プロレスラー列伝6
ストーンコールド・スティーブ・オースチン。
この粗野でいて下品極まりない人物が登場して、すでに10年近い。
驚くなかれ、WWF以前のストーンコールドは、なんと金髪をなびかせたハンサムな男、で売っていた時期もあったのだ。
ふさふさの頃
金髪なびかせて戦っていました
それがだんだん髪が短くなり、しまいにはスキンヘッドになってしまった。
だんだん短めに
山羊髭も伸ばした。
とうとう、こうなりました
「ハゲはかっこいい」というハゲ・ブームを全米にもたらした男である。
試行錯誤の末、オースチンは「体制に楯突く男」のギミックになった。
体制側とは、もちろんオーナーのビンス・マクマホンさんである。
ビンスに中指を立て、ののしりコケにして、しまいにはスタナー(技の名前)を決める。
これにアメリカ中、いや世界中の、
「上司に鬱憤を持ってはいるが、何もできないサラリーマンや勤め人」の共感を得て、信じられないくらいの人気を得たのだ。
しかし、ビンスもただ者ではない。
「ストーンコールドと対戦して勝つため」肉体改造計画を実施。
保冷庫の中で吊るしてある牛肉にパンチしたり、生卵を10個まとめて飲んだり、大雪の中をランニングしたりした。
億万長者のくせに、そんなことをするビンスはえらい。
しかしそこまでしても、ストーンコールドに負けてしまう。
ストーンコールドは相変わらず人気者だったが、首の故障は試合に耐えられないくらいになってしまっていた。
で、「首を怪我してるので、欠場します」とあっさりいかないのがWWFのすごいところで、
「何者かに轢き逃げされて重症を負う」というギミックが用意された。
駐車場で走ってきた車の上を一回転しての、スタントマンも使わない演技。
これの黒幕はHHH,実行犯はリキシであった。
ストーンコールドが欠場したとたん、NY証券取引市場での、WWF株は一気に値を下げた。
WWFは、一部上場企業なんである。
NY証券取引所上場で働く皆さん
株を買ったら、優待券とかくれるのだろうか・・・。
ともあれ、復帰したストーンコールドは、今までの凄みのある悪者から序じょに情けない小物になっていった。
ファンはその姿に涙し、「オールド・ストーンコールド」の復活を願った。
今まで反抗ばかりしていたビンスの寵を争って、カート・アングルなんかと「ビンスへのハグ合戦」をしたのも情けないし。
音痴のくせに、「ビンスに捧げる歌」なんかがなりたてるのも、しみじみ悲しい。
そのころ抗争をしていた、アライアンス側に寝返った理由も「ビンス、俺ってもんがいるのにロックなんかに電話しやがって。
いつもオフィスで電話ばっかしやがって、一体誰にしてるんだよ。」なんだよ、これはーーー。
まるでもてない男が、振られた時のいい訳みたいではないか。
「俺っていい彼氏だったろ。ベッドでもいい仕事したのに」
ストーンコールドは愛が欲しかったのか・・・・
ことわっておくが、ストーンコールドは男なんか好きではないのである。
彼には「デブラ」という奥さんがいて、胸がFカップは優にある、パツキンの美女である。
いつもクッキーを焼いてくれるが、これは激マズで「俺はこれを食って、3日寝込んだ」BYストーンコールドという代物らしい。
デブラ、趣味はお菓子作り
アライアンスというのは、親に反抗したどら息子のシェーンと、妹のステファニーが団体の株を買い取って、
WWFを抹殺するためにオーナーになったもので、ストーンコールドは、そこのリーダーにおさまった。
ストーンコールドは、WWFの重役になったこともある。
それは、例のアンダーテイカーによるビンス黒幕、のステファニー誘拐の顛末に呆れ果てた
最高経営責任者・リンダ・マクマホン(ビンスの妻)により、なんと重役に指名されたのだった。
Tシャツ(これしか着ない)の上に、ネクタイを結んだストーンコールドはマヌケだったが、
その経営姿勢にも目を見張らせるものがあった。
勤務中はビールを飲まなければいけない。など、もう滅茶苦茶。
彼の「リングでの、一人カンパイ」はあまりにも有名である
コーナーに立つと、客席からビールの捧げ物が
名人芸でキャッチ
2つの缶ビールで一人乾杯
ヤツに経営のことなどわかるものか。
ということで、またマクマホンさんと抗争したのだが・・・
まあこれは過去の話で。
アライアンス・リーダーになっても、ストーンコールドの小物ぶりは留まるところを知らない。
売り出し中のRVDをハグで懐柔しようとして失敗すると、小姑の意地悪のようなことをしたり。
RVD懐柔作戦
アライアンス対団体(WWF)の対決の機運は熟し、「10人マッチの末、負けた方が消滅する」という条件で決戦が行われる。
アライアンス側は、裏切り者はストーンコールドではないか、と疑っていたのだが、
実際裏切ったのは1ヶ月前アライアンスに寝返っていたカートだった。カートのせいで、アライアンスは消滅。
しかし最後に一人残った、ストーンコールドが孤軍奮闘する姿は、まじ美しかった。美学があった。
「ビンスのケツにキスする会」の入会を拒んだストーンコールドは、だんだん元の凄みのある悪に戻っていくようである。
得意げに「ビンスのケツにキスする会」の入会を強制するビンス
ストーンコールドに逆襲され、ケツをしばかれるビンス
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