プロレスラー列伝11

ダッドリーブラザーズ物語

その昔、アメリカにはフラワー・ムーブメントというのがあった。

その流れに乗ったのか、デビッド・ダッドリーという男は、アメリカ各地(主にダッドリービル)で盛んに種まき運動をしていたのであった。
その結果、各地で人種の壁を乗り越えて、ダッドリー・ブラザーズが誕生していた。
異母兄弟である。

彼らには共通点があった。
みんな眼鏡をかけていること。(試合の時ははずしている)
喧嘩好き、である。

喧嘩好きのダッドリーズは、ECWリングに集結し、ダッドリー・ボーイズと名乗るようになった。
たくさんの兄弟達のなかには淘汰されていく者もあり、彼らがWWEに移籍した時には3人になっていた。

すなわち、ババ・レイ、ディーボーン、スパイクである。

長男ババレイ

次兄ディーボーン

末弟スパイク

ババレイはお兄さんでまとめ役らしく、大変頼りがいのある体格をしている。
つぶらな目はあくまでも澄み、リングでは、そのコロコロした体型からは想像も出来ないくらい、俊敏な動きを見せる。
そして何故か謎の広島弁を操るのである―――Jスカイの字幕でのことであるが。
「なんぼのもんじゃボケェェ!」
「わしら知らんもんじゃけん」
これが異様にマッチし、画面は「仁義なき戦い」の様相を呈するのだ・・・・。

なんぼのもんじゃあ!

次兄のディーボーンは黒人である。
どうしてこれが兄弟になるのか分からないが、人種の壁を乗り越えているのがダッドリーズなのである。
ババレイのパシリのような役目を受け持ち、兄が対戦相手の股を広げて
「ディーボーン!!」
と叫ぶと、ポールから飛来してくる。
そしてその頭は相手の股間へバチリと。痛そうな技だ。
そして二人で相手を持ち上げての3D。
これもかっこいいぞ。

ディーボーン弾飛来 違う角度から

しかし何より、ババレイの名場面、
「ディーボーン!」
(ワーワー:観客の声)
「ディーボーン!!」
(ゲット・ザ・テーブル!:観客のチャント)
「・・・・テーブルじゃああ!!」
命令一下、ディーボーンは素早くマット下に走り、組み立て式のテーブルを用意。

高度なテーブル使いの技 このようなテーブルを使う

いつもいつもうまくいくとは限らないが、(時々自分たちがテーブルに叩きつけられることもある)

時々返り討ちにあうことも

相手をテーブルの餌食とするのである。

その時のババ・レイの恍惚とした目!!

ババレイのイっちゃってる目

テーブルの餌食となるのは、相手を選ばない。
女性であろうが、老婆であろうがお構いなし。

女性も容赦しない 老婆も犠牲に

ダッドリーズは、以前ヒールで売っていたのだが、やってることは極悪非道なのに

被害者の老婆をいたぶる

なぜか人気が出てしまい、今は完全なベビー・フェイスと化している。

ロック様にも影響

末弟のスパイク。
一番かわいい顔をしている。
そして解説者のキングが、「あいつの体重は胎児なみだな・・・」と看過した通り、
プロレスラーとしては極めて小柄で、体重も少なそうである。
大柄のレスラーと混じって戦い、いつもボコボコにされる姿には哀愁を誘う。

ボコられるスパイク

しかし、彼は気が強い。
以前、付き合っていたガールフレンドをかばい、相手もあろうにストーンコールドに挑戦状を叩きつけ、マッチ・メイクを実現。
大物との対戦に嫉妬を隠せない、兄達と不仲になったこともあった。

不仲は長引いたが、現在では3兄弟は仲良くRAWで勧善懲悪している。

RAWとスマックダウンが分かれる前、ダッドリーズの入場シーンを華やかに彩っていたのは、今をときめいているステーシー・キーブラーである。
股下104cmの脚の長さを誇る美脚キャラ、ステーシーも、当時はダッドリーズの一員として迷彩服の制服(もちろんミニスカートだが)を身にまとい、
マネージャーとして活躍していた。
『ダッドリービルの公爵夫人』は、名キャッチフレーズであった。

『ダッドリービルの公爵夫人』ステイシーです。

そして名タッグ・チーム、ダッドリーズ(ババとディーボーン)の解散。
それぞれRAW組とスマックダウン組に分かれることになり、兄弟の抱擁と別れは視聴者の涙を誘った。

分かれてしまった兄弟――特に黒人のディーボーンの方はパッとしなかった。
インチキな伝道師(寄付金を強要し、使い込んでしまう)にキャラ変更したりしたが、いまいちブレイクしなかった。
でもって、ディーボーンは最近RAWに移籍。
再び迷彩服に身を包み、兄とタッグを組んで脚光を浴びている。
いつも彼の役目はテーブル運びである。
最近は末っ子のスパイクも参加して戦っていることも多く、
「仲良きことは麗しきかな」状況になっている。

再びタッグ王者になって欲しい

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