勧誘電話というやつがある。この年だとそのほとんどが塾や予備校の勧誘で、かなりしつこい。その中にはかなり馴れ馴れしい奴がいたりして、たまに腹が立つ。
夕方の6時ごろ。私は家で一人で映画かなにかを見ながらくつろいでいた。そこへ1本の電話が。
私「なんだよ、いい所なのに。はい、もしもし?」
男「私、○○(予備校の名前)の××と申しますが、え〜と、高校一年生のタジマ君いるかな?」
私「自分ですけど」
男「あ、ほんと?えっと、タジマ君は今どこの高校通ってんの?」
私「(随分唐突だな)△△高校ですけど」
男「へぇー!そうなんだ!部活とかはやってんの?」
私「まぁ、一応野球部です」
男「おっ!いいねぇ!俺も野球部だったんだよ。でさ、この間教え子が出る夏の大会があってさ。俺応援にいっちゃったよ。けど惜しいところで負けちゃったんだよなァ。タジマ君達は夏の大会はどうだったの?」
私「一回戦の相手が雪谷でした」←去年の甲子園出場校
男「そうなの?そりゃあついてなかったねぇ。じゃあ話は変わるけど、勉強のほうはどんな感じ?つらいでしょ? 」
私「(これはケンカを売られているのか?)いや、大丈夫です」
男「ホントに?成績落ちたりしてない?」
私「上がってます」
男「あはは、それなら言うことないなぁ」
私「(それなら電話を切ってくれ)」
男「それじゃあさ、万が一成績のことで困ったりしたら連絡してね。いろいろ相談に乗ってあげるから。あと指定校推薦とか狙ったりする時も教えてね。うちはいい先生がいっぱいいるからさ。それじゃまたね」
各所に嫌がらせ的発言が勃発している。まずは部活の話から入るという基本的なマニュアルで奴らは我々の心に隙を作り、そこに着け込むといういやらしい戦法である。念の為言っておくが、カッコ内は私の心の叫びである。 また、部活がらみということで、こんな電話も来た。
私「もしもし?」
男「もしもし、(省略)・・・タジマ君はご在宅ですか?」
私「自分です」
男「あ、タジマ君?タジマ君さ、今どこの高校通ってんの?」
私「〜高校っすけど」
男「マジで!おぉ〜すごいな〜!」
私「(きっと誰でも同じリアクションなんだろうな)いや、別にすごくないです」
男「アハハ、そうか。じゃあさ、部活とかやってる?」
私「野球部です」
男「マジで!モテモテじゃん!!ちなみにポジションはどこなの?」
私「(野球やってるだけでモテモテだったら苦労しねぇよ)一応ピッチャーっす」
男「マジで!!うぉ、すげェ!絶対モテるでしょ!ねぇ、モテるでしょ!!」
私「いや、モテません」
結局最後はうちの予備校に入ってください的なことを言われて断わった。しかしあそこまでモテるモテる言われると、もはや皮肉である。おそらく過去に余程容姿のいいピッチャーと出会い、その記憶が焼き付いているのであろう。もしくは野球漫画
= タッチという方程式が彼の中で形成されているのだろう。そういう人達には是非ドカベンの高校野球編を見て欲しい。主人公的存在の里中や不知火こそはハンサムな顔立ちだが、他はみんな動物のような顔である。
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