいる背の高いおじさんがちょっと邪魔だが・・(苦笑)
7時ジャストに開演。まず、2人のメンバーが登場。ニックは、スコットランド衣装のスカートみたいなのをはいている。
正式には、この衣装の下には何も着けないのが仕来たりだとか聞いた事があるが・・・まさかね、ちゃんとはいてるでしょ。(笑)そしていよいよジョンジー登場。黒のTシャツに黒のズボン。主役が一番地味。「ジョンジー!」の掛け声がかかる。私も叫びたいのだが、如何せんこの歳になると、理性が邪魔して声が出せない。
しかし、礼儀正しいオーディエンスもスタンバイOK。10弦ベースのフレットが点灯して「Zooma」が始まると、うぉ〜っと、一気にボルテージが上がる。これは、CDで聴いたのとは断然インパクトが違う。
地鳴りのようなベース音が会場を包む。そのプレイに、長い間活動していなかったとはとても思えないほどの余裕を感じさせるジョンジーは、やはりタダモノではない。ノーテンキというか、どんな時にも自分のペースを守れる人なのだろう。語り口調は非常に穏やかで(寝ぼけた声とも言えるが)、オーディエンスをあおるような事はしない。泥棒歩きでコソコソとペットボトルを取りに行くと、すかさずライトが追いかける。おっ、しまった!という仕草はひょうきんで、マルセル・マルソーよろしく、パントマイムを見るようだ。
ささやくように「Rock'n roll」と言う。叫ばないのがジョンジー流。ベースラップスチール、ベースマンドリンと言った珍しい楽器が紹介されながら演奏は進み、すっかりアルバム[Zooma]の世界に浸ったところで、ドライアイスと共にアノ曲が流れてきた!!
「NoQuarter」だ。本物だ。大きな歓声。そして静寂。自然と涙が溢れる。ゆっくり回りを見ながらキーボードを弾くジョンジーと目が合った気がして、ウルウル状態の私はすっかり少女気分。これで更に盛り上がりを見せた前半は、お気に入りの「SnakeEyes」で終わった。キーボードを弾きまくる彼をこの曲では堪能。最後の繰り返しの所で、まるで「・・2回、3回・・」と数えているような表情にちょっと不安になるも、何だ・・ちゃんと間違えずに出来たじゃない・・心配した私がバカでした。(苦笑)
15分の休憩に入った途端、後ろから「アンコール♪」の声。ずれた人がいる・・・。(苦笑)
後半は、伝説のトリプルネックギターを抱えての登場に、一際大きな歓声。ギターの裏に描かれたシンボルマークをちらっと見せてくれるサービスも。全ての弦を使って自在に弾きこなす彼はやはり天才。後半のメインは「WhenTheLeveeBreaks」。ベースラップスチールでこの曲が始まると、興奮は頂点に達した。ボーカルのメロディーをうまく織り交ぜたアレンジは、ZEPのそれを聴いているかのような錯覚を起こさせる。
この楽器は、不安定なのか時折音が出なくなる。しかし、ジョンジーは全く慌てる様子も無く、脚部をカンカン叩いてまるで遊んでいるように見せながら調節していく。
あの難物メロトロンを操っていた時代も、こうやってごまかしながら切り抜けていたのだろうか。
何をやっても穏やかな彼は、バンドのムードメーカーだったのかも知れない。
映画「永遠の詩」で、「DazedAndConfused」のギターソロの時ボンゾと二人顔を見合わせて「どーなってんだ?」「さぁ〜、しらないねぇ〜」とか言っているようなジェスチャーをするアノ場面をふと思い出す。アンコールは「TrampledUnderfoot」と「BlackDog」。いずれもジョンジーが大きく関わった曲だ。
思い入れもさぞかし大きい事だろう。ボーカルのないハンディを感じさせない見事な構成。
「BlackDog」では、オーディエンスも”oh yeah!””ah−−!!”の合唱で応援する。皆で一緒に最後まで駆け抜けた。
ZEPの真髄を十二分に楽しませてくれたジョンジー。私はあなたの威力を再認識しました。
ものすごい汗を流しながら、皆の並々ならぬ期待に答えてくれた。
ありがとう。そしてお疲れ様。
前のおじさん、何度も背中を叩いてゴメンナサイネ。帰り道、「すごかったなぁ〜。ジェフ・ベックの時より良かったよ」と兄。だから言ったでしょ。私は一人でも行くよ、ジョンジーは何かやってくれるに違いないって。
現在、三人三様のZEPが存在する。いずれも正直で、みんな正しいと私は思う。メンバーにとっても、ファンにとっても、ZEPは永遠に終わらない。
歳を重ねた彼らの人生は、後に続く私達にとってその栄光も戸惑いも確執も全て見本のようなものだ。
前進しつづける彼らを、これからも応援していきたい。世界に冠たるZEPのファンの一員であることを、私は今誇りに思う
セットリスト
Zooma
Goose
Grind
TheSmileOfYourShadow
NosumiBlues
NoQuarter
SphagettiJunktion
SteelAway
SnakeEyes
(HALF TIME)
Acc.GuitarSolo(TripleNeck)
CrackBack
Bass'N'Drums
B.Fingers
JumpBlues
WhenTheLeveeBreaks
Tidal
(ENCORE)
TrampledUnderfoot
BlackDog
日本ツアーの日程Mon November 22 Shepherds Bush Empire, London J A P A N E S E T O U R :Tue December 7 Club Quattro, Nagoya Wed December 8 Club Quattro, OsakaFri December 10 Shibuya Kokaido, TokyoS\7,000 A\6,000(税込) *\7,000 (スタンディング・税込) 総合お問い合わせ先 ウドー音楽事務所 03(3402)5999
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