プロレスラー列伝5
ザ・ロック物語
ロック様―――なぜ彼にだけ「様」がつくのか。
それは実は、「The Rock Says〜」という文章を、(ロック様曰く)とJスカイで訳したかららしい。
しかしロック様とて、最初から「様」つけで呼んでもらえるほど偉くはなかった。
彼は毛並みがいいのである―――3代続くレスラー一族の末裔。
おじいさんも、お父さんも、偉いレスラーだった。
祖父 父
だからロック様は、子供の時からレスリングの世界で育ってきた。
しかし学生時代は、アメリカン・フットボールにうつつを抜かしていたらしい。
学生時代
その後、一念発起してWWFマットに登場。
その時のロック様は、いやただの「ロッキー・メイビア」はマヌケだった。
ギミック的には、「誰にでも好かれる、アメリカの好青年」。
そんなものが受けるわけはないのである。
衣装も「なんだよそれ」と、首をひねるリオのカーニバル状態。
凄い衣装
がんばって売り出して貰ったが、いっこうにブレイクしない彼にイライラしたのか、WWFは速やかに路線を変更。
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そういえば、WWFはWWEに名称変更したのです。
なぜかというと、パンダのマークの「WWF]と名称使用裁判で争って、負けたからです。
パンダは強い―――
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再登場した時、リングネームも「ザ・ロック」に変っていた。
マヌケな水色のタイツも、黒に変っていた。
林家三平のような半端な長髪も、かっこよく短くなった。
超ゴーマンな天上天下唯我ロック様、豪気な兄ちゃんの誕生である。
ロック様の羽織るシャツはベルサーチ。500ドルもするらしい。
ベビーフェイスになること(あの世界でいう、よい人になること)は簡単だった。
誰が言ってくれるのでもない、自分から言い出した「皆のチャンピオン」というフレーズも受けた。
ロック様はマイク・パフォーマンスの名手である。
マイクパフォーマンス
古今東西、右に出るものなし!
口から先に生まれてきたんではないか、と思うくらいすごいんである。
読者の皆様も、Jスカイで熱心にリスニングして頂くと、きっとアメリカの下品なスラングに精通できると思う。
*****ごく一部の例文*****
Just bring it!(かかってこい!)
Shine it up real nice, turn it sideway,and stick it
Stright up your candyass!
(そいつをピカピカに磨き上げ、ひっくり返して、おまえのケツに突っ込んでやるぜ!)
I’m gonna drug your roody−poo
candyass down your Role Blvd., hang a right at jabrony Dr.and proceed check your monkey ass DIRECTRY into Smackdown hotel!
(貴様のキャンディみたいなべとべとのケツを、「身の程知らず」大通りに引きずり出し、「負け犬」通りを右に曲がって、貴様のサルみたいなケツを、「お仕置き」ホテルにチェックインさせてやる!)
Who in the blue hell are you?
(貴様、何者だ?)
訳なしで分かったあなた!!
あなたは偉いです。しかし憶えたところで、なんの役にも立たないでしょう。
喧嘩を売っているだけですから。
こんなセリフを、ロック様は一字も間違えず、しかもアドリブで機関銃のようにまくし立てるのである。
これに左眉をグッと上げる「ピープルズ・アイブロー(皆の眉毛)」があれば完璧である。
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ピープルズ・アイブロー
ロック様出世の糸口―――それは口先もさることながら、どんな不利な勝負もけして逃げない勇気と男気、
そして決め技にあった。
決め技の白眉は、「ピープルズ・エルボー」(なんでもピープルズがつく)であろう。
これは、実はただのエルボー・ドロップなのである。
助走をつけて、倒れている相手の体をまたぎ越し、一往復。
そして、「今までの助走はなんだったんだ!?」という突っ込みを入れる間もなく、立ち止まって腕を交差。
それでエルボーを決める。というあまり説得力のない技なんであるが、継続は力なり。
@立ち止まって、腕を交差
Aエルボー!
使い続けているうちに、観客の間には「もしかして、すごい破壊力を秘めている技なのかも・・・」
というある種の信仰が生まれたのだ。
ロック様にはアンダーテイカーなどと違って、あまりギミック系のストーリーはないが、
存在自体が面白いので、それでいいのである。
ロック様は映画スターでもある。
「ハムナプトラ2」では伝説の「蠍王」スコーピオンキングに扮した。
ハムナプトラ2のロック様
この映画自体、しようもないもんだったのだが、なんとこれの続編まで出来てしまった。
「ザ・スコーピオン・キング」というのがそれで、日本では今夏公開予定。
スコーピオンキング
アメリカでは、興行収入1位になったらしい・・・・さすがアメリカである。
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