ペイプラ、ニュースステーションにご出演

 

1994年11月10日(木)

 

「BBCにおける撮影を終え、ペイジとプラントは、日本、オーストラリア、アルゼンチンを回るプロモ−ションツアーに出発した。東京では、テレビ番組「ニュースステーション」に出演している。この番組のために2人が特別に演奏した曲は、瞠目すべきものであった。「天国への階段」である・・・・・。シンプルなスタジオ・セットの中で、スツールに腰掛けた2人の姿が写し出される。ペイジが黒いオーヴェーションのアコースティック・ギターをつまびき、プラントはもはや歌うことのないはずであったこの曲を,3分間に短縮したヴァージョンで,驚くほど忠実に披露している。「天国への階段」には、長いことネガティブな妖気が憑いていた。この、一度きりの演奏が、それを祓うこととなったのである。実に不遇であったかつての代表曲が、ここにやっと、その本来の栄光を取り戻している。」

          デイブ・ルイス&サイモン・パレット共著「レッド・ツエッペリンコンサート・ファイル」より

 

久米宏「かのレッド・ツェッペリンという伝説的なグループがありましたが、そのレッド・ツェッペリンが今から14年前に解散したんですが、そのレッド・ツェッペリンから、その後14年ぶりにお二人デュオを組んでCDをお出し になったんですよね。ご紹介しましょう。ジミー・ペイジさんは違いますよ。今出ていらっしゃる方はロバート・プラントさんです。こんばんは。

 

ロバート「Good evening」

久米宏「そして、カメラマン,右へ。ミスタージミー・ペイジです。こんばんは。

ジミー「Good evening」

久米宏「ジミー・ペイジさんは私と同じ1944年生まれ。とっても嬉しいですね。50歳になってこれから新しく出発して頑張ろうなんていう同じ年代の人がいるとね、嬉しいですよ、とっても。」

ジミー「Yes」

ロバート「まさにイギリスでは春の鶏みたいな言い方をするんですけど。ちょっと皮肉なんですけど、お二人(ジミーと久米宏)のように年を取ってしまっているので、でも春になって最初に生まれたヒヨコのように、初々しいと皮肉を言ったようなものなんです。」

久米宏「二人とも50歳で年なんて言って、あの人(ロバート)46でしょ?」

ロバート「ちがいます。36です。」

久米宏「若いと思った。どうも。」

ジミー「昨日は確か26って言ってたんだよ。よくわからないね。」

久米宏「あさっては66だ。」

ロバート「髪の毛がブロンドだと、こうしてみんなでいじめるんですよね。」

ジミー「私はもう1000歳ですけど久米さんはまだまだお若いですよ。」

久米宏「いやー、そんなお世辞を言ってる場合ではないんですけどね。今度のCDの中には新しい曲も入っているんですけど、昔のレッド・ツェッペリン時代の大ヒット曲もいくつか入っているんですよね。さっき実は1時間ほど前に、あの、この方たちは二人でデュオを組んでから、とにかくテレビカメラの前とか人前で歌ったり,演奏したことがないんです。CDを聴くしか、あとはプロモーション用のMTVしか演奏してないんですよ、全然人前とかカメラの前で。ところが今夜1時間ほど前にやってくれたんです。リハーサルの時は別の曲をへらへらへらへらやってたそうですけどね、カメラが回ったらね、レッド・ツェッペリンの時の大ヒット曲「天国への階段」をやって下さったんです。早速それを聴いてみましょう。それでは・・・。」

     

 

 

 

久米宏「あちらにいるミス小宮はお二人のファンというより、信奉者に近いんですけど、質問あります?」

小宮悦子「いやー、もう胸が高鳴るってこういうことを言うんですね。まさかここで「天国への階段」をご当人に演奏していただけるとは私にとって今日は1番のビッグニュースです。」

久米宏「質問になってないじゃないか。」

ロバート「一度もしよろしかったら歌いましょうか?」

小宮悦子「本当に?後で私だけのために歌って下さい。いろいろな昔のビッグ・バンドがね、再結成するというニュースがこのところ相次いでいるのですけど、お二人は今日の記者会見でもずいぶん言ってらっしゃいましたが『ツェッペリンじゃないんだ、僕達はもう』って。これはどういうことでしょうか?

ロバート「まずはやはりレッド・ツェッペリンとしての伝説の重みを一度取って、新しい歌を作らなくてはいけないと思ったのですね。この新しい時代には新しい歌が必要だし、そのためにもたくさんのメンバーを含めておりまして、エジプト人、モロッコ人、インド人その演奏者と共に新しい音楽をというふうに考えております。」

久米宏「今日の演奏でレッド・ツェッペリン時代を知らない新しいファンが大勢増えると思います。

ロバート「そうだといいですね。」

久米宏「今日は本当にありがとうございました。椅子とかあそこにあるスタンドとか壊さないで帰っていただきたい。テーブルとかわらないように。」

小宮悦子「乱暴者じゃないんだから・・・」

ロバート「聞いたんですか?そういう噂を。」

久米宏「とにかく、日本に来た時はホテルから何から汽車の中から皆メチャクチャに壊して帰ったそうですからね。とにかく、ここらへんのみなは保険に入ってないのでよろしくお願いしますね。壊さないで、高いんだから、このテーブル。」

ロバート「まだ、あの時のお金を払ってるんです。弁償を,実は。

久米宏「どうもありがとうございました。」

ロバート「Thank you very much,good−bye」

*注 このインタビューは通訳を介して行なわれました。ロバートとジミーの言葉は通訳によるものです。

資料提供 そりさん

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