ストーンズファンの主張
「ビルワイマンこそロックだ」
MOJOさん
以前から何度かビルワイマンがストーンズに愛想を尽かしているとの記事を雑誌で読んだ事がある。
その当時はビルもまだストーンズで現役で、時代はUNDER COVERが出た当初だったか…
その記事では、ストーンズのレコーディングでは、殆どビルは姿を見せず、キースとロンウッドで殆どのビルのベー
スパートを考え、ビル抜きにしてレコーディングを進めているんだと…
そしてビルがストーンズを脱退した。オリジナルメンバーのビルが。
やはりやる気が無かったのだろう。
ビルと言えば、私の友人の間では、ストーンズイチの女好き、
ストーンズの歴史を細かく記録し取っておいて、それを出版し、金儲けの為に生きるずる賢いヤツ。
ロンドンにSTICKY FINGERSなるレストランを経営し、私腹を肥やす人生。
そんなイメージを彼に以前は抱いていた。
そんな彼のインタビューが以前英国のTV番組で取り上げられ、その彼に対するイメージについて、考え直させら
れた。
ビルワイマン曰く、ストーンズにはずっと飽き飽きしていた。
ストーンズは本来ミックとキースのバンドで、ビルがいなくてもストーンズは活動を続ける事が出来る。
なにしろ、ミックとキースの作る、いかにもマーケットを意識したストーンズらしいアルバムを作る事に誇りを感じて
いるバンドには何の魅力も感じなく、ビルにとってストーンズはスタイルにこだわり過ぎていて、何も創造性が無い
バンドに思えるらしい。
その後、ビルがストーンズのメンバーの事を批判し始めた。
ミックは頭が良いので、自分の音楽のこだわりと、ストーンズのフロントマンのバランスを上手くこなし、今後もスト
ーンズを続けて行くだろう。またミックのブルースハープの技は群を抜いており、ブルースプレイヤーの中でも、トッ
プの方ではないかと。
キースは、ストーンズ以外に彼のできる仕事は殆ど無く、今後も彼はリーダーシップをとってストーンズの活動を続
けて行くだろうと。
チャーリーについて本当は素晴らしいジャズドラマーで、ジャズに対してのこだわりはあるが、ストーンズに対して
のこだわりは殆ど無い。チャーリーも既に長い間、ストーンズで活動を続けていたので、今更別のキャリアを考える
事は出来ない。時が遅過ぎたのだと。今更チャーリーが無職になってしまうよりは、ストーンズを続けるのでは無
いかと。
ロンウッドに対してのコメントは殆ど憶えていない。
そこでビルが言っていた言葉に、私は衝撃を受けた。
ビルにとって人生は短いし、無駄な時間は無いのだと。
やる気の起こらないストーンズで活動をだらだら続けるつもりは無いし、商業ロックなストーンズに戻るつもりも無
い。
ビルはビルの好きな音楽を楽しむ事が、人生で一番重要なんだと。
勿論ストーンズの時は、プライベートジェットで移動、経済的にも音楽的にも廻りのスタッフが全てセットアップして
くれる、何の不自由もなかった生活だった。
そこから初心に戻り、例え長距離バスの移動でも電車の移動でも、楽器を自分で運ぶ事になっても、ストーンズを
やめた事に対しては後悔していない。
何故なら自分の愛する音楽をプレイできるのなら、プライベートジェットも贅沢も必要無いからだと。
この時、私は自分の人生について考え直させられた。このままで良いのであろうか。
人生を振り返らない、ストーンズという組織に未練を残さない。ビルワイマンこそロックだ。
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